邦画しか見ない人が『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』見た件について(ネタばれ満載)

タイ映画。人生で初めて見たタイ映画。

邦画はすんごく好きなのに、洋画は苦手で、アメリカもインドもアジアも今まで全然挑戦してなかった。でもこの映画は、どっかの情報番組で映画評論家?みたいな人がだいぶ前に紹介していてずっと気になっていた。

結果、めっちゃ面白かった。いやーーハラハラした。めっちゃハラハラして夢中になってて噛り付いてみてた。全然飽きがこなくて、気付いたら終盤で。結末は正直「なんでやねん。」と思ったけど、それまでのハラハラドキドキ感が最高。

リンがピアノで閃き、時差で閃く。リン、何を起こす気や!!ってワクワクをくれる。ピアノは最初のカンニングで利用するだけじゃなくて、リンが必死に答案を覚える時にも使われてるんが面白かったしなあ。めっちゃ頭いいんよな、ほんま。その頭の良さが清々しくて、私の頭にはないなあって関心してしまう。リンへ引き込まれてしまったなあ。

てか、演技めっちゃ上手いし表情の切り取り方めっちゃ好きやった!!タイ映画の演技のクオリティ知らんけど、みんなピッタリやったなそこも面白かった!!1カット1カットの表情も、欲しいものをくれるというか。リアリティあったなあ。

物語は、カンニングチームを組みだしてからと、取り調べを受けている風なのと並行で進められていくんやけど、サラッと騙されてたわ。カンニングがバレて取り調べを受けてると思ってたシーンは、ただの”練習”やったんよな。「STIC」のカンニングに挑戦する前の、捕まったときどう答えるかの練習をそれぞれしてただけ。結局捕まってもうてるやんって思わせときながら、途中で、いや練習やったんやでって。でもそのネタバラシがまあ、軽いんよな。他のビックな出来事の中にサラッと入れてる。そこが好き。映画によくあるやつなんやけど、そのよくあるやつをメインに置いてないから余計にこの”よくある騙し”が面白く感じる。え、あっ、騙されとったん!?って思ってるんは一瞬で、次のシーンに没頭してるから飽きる隙がない。間がめっちゃ上手いんかもしれん。

そんで、この映画の面白いとこは、カンニングへのハラハラドキドキ感も勿論なんやけど、格差社会の闇が凄い事。

だってそもそも、勉強出来るわ運動出来るわ大人を掌で転がすことが出来るリンがカンニングをする意味が分からんやん。カンニングなんか必要ないやん。バレるリスクを背負って生きる意味ないやん。って思うけど、結局お金やねん。グレースとリンは友達と見せかけて利害関係が一致してる両者なだけ。お互いいい所取り合って利用してるだけ。だって、生きていく階級が違うから。

リンは、父子家庭の貧乏暮らし。途中から溺れ始めるバンクも母子家庭の貧乏暮らし。一方グレースは、学校に親がお金を払うことで成績が無くても通えるレベル。グレースの彼氏の大馬鹿パットは家にプールがある大金持ち。

そもそもの環境が違う。金持ちは成績を悩みに持ち、貧乏人は、どんだけ成績優秀でも金に目がくらむ。それを「高校生のカンニング」で表現してる。

カンニングがやったらあかんことなんは当たり前に分かってるし、リンはそこまでする…!?って思うぐらい必死になるときもある。でもこれも大金の為なんよな。結局お金。

グレースが着てる服と、リンの服も全然違う。留学の話もリンの留学は一瞬で散るのに、グレースパットはあまりに簡単に話になる。この馬鹿馬鹿しいぐらい明らかな格差を繋げてるものがお金。

人間は一生不平等なんよな。って、貧困の格差に置いての問題ってこういう事にもなるんやぞってな。


でも結末はマジ「う゛ーーーー」やったなあ。だって、これじゃあバンク報われなさ過ぎやn!?

バンクは、「STIC」カンニング計画を実行するために、ハメられて留学諦めざるを得なくなって、その恨み晴らすのがお金を倍にしてもらうってことだけで、もらったお金でクリーニング店を開業できたけど、リンが告発したことによってそれら全て奪われるんやで。それにカンニング沼にもハマっていってさ。めっちゃ理不尽やん。どうフォローしてもリンがバンクを巻き込むことになったのは明らかやのに、「STIC」の時にリンを庇ったのに、それすらも無意味で。私がバンクやったら、自分の人生見失って生きていくってことは、考えられへんくなるけどな。

とにもかくにも、バンクがどこかで報われている事を私は祈る。グレース達は利用した分の天罰が底なしに下ってくれと思う。

普段見ないのを見るのってめっちゃ大事やなって、邦画しか見なかったマン思った。先週は『パラサイト』も初めて見たけど、これも見て良かったって思ったからレビュー書きたい。NetFlixにハマる方々の気持ちも少し分かったし。とにかく面白かった!!!

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