見出し画像

小さな村の50人で作るフェスで1600人を集めた話

舞台は岩手県北

岩手県九戸村。人口約5000人、その半分くらいは高齢者。
そんな小さな岩手県北の村で7月14日、音楽フェスが開催された。

ポスター作りましたん

会場は、村内のスキー場。
リフトがひとつで、コースが3つのかわゆいスキー場。
今まで夏場は特に活用されていなかった。

スタッフは、ほぼボランティア

実行委員会は、村の音楽好きのおじさんたちを中心に結成された。
そこに村の商工会や商工会青年部、地元企業の方々などが巻き込まれていく。みなさん、仕事が終わってから夜な夜な集まって打合せをする。昼間はグループラインがひっきりなしに動く。建築屋さんがステージを作り、測量屋さんが会場図を考案し、電気工事屋さんが電気線を整備し、金融関係屋さんが協賛を集めにまわる、看板屋さんがステージ装飾を制作し、事務員のお姉さんが資金繰りと物販などを管理し、音楽好きのおじさんたちが音響設備を作る。みんながみんな、得意分野を担当し動いていく。(多少料金を払っている部分もあるが、協賛という形で無償でやってもらうことも。そして、だいたいはタダ働きです)

なぜ、そこまでできるのか

楽しいから、だそう。楽しいことをしたいから、だそう。
たしかに、文化祭の準備みたいで楽しいなと思うこともあった。
しかし、わたしはポスターとパンフをほぼ無償でつくっている中、
話がまとまらなくて無駄に時間がかかった時はキレてしまった笑
他のみなさんは、どんなに仕事を振られようがキレない。(むしろ、自分からどんどんやる人もいる)えらい。
あとはみんな仲良しなんだと思う。
この人たちと同じ時間を過ごしたい!と多かれ少なかれ思っているのではないかと思う。わたしも、みんなとビールを飲むのが楽しみだった。

小さいからこそのスピード感

村は小さい。人口も少ない。
それは決して切ないことだけではなく、
なにをするにも動きやすいというメリットもある。
このことは誰々に許可をとればいい、あのことは誰々が得意だ等、
いろんなことにさっと手が届く。
田舎はなんにもないとよく言われるけど、逆だ。
田舎にはなんでもある。この地域の人たちで、自分たちで、生活してきたのだもの。なんでも自分たちでやっちゃう人が多いのだ。強すぎる。

そして、抜群の広告塔

数年前、村で生まれた非公式のキャラクター。
SNSで人気を集め、彼自身がグッズ作りやイベント出演をこなす。
創造力が高く、変なことをすることに抵抗がないのがすごい。

みんなはその勢いにひっぱられ、行動力を増してきた。
自分たちで”楽しい”を作り出せる人が増えた。
そして、”楽しそう”だとさらに人が集まってくる。

当日は1600人が熱狂

近隣市町村、そして遠くは関西などからもお客さんが来た!(岩手にゆかりのあるプロのミュージシャンが出てくれた効果も大きい!)
ぎちぎちのタイムスケジュールも、問題なく進んだ。すごい!
当日の雰囲気はまぎれもなくフェスで、いつもがらんとしていた夏のスキー場にエネルギーが溢れていた。

「ないなら、つくっちゃえばいいじゃん」

無事に当日が終わって、呑んでる時におじさんが言ってた一言。
ほんとだー。ないなら、作ればいいだけだあ。
そして、もともとあるコトを支えるよりも、0→1に携われる方が圧倒的に楽しいと思う。なので、今回もなんだかんだ楽しかった。
そして、「ないなら、つくればいい」は希望の言葉だ。
どこへ行こうが、自分次第だ。できることはけっこうあるのだ(周りを巻き込めたらなおいい)
現状に文句を言うことは、自分は無能だと言ってるようなもんだ。
もっと自分の力を信じてみていい。周りの人の力を信じた方がいい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?