シェア美容室を三年やってみて思うことを書く

長文です。

シェア美容室を運営して三年が経ちました。

初期投資は半年で回収、一年目の運用利回りは税引後利益で200%を越えました。

二年目、三年目ともに、徐々にですが右肩上がりに売上、利益が伸びています。

令和元年9月から四年目に突入、私自身は独立して12年目となります。

そこで、少し立ち止まって、シェア美容室を運営してきた三年間を振り返り、また今後の展望についてもいろいろと考えてみたいと思います。

私がシェア美容室をやろうと思ったのは独立する前でしたので、もう10年以上も前になります。

そのころから、いろいろと構想は練ってはいましたが、シェア美容室をやるうえで壁となっていたものがいくつかあり、そこをクリアしないと運営は厳しいのでは?と思っていました。

それは、
シェアをする美容師さんたちをどのように集めるか?
シェアする美容師さんたちの集客をどうするか?
この二つでした。

また、自分自身の問題として、会計や税金、保険、投資などのお金に関する知識、運営して利益を出すための情報やスキルがまったく乏しい状態でしたので、ただでさえ生産性の低い美容室経営でさらにシェア美容室として利益をあげるためには、あらゆる面をレベルアップしていく必要がありました。

上記二つは結果として、「スマホの普及」が全て解決してくれました。

スマホが普及する前は、一部のpcユーザーだけにしか情報を発信することができませんでした。

それが、スマホの普及により、個人でも容易にメディアを作って発信したり、またそれを多くの人が見ることができる媒体が登場し、個人間で情報をやり取りすることができるようになりました。

これにより、美容室を介して繋がっていた美容師と顧客が、美容室を介せずとも、直接やり取りすることができるようになりました。

そして美容室側は独立する美容師の顧客を囲いこんだり引き止めることが難しくもなりました。

snsの発達もとても大きい要因でした。

過去に担当してもらったことがある美容師さんと何年かぶりに繋がりができたり、facebook等で疎遠になっていた学生時代の同級生を容易に探すことができるようになりましたので、集客に関してのハードルはほぼなくなりました。

美容師さんを集めることも、基本的には集客と同じですので、snsやブログを駆使していくことで少しずつ美容師さんは増えていきました。

会計や税金の知識に関しては、こればかりはやりながら覚えていくしかありませんでした。

一応、エクセルで損益計算をシュミレーションしましたが、何せデータがないものですから、やりながら蓄積していくしかありません。
最悪、赤字覚悟。

ですので、最初から大きい額を投資するわけにはいかなかったので、内装や設備はある程度妥協し、場所だけはとことんこだわり、さらにできるだけ好条件で借りるために交渉、損益分岐点を低くして地の利をうまく使う戦法を取りました。

この戦法はとても上手くいったと思います。

もし、シェア美容室をやるなら、場所はその地域で一番良いところにすることが大事だと思います。

それだけで、シェアする美容師さんにはメリットがありますし、新規客も特に何もしなくても一定数は来ます。

ただし、「一番いい場所」というのが具体的にどういう場所を指すのか?これがわからないと、まったくもって効果を発揮できないということは覚えておきましょう 笑

私の中ではよく「後光がさしている」物件と言っておりますけれども、半分冗談、半分ホント 笑

話が反れましたが、もし、10年前に早まってシェア美容室をやっていたら、今頃潰れていたんじゃないでしょうかね。

そのくらい、スマホの普及とネットの発達に助けられ、やり始めたタイミングがよかったということだと思います。

それにくわえて、東京や大阪などの都市部でもシェア美容室を運営するところが出て来たり、それにともないフリーランス美容師が増えて、世間に認知され始めた、というのも非常に大きい追い風となりました。

当初は美容師3人、席数6席からスタートし、今では美容師8人、席数8席と増えました。

ノロノロですがね。

少し形態を変えますが、来年には新しいシェア美容室
をオープン予定です。

この人口の少ない地方、片田舎で、徐々にではありますが、フリーランス美容師が増え、ビジネスとして成り立っていることはとても誇らしいですね。

ですので、シェア美容室はこれからも全国的に増えていくのでは?と思っています。

4年後から始まるインボイス制度で、業務委託美容室からシェア美容室に移る美容師さんも増えるかもしれませんし。

もしシェア美容室を開業するなら、今が一番良い環境、時代なんじゃないでしょうか?

業界内外で狙っている人もたくさんいるでしょうね。
ただし、私的には都市部ではない地方でのこれからのシェア美容室の展望については、どちらかというとネガティブに考えています。

投資対象としては素晴らしく、事業性も高く、美容師さんを集めることができれば、不動産投資をするよりもずっとリターンが大きいですので、投資対象としての話ではなく、一般客から見たときの美容室の在り方と、フリーランス美容師に対する場所の供給に関する上でです。

そのような観点からみて、シェア美容室だけを店舗展開していく必要性はそれほど高くはないかな?と思っています。

これは三年間やってみて、シェア美容室を利用する美容師さんのターゲット層が自分の中で絞りこまれてきたからこそ、思うことであります。

当初の私の考えでは、美容師により多くの報酬、ストレスのない環境を与えてあげれば、相乗効果で売上も顧客も増えていくはずと思っていました。

しかし、実際に運営してみると、フリーランス美容師になるすべての人が、顧客と売上を増やしていきたいわけではない、顧客ファーストよりも子育てや別の仕事もしたいという自分ファーストの美容師さんも半分いるということがわかりました。

あとはリスクを取りたくない、安定がやはり欲しいという美容師さんもかなり多いです。

こんな感じで、様々な考えを持つ美容師さんが、一つの箱の中で相乗効果を出すのは難しく、一般客に対する店としての売りは「マンツーマン施術」くらいしかありません。

そうすると、「マンツーマン施術」のお店として、「マンツーマン施術」をしてもらいたいお客さんが集まってくるわけです。

マンツーマンは利益をあげるには一番効率が悪い形態で、単価を高く設定しないと儲けを残すことが難しい。

地方で、しかも同じ地域で高単価の店を横に広げていくのは、ちょっと魅力的ではないですね。

それよりも、コンセプトを明確にした別タイプの美容室や低価格の美容室をリスク分散として展開したほうが、地方ではよさそうです。

まあ結局は私自身がシェア美容室の横展開をする能力がないだけなんですけどね 笑

横展開できる人はガンガンしていくんだと思います。
ちなみに、先ほど業界内外で狙ってる人が沢山いると言いましたが、業界の外の人にはシェア美容室の運営は難しいのではないでしょうか?

やったとしても、中途半端になりそう 笑

できなくはないと思いますが、不動産賃貸的な感じでしか参入できないと思います。

それだと、初期投資の回収に時間がかかり、まったくもって旨味がない。

それなら美容室に絞るのではなく、テナントをつくったほうがいいです 笑

シェアする美容師さんのサポートやケアもそうですし、儲けを出すにも美容師さんでなければ難しいと思います。

それくらい、専門性の高い問題が浮き上がってきますし、キャッシュポイントも美容師さんなら気づいて色々と作ることができると思います。

ですので、資産を築きたい、人生逆転したい美容師さんには、まだ普及してない今はめちゃくちゃチャンスではないでしょうか?

ということで、シェア美容室は沢山はいらないけど、ある程度人口の多い街にはひとつくらいあってもよい、と思うしだいであります。

投資対象としてのシェア美容室は、美容師さんがするなら最高によいと思います。

不動産としての価値、事業としての価値がばっちりあります。

値がつく、売れるということ。

株の年間の利回りはだいたい5~6%、不動産は10%~12%ぐらいが平均でしょうか?

利回りから価格が決定するとしたら、年間600万のキャッシュフローを得られるシェア美容室の売却価格はいくらになるでしょうか?

利回り20%、5年で回収できるとして売るなら3000万。

利回り10%、10年で回収できるとして売るなら、6000万です。

一店舗の事業でこれだけの資産価値があることになります。

土地から購入する、テナントでやる、やり方によって価格は変わってきますが、美容師さんの資産作りには最適だと思います。

美容師さんを集めたり、売上を維持するのは簡単ではないんですけどね。

今は不動産投資と比べ物にならないくらいリターンがあります。

普及するまでがチャンスだと思っています。
長々とシェア美容室を三年やってみた感想を書いてみました。

フリーランス美容師の将来に関する見解も書こうと思ってましたが、ちょっと長くなってきたので、また今度にでもしたいと思います。

私の個人的な感想を長々と失礼いたしました。

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