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地域おこしの証明
地域おこし協力隊の任期を終える友人の活動報告会に参加してきた。
友人は、地区に密着し活動するタイプの協力隊。
私も毎年1、2度、彼女に誘われその地区を訪れていたので、報告会には見覚えのある方々の姿があった。
今までも、友人の地域おこし協力隊員が任期を終える度、幾度も参加してきた活動報告会。
今回も、最初はいつものように自己紹介から始まり、3年間、どんな活動をしていたかの話になった。
なった…はずだが
いつの間にか、友人Nが調べて調べて調べ尽くした文化財の話になっている。
あれ?
これって、文化財に関する報告会だっけ?
という疑問が沸いてくる。
あれ?
あれ?
しかし、話についていけなくなったのは私だけなのか、周りの人達は時々あいづちを打ちながら、熱心に聞いている。
Nが興奮しつつ「瑞龍院繭文字額」に関して、分かったことなどを語るのが、けして浮いていない。
おお…凄いなこれ。
元々、Nは文化財や仏像の修復を勉強してきた人で、地域おこし協力隊としても、地域の歴史、文化、仏像や社寺彫刻等を深堀りし、発信する活動をしていた。
正直、Nが協力隊として赴任した時、私は、マニアック過ぎるんじゃ…と思った。
地域おこしって、もっと広く一般を巻き込むものではないだろうか。
活動報告会の参加者の9割が男性だったのも印象的だった。女性の活動報告会で、こんなに男性が多いのも初めて見た。
Nは展示や豆本製作、地域と近隣のお店を繋ぐ活動、文化や仏教に触れてもらうイベントの企画、運営など多岐に渡って活動を行っていた。
協力隊の仕事の合間に、仏像の修復の仕事もしながら。ちゃんと寝ているのだろうかと心配になるぐらいの多忙。
そんなNに、地元の人が、宴会の最後に贈った言葉が印象的だった。
「Nさんには、この地区の人も知らなかったような歴史、文化、仏をといてもらった。深く研究してもらった。それが町にも伝わったんだろう。これからも研究していって欲しい」
仏!
仏!
仏!
「仏像!」と言って絶え間なく動いていたNの存在まるごと、地域に届いている。そんな感じがした。
自分が自分であること。
地域の便利屋になることが喜びになるなら、それはそれでいい。
地域で起業したいなら、それはそれでいい。
正解なんて本当無い。
地域の「仏」に集中すること
のめり込んでのめり込むこと
も地域おこしになる。
食や農や住のような一見地域おこし向きの「好き」じゃなくても
「自分の好き」を「地域おこし」で追求することだって不可能なことじゃないんだということが力強く証明された。
ありがとう。
お疲れ様。これからも宜しくね。
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