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写真とカメラの森の歩き方

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写真とカメラの世界。 その広く深い森の中を楽しく、時には悩みながら迷いながらそれもまた楽しい。 そんな世界のガイドブックです。 あなたはこの森を僕と一緒に歩いて行く仲間です。
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#フクダマコトフォトグラフィー

解像度のはなし

解像度が高いというのは簡単に言うと 写真の世界では、拡大しても細部まで細かく写ってるという意味です。 今回はそれの比喩として、人がどれだけ分解して世界を見れるかと言う意味で使いました。 ボケっと無感覚に近いような状態で生きるか、自分の世界をとことん細部まで味わえるか、それがより幸せに生きるための大事な要素の一つだと思うのです。 そして写真を撮る事の良さの一つはそういうところにもあるかなと思います。 写真を撮っていると目の前の世界を見る解像度が上がってくるはずです。 よ

霧立ち込めるグラウンドにて。

階段にて。登るも下りるも一段ずつね。

雪が降りました。という報告ではありません。

昨日現像から上がったフィルム。 NikonFに入れていたフィルムはえらく長い間の時を抱え込んでいた。 一枚目は雪景色が写っているじゃないか! 春先だとは思うがもう何月か記憶が定かじゃない。 少なくとも半年以上は経っているということか。 今使ってるフィルムカメラは二台あって、ひとつはこのNikon F。 もう一台はMINOX 35GT。 MINOX 35GTは小さいカメラ(だが良く写る)なのでだいたいいつも持っている。 なので少なくとも月に一本以上のペースでフィルムを消費し

《《乳剤の追憶》》

あの真夏の日 焦げるような陽射し 体温を上回る気温 その中を泳ぐようにバイクで走っていた日 うるさい蝉の鳴き声 フィルム写真は、その時の気温や空気や陽射しや自分の息遣いやその時の音 そんな知覚が強く蘇ってくる。 これはデジタル写真と比較しての話であるが、デジタル写真にはEXIFデータの中に撮影データや撮影した日にちと時間が記録されていていつでも確認ができる。 一方、フィルム写真にはEXIFデータのような便利なものはないから確認できない。 でもその写真を撮ったときの様々な感

FMP写真ワークショップ@ジネゴ 開催します。

『FMPフクダマコトフォトグラフィー写真ワークショップ』 いよいよ大石田町次年子の ブリッジ 次年子窯& Umuiで開催します。 3月14日(土)12時から15時まで ご存知ジネゴで開講します。 ここは陶芸家 高橋 廣道の次年子窯と 料理人 Umui Emikoの Umuiがある山奥の不思議な建築物(廃校)。 建物も中の人もそこで作られ産まれ出るものも全てが面白く不思議で、魅力的で美味しい。 そんなジネゴでFMP写真ワークショップを開

いまだからこそ家族写真、ちゃんと残しませんか。

「いまだからこそ家族写真だけでもちゃんと残しませんか。」 このご時世に宣伝めいたこと言うの気が引けなくも無いですが、言います。 卒業式、各地でお父さんお母さんが入れないとかなっちゃってますが… 切ないですね。 そこで家族写真だけでも撮っておきませんか? いまこんな世の中だけど。 あとで家族みんなで振り返ってみてその時の家族の日常に感謝できるように。 こんな世の中だからこそ、家族の節目の写真だけでもちゃんと、と思って。 そのお手伝いが僕に出来れば嬉

世界を見る解像度

写真を撮るという行為を好きになり、のめり込む。 そうすると良い事がいろいろあるわけですが、その一つに『世界を見る解像度が高くなる』という事があります。 この現象について説明したいと思います。 例えば、他人の写真を見ていると自分と同じようなものを思いもよらない視点から撮っている人に出会うと思います。 その時ものの見方は一つじゃないという事に気づきます。 翻って自分の写真にももっと違う視点があるんじゃないか、もっと違う切り取り方があるんじゃないかと自分の視点や切り取り方などを

モニターからと紙からの情報と脳の受け止め方モードの話

モニターから発せられる光と、紙から反射される光とで僕らの脳は自動的に受け止め方のモードが切り替わるという興味深い話をみつけました。 モニターからの情報に対しては脳が受動的になり、送られてきた情報をそのまま受け止めようとする。 一方で紙からの情報に対しては、分析したり批評したり能動的になりやすい。 のだそうです。 これを写真に置き換えて考えると、モニターで見ていると全く気づかなかった「アラ」が、紙にプリントした途端に見えてくるって事が良くあるんですよね。 変なノイズに

撮り続けよう。健やかなる時も病める時も。

仕事が忙しすぎて、オーバーワーク状態で写真もあまり撮ってない。苦しい。 たしかに、そういう事はあると思います。 でもね。 そんな時こそ写真を撮って欲しい。 撮るものが無い。 そんな事は無いです。 目の前にあるものをなんでもいいから撮ればいい。 つまらない写真ばかりかもしれない。 でもその評価は絶対的なものではないし。 つまらないものでもなんでも撮り続ける事。 これはとても大事なこと。 綺麗なものや凄いものを撮って綺麗だったり凄い写真が出来るのはむしろ当たり前。 なん

ピクチャースタイルってなんだ。

先日のワークショップで「色」のことをテーマにしたんですが、そのとき「ピクチャースタイル」の話をしました。 (注:キヤノンでの呼び方。例:ニコンはピクチャーコントロール。オリンパスは仕上がり。ソニーはクリエイティブスタイル。ペンタックスはカスタムイメージなど。) そのピクチャースタイルについて整理したいと思います。 ピクチャースタイルとは、撮影した写真をカメラ内でどう仕上げるか、という調整の具合を変えるものです。 キヤノンの場合は ・スタンダード ・ポートレート

森山大道さんの「光と影」

山形県酒田市の「出羽遊心館」で、森山大道さんの写真展をやっているのです。 ここ山形ではもちろん初の森山さんの写真展です。18日までですので写真好きな方はぜひ。おすすめいたします。 で、ぼくは今日行ってきました。 凄く良かったです。 行って良かった。 森山さんといえば、という感じのゴリゴリのストリートフォトは見れなかったけどそれでも凄く良かった。 特に「遠野2014」のプリントが良かった。 キヤノンサロンの企画での作品で、キヤノンの当時の技術の全てを尽くしてプリントした