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「ふと」出会う普遍性

山形県内でも屈指の温泉街(と思われる)温海(あつみ)温泉に行くのが好きだ。

穢れも、染みついた色々も落としてくれそうな熱い熱いお湯につかり、鼻唄混じりで空を見上げたら、あっと驚くような美しい月の光だった。

秋風に たなびく雲の 絶え間より
もれ出づる月の 影のさやけさ(百人一首より)

1000年…
1000年よりも前の時代の人も同じように感じていた。
 
 
日本にいるの辛いな。
日本ってこんがらがって、ややこしくなって、大変な国だなと思うことも多いけれど、自然に出会う時、そしてその自然をはるか昔の人と分かち合う時、ここに残る素敵な自然の姿と、それを表現する言葉のなんとも言えない素敵さがあるから、私はここにいるのだと思う。
 
 

石ばしる垂水の上のさわらびの萌え出づる春になりにけるかも

春、野山を歩くと、この句を思い出す。
意訳してしまえば、何てことのない話だけれど、音も表現も美しいし、その感性が素敵だと思う。
 
 
その感性の国に生きていること。
山形に来て、それに気づいてから、生きているのが楽しくなった気がしています。

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