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逢いたい

吾郎さんに逢いたい。

自分がどうしようもなくしんどいと思う時、誰かに助けて欲しいと思ったり、温かさに包まれて安心して眠りたいと思う時はあったけど。

それが「特定の誰か」というイメージを持った記憶があまりない。

家族はむしろ本音を一番知られたくない対象だったし、学校や職場では本音をあまり見せられなかった。

トランスの友人たちの繋がりにはかなり帰属感を感じたが、事件があって崩壊してからはみんなどことなく疎遠になったし、大人になるにつれすれ違うことも増えて今は距離が遠い。

特定の「あの人」に逢いたい、と思えるだけでも、大きな変化なのかもしれない。

会いたい人の元に行けるだけの体と心がほしい。

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