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霞城公園の桜が満開だという話を耳にした
10年前の春、私はそこで満開の桜を見上げていた

何も持っていなかった
倫理観の無いことを沢山していたし
そういう自由しか持っていなかった

いわゆる浮浪者
野宿をしたり、電車で寝たり
駅前のベンチで寝ていて
友人から危険人物と間違えられたり

もう1年以上働いていなかった
どう頑張っても、世の中でうまく働いていける気がしない
未来は何も見えなかった

何も出来ず暗い部屋にいるのが苦しくて

ただ闇雲に山に入って
山を巡っていた

不思議なもので、山を巡っているうちに
どんどん苦しみは減っていき
光がさした

そうして山を追い続けた結果、私は山形にいた

私の好きなCoccoが10yearsという楽曲を書いている

One,two,three,four,five,
six,seven,eight,nine and ten

デビュー10周年の頃、まだ10周年を思い切り祝えなかった彼女が残したアニバーサリーソングだと勝手に想っている

最初の3年の朝日町
それから色々あって
間もなくまる10年

昨年は、何度も行こうとしていけなかった飛島に渡ったり、朝日町の祭りを見に行くことができた

10年一昔
色々なものがなくなり
また人もいなくなったり
新しい出会いがあったり
人の世界は10年もあればくるくる変わっていく

山形の山々は美しく
今も私は山々を駆け回る日々を送る

今年は久しぶりに大朝日岳を巡りたい

変わるけれど、変わらない山々
迎えた11年目の春

この大いなる山、海、川、大地
そこに暮らす多様な方々と出会えたことに感謝をこめて

10 years
is not long enough to show my love

10 years
is long enough to say I love you

I love you

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