週記 3

今週の水曜日は恋人の誕生日を一緒にお祝いした。

元々、なにかちょっとしたプレゼントを贈ったり、デートプランを考えることが好きだ。
これは尽くす愛情に充足感を覚えるというよりはむしろ、単に相手の趣味嗜好を予測し、分析し、正解に辿り着けることが気持ち良いからに過ぎない。それを尽くす愛情と言うのか?
何にせよ、押しつけがましくない形で、堂々と、後ろ指を指されない口実をもって、盛大に実行できる権利を与えられたことが嬉しくて、本人よりもむしろ私の方が楽しんでしまったようにも思える。

プレゼントは前々から欲しいと耳にしていたので、オーダーメイドの指輪を作りに行った。
隣を歩いているときも、食事中も、家に帰ってからも、何度も左手を眺めている姿が嬉しかった。

恋人は紅茶が好きなので、スコーンと一緒にお茶を楽しめるティーハウスへ出向いた。
普段はカフェといえば、コーヒーが自慢の純喫茶ばかり訪れてしまう自分にとってはなかなか新鮮な体験だ。
名前が気に入ったので、”バニラムーン”というバニラ風味の烏龍茶を注文した。ミルクなし、シュガーありが一番美味しかった。
ティーポットと回転式の茶こしが運ばれ、自分で注ぎながら楽しむスタイルで、ゆったりとした時間を過ぎすことができた。
味覚、嗅覚的な要素だけだとコーヒーに軍配が上がるが、時間をかけると渋みが増していく特徴も含め、紅茶は時空間的な楽しみ方をできることを知った。

夕飯は以前から行ってみたいと二人で話していたシュラスコを食べた。
久しぶりにラム肉を食べることができて満足できた。
でも正直焼き肉の方が好きだ。焼き肉のタレのついた白米を食べたい。
予約時に注文したデザートプレートも喜んでくれてよかった。


芥川賞を受賞した九段理恵の『東京都同情塔』を読んだ。

創作物の一つ一つの要素に意味を込めて責任を持つ主人公が、借り物の言葉を無造作に乱用するAIとの対比で描かれていた。
時事的な話題ということもあり内容も入ってきやすく、2,3日ですぐに読み終わった。

主人公の牧名は、仕事に対する責任感とプライドは高いのに対し、そのほかのことに対しては自由奔放な少女のような性格で魅力的だった。

思えば、小説作品を発売日に購入したのは初めてかもしれない。
去年読んだ文学作品は、比較的古い作品ばかりのラインナップだったので、今年は鮮度の高い文章を積極的に吸収していきたい。


先週体調を崩さなくなったと書いたばかりで何だが、今週はずっとぼんやり体調が悪かった。
これと言って風邪の反応が出ているわけではないが、とことん体力がない。本当は映画も見たいし、できれば勉強もしたいのだが、帰ったらすぐに眠ってしまう。冬眠の季節だから?

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