居抜き物件で美容室をやるときに注意しなければならないこと

居抜き物件で美容室をやろうとするとき、または中古物件を買うときもそうなんですが、対象物件について、必ず、事細かに、念入りにチェックする箇所があります。

それは『水回り』です。

私は嫌というほど調べまくります。

なぜかというと、水回りは建物の作りや経過年数、給湯設備の状況などによって、お金がかかりまくることがあるからです。

例えば、使われている水道菅が鉄製の場合、経過年数や使用するボイラーによって破裂する可能性があり、今後全て交換することになるかもしれません。

さらに、建物がコンクリートであったり、木造であっても逆ベタという基礎の様式である場合などで水道管がコンクリートの中に埋まっている場合、何らかの理由で水道管を交換するときはとんでもない値段になったりしますので、覚悟がいります。

具体的な値段は地域や規模によっても違いますが、私がいつもお願いしている設備屋さんでは、水道管を鉄製からポリ菅に変える工事は30万~、コンクリートを掘る、いわゆるハツる場合50万~となっていて、いずれにしても安くはありません。

あと注意しなければならないのは、使われているボイラーが直圧式か貯湯式か、どちらを使っているかです。

美容室は昔から貯湯式を使っている所が多いです。

この理由は推測ですが、昔は貯湯式のほうがランニングコストが安かった、からだと思います。

直圧式は水圧が強いのがメリットなのですが、蛇口をひねってお湯がでるまでに時間がかかるため、水を捨てることになります。

そして、昔はプロパンガスしか使えなかったんですね。

なので、燃料費が嵩んだんですね。

そこで貯湯式にすることで、タンクに水を貯めて暖めておき、ポンプで押し出すことで、水圧は弱いけれど、捨て水をなくすことができるようになったんですね。

しかも、高いプロパンガスではなく、安い灯油を使うことでランニングコストを抑えることができた、ということだと思います。

その流れで今でも貯湯式が多いと思いますが、貯湯式の場合、貯湯器が故障するとそこに繋がってるシャンプー台すべてからお湯が出なくなり、一時的に営業ができない状態に陥る可能性を孕んでいるんですよね。

逆に直圧式の場合、シャンプー台1台につき一基のボイラーを設置することができるので、シャンプー台2台それぞれにボイラーをつけることで、1基のボイラーが故障しても、もう1基のボイラーでしのぐことができる。

ですので、私は直圧式のほうが好きです。

しかも今では灯油を使える直圧式ボイラーがありますので、プロパンより安く運用できますしね。

ただねこういうと、貯湯式はリスクあるから、直圧式に変えよう、って思うと思うんですが、例えば水道管が鉄製で20年くらい経っていた場合、貯湯式から直圧式にすると、水圧の強さに耐えられなくて水道菅にヒビが入り水漏れが発生するかもしれないんですね。

さらに水道菅がコンクリートの中を通っていたら。。。

そうなると、簡単には切り替えできませんよね。

ほんとに悩ましい問題です。

こんな感じで居抜きでお店をやる場合も中古物件を買うときも、水回りにはナーバスになってしまいます。

安物買いの銭失い、にならないように気をつけたいものですね。

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