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ワイン業界キーパーソンの集まるボルドーワインの試飲会

こんにちは、安井郁子です。
記事を読んでくださる方、応援してくださる方、いつもありがとうございます。

今年も開催されたUnion des Grand Cru de Bordeaux試飲会

今年は、コロナ禍で、大きな試飲会がほとんど開催されない状況でしたが、年末恒例のこちらの「Union des Grand Cru de Bordeaux」のワイン試飲会は11月17日に東京八芳園にて開催されました。

ボルドーグランクリュ2017ヴィンテージ

「Union des Grand Cru de Bordeaux(UGCB)」とは、仏ボルドーの各生産地域を代表するシャトーが加盟する団体で、各国での業者向けのプロモーションも大事なイベントの一つになります。
今回は、これからリリースできる2017年ヴィンテージのご紹介になります。
残念ながらボルドーからの生産者の方はおみえになれませんでしたが、先の見えないこの時期に開催されたこと自体も奇跡のようなこと!

この試飲会では、酒類業界のキーパーソンがおみえで、その年のご商売の状況などと共に、当日のワインを試飲してみての感想をソムリエさんなどと、お話しする機会もあり、情報交換の場としてもとても充実した日となります。通常は、かなり遠方からもおみえですが、私は時間の早い11時からの部だったせいもあるのか?地方の方の来場は控え気味だったようにも思えました。

こんなコロナ禍の大変な時期に、開催を決断していただいた運営の方々やブースを担当されたスタッフの方々にほんとうに感謝を申し上げます。

スピトーン

衛生管理もバッチリの会場

今年は、念のためマイ吐器持参しても使えないのか?と思いきや、試飲会場には、スピトーンも置かれていました。お酒に強くない私は、試飲の際、一口飲むこともありますが、飲まないで口内で確認した後に吐き出してチェックすることもあります。例年通りテイスティングをすることができ、ありがたいことでした。もちろん、吐器周辺は、ビニールシートでひとつひとつが区切られており、衛生管理も徹底されています。

ブース担当のソムリエさんも抜染後は、フェイスシールドとマスクを外し、ささっと且つ、きちんとワインをチェック。この時期ならではの一つ一つの作業を、スマートにこなしていきます。

抜栓チェック

ボルドーの2017年ヴィンテージは?

2017年ヴィインテージですが、会場にも説明がありましたので、一部抜粋または要約して以下に記しておきます。

2017年という年

冬から春
四月下旬の四夜連続にわたる霜害のせいで大部分の畑に甚大な被害をもたらした(収穫は前年に対し、40%ほど減)。霜害を逃れたブドウ樹は5月の恵まれた暖かい天候のお陰で2016年より2週間早い開花期となった。開花と結実が迅速に行われたので、全体的な成熟度は均一だった。

6月の天候は通常よりも多い日差しと、平均よりも気温が高かった為、ブドウの成長は速かった。7月と8月は雨が降らなかったが、日照量は47%不足。葡萄の色の変化は、通常より早い7月下旬に見られた。成熟の始まりは8月第二週目。ブドウのアロマと酸の劣化を抑えながら、着色された。
秋・収穫
9月上旬の悪天候により心配されたが、後期熟成型のメルロとカベルネ・ソーヴィニヨンは良好な条件の下で熟成された。白ワイン品種は酸味と芳香を保ち、甘口白ワインは、急激に濃縮されていった。辛口白ワイン用ブドウの収穫は早期収穫となった。
赤ワイン用のブドウの収穫は、9月第二週にメルロから始まり、10月の第一週までに終えた。
2017年の葡萄は、リンゴ酸の含有量が高く、タンニンが例年よりも低いことが特徴となる。
総括
辛口白ワイン:2017年ヴィンテージは前年より明らかに優れている。
ソーヴィニヨン・ブランのワインは熟して鮮度を維持しながら、豊かさを特徴としたワインに仕上がっている。

赤ワイン:濃い色で、フルーティーな香りが特徴的。美しく、熟した葡萄のフィネスを感じる。テロワールの特徴が顕著に表れたフレッシュで果実味を湛えたヴィンテージとなった。

甘口白ワイン:収穫は晴天の9月最後の週に始まる。糖度レベルが急速に上昇した為、迅速に選ぶことが重要であった。香りに印象的な豊かさと力強さを感じ、非常に純粋でバランスの良い酸味を特徴とするワインに仕上がった。

第一会場

会場は、二つに分かれており、2時間半の中で、どのように飲み進めていくか? まずは、第一会場の辛口白ワインから試飲をしていきました。

第一会場

まず白ワインは、ペサック・レオニャンから。香り高く、素晴らしい酸味と果実味のバランスが良いものが多いです。

赤ワインは、サンテミリオン、ポムロールから。

「2017年は、総じてフレッシュなタイプ」とは言うものの、銘醸ワイナリーは、安定して凝縮感があります。

例えば、サンテミリオンの CH.Trotte Vieille や CH.Valandraud 等は、タンニンしっかり、エレガントな酸もしっかり。

全体的にみると、確かに、例年よりは、少し早く熟成が進みそうでもありますが、メルローよりカベルネ・フランやカベルネ・ソーヴィニヨン比率の多いシャトーは、やはり長熟タイプに仕上がっているといえるのでしょうか。シャトーの実力でしょうか?

会場で出会った知り合いと情報交換することも、一つの目的。とはいえ、お話をしている中で、既に一時間以上経過してしまいました。
第一会場のソーテルヌを残して、第二会場へ、急げ!

第二会場

第二会場

第二会場も、素晴らしいワインが目白押し。村ごとの特徴も確認するべくワインをチェック。
サンジュリアンのCH.Leoville poyferre、バランスがいいです!

もちろんポイヤック、サンテステフ等も素晴らしいのですが、あとは、値段との兼ね合いでもあります。総じて、バランスの良いサン・ジュリアンは、今も飲めて、かつ数年の保存もできそうで、レストランで取り扱いしやすそうです。

そして、最後に第一会場に戻り、甘口貴腐ワインのソーテルヌをいただきました。

最後のソーテルヌ

赤ワインの後に、最後のソーテルヌ。
こういう緊張する場面の多い時期は、甘口の白ワインは本当に癒されます。CH.Suduiraut、美味しかったなあ💕

ワインシーズン本格到来

さあ、今日はボジョレー・ヌーヴォー解禁日。いよいよ、本格的なワインシーズンの到来です。

繁華街のワイン売り場ものぞいてみましたが、今年は、ボジョレー・ヌーヴォーと同時に、ちょっと贅沢なボルドーワインなどを購入して、家で少人数のワインパーティーなどを開く方も多いようです。
ぜひ、旬のヌーヴォーと共に、赤ワインの醍醐味のわかる凝縮感のあるボルドーワインもお楽しみくださいね。





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