青春18旅行 2022冬

今年の冬も青春18きっぷで旅行をしました。

青春18きっぷを利用するのは、今回で3度目になります。
毎度充実した旅行にはなるのですが、疲労と羞恥心と怠惰から、今まではあまり記録を残してきませんでした。
しかし今回、道中でこれまでの旅行のことを思い返してにやつく局面が度々あったので、せっかくなので備忘録を残しておくことにします。

1日目 新宿→静岡

初日は新宿駅から静岡駅まで向かいました。
仕事終わりなので20時半ごろの出発でしたが、0時半前には到着していたと思います。

三丁目のセブンイレブンで明太子のおにぎりとDARSのホワイトチョコレートを買って、軽やかな足取りでJR新宿駅へ。まずは湘南新宿ラインで戸塚駅まで向かいます。

電車に限らず、移動中の読書はなんでかいつもよりも捗ります。受験生の時を思い出すからなのかな。
今回の一冊目はゲーテの『若きウェルテルの悩み』。ウェルテルの極端に走りがちな思考吐露が心地よい作品でした。同著者といえばの『ファウスト』も読んでみたい。

戸塚から東海道本線に乗り込みます。
小田原、熱海、沼津と乗り換え、終点の静岡駅まで。
小田原から熱海に向かう途中にある真鶴には、ここ数年私の心を掴んで離さないスプレーアートで有名な廃墟「焼肉要塞」があるので、通るたびにちょっとだけドキドキします。
山道怖いし免許持ってないしそもそも立ち入り禁止だし、一生行けることはないと思うと残念でなりません。
バンクシーが来たら国が整備してくれて、合法的に入れるようになりそう。来ないかなあ。

熱海駅で大量のヤンキーが乗り込んできたのですが、隣と間隔を開けて座っていたせいで、見事ヤンキー・サンドウィッチの犠牲者に選ばれてしまいました。彼らはひとしきり車内を盛り上げたのちに、サーカスの始まりを告げるが如き勢いで、暗闇の三島駅に消えてゆきました…
三島駅、先の一件もあり勝手に横須賀のようなイメージを持っているのですが、実際どうなんですかね。今度降りてみようと思います。

沼津駅は待ち時間が長かったのでおにぎりと、自動販売機で買ったセブンティーンアイスを食べました。
セブンティーンアイスを躊躇なく購入できるという事実だけで、大人になった甲斐があるってもんです。

一日目は静岡駅で最終下車。
夕飯に駅付近のや台ずしで、お寿司をたらふくいただきました。お寿司大好き。たまに「好きなものでも毎日食べてたら〜」みたいなこと言う人いるけど、気が合わないなと思います。全然毎日寿司でいい。

2日目 静岡→大阪

ホテルのアラームが全く聞こえず、寝坊してろくに化粧もできないところから1日が始まりました。
2日目は今旅のメインイベント・大阪フェスティバルホールでの羊文学のライブに向かうため、10時半ごろに出発しました。

朝ごはんを食べる時間がなかったので、豊橋駅で海老カツサンドを食べました。
豊橋駅からは座席が進行方向を向いた車両に乗ることができたため、一気に移動がブルジョワ化します。

2日目に読んだのはフランソワーズ・サガンの『悲しみよこんにちは』。一行ごとに思考が揺れ動く不安定で軽やかな感情は、まさに少女性そのもの。お父さんとセシルの、父と娘でありながら互いの子弟のようでもあり、最高の友人でもある関係性に、羨望してしまいました。

大垣駅で乗り換える際、駅に雪が積もっているのが見えました。
実際に降っているところは見れなかったものの、岐阜県〜滋賀県の辺りは車窓から雪景色を堪能することができて気分が良かったです。
大人になったら雪に対して嫌悪感しか抱かなくなってしまうものかと思っていましたが、不快感どころか車窓から見るだけでも気持ちが弾んでしまうあたり、まだまだガキなんだなあとしみじみと思いました。
降ったら降ったで文句は言うと思いますが、神奈川県にも早く雪が降ってほしいなあとつい願ってしまいます。

米原を過ぎてからはあっという間に大阪駅に到着です。
今回は森ノ宮にホテルを取ったので、大阪から環状線に揺られ、大移動は一旦終了。お疲れ様でした!

羊文学のライブでは、ライブハウスとはまた違った幻想的な時間を過ごすことができました。
贅沢なクリスマスだったな〜

ライブに行った後に友人と合流して、近所の海鮮居酒屋へ行きました。
ちなみに友人は大阪の人ではなく、バリバリの神奈川県民。
変な集合方法だと思われそうですが、現地集合現地解散、これが非常に楽なのです。
全国旅行支援のクーポンで3000円分がタダ飯を被りました。素敵すぎる!舟盛りと帆立焼きがおいしかった。
たいして酔っ払いもせず、これといって積もる話もなく、12時には就寝しました。


3日目 大阪→京都→名古屋

お散歩プロフェッショナルの友人が近所にサンドウィッチ専門店を見つけたとのことで、朝から爽やかに海老カツサンドとフルーツサンドをいただき、1日がスタート。

ホテルをチェックアウトして、まずは京都駅まで。
コインロッカーに荷物を預け、出町柳駅に向かいます。
私は『四畳半神話大系』をはじめとする、森見登美彦作品の聖地巡礼、友人は御朱印集めが目的の京都観光でしたが、奇跡的に「下鴨神社」がお互いの目的に一致していたため、行動を共にすることができました。

神社や寺に全く興味を持つことができない(ごめんなさい)ので、好きな作品の舞台でない限り観光地であっても自分から出向くことはないのですが、下鴨神社はそれなりに楽しむことができました。
とくに水に晒すと結果が浮き出る「水みくじ」には、かなり心躍らされました。結果は忘れました。
駐車場にあるトイレのペーパーが有料でびっくりした。

お昼は京都大学近辺の『cafe collection』できのこスパゲッティを食べました。マジできのこしか入っていませんでしたが、思いがけず出会ったデカ盛りグルメは、私に十分すぎるほどの幸福感をもたらしてくれました。
ちなみにここも四畳半の聖地らしい。どこで出てきたか全く覚えていない!
BGMが一生同じ曲で不気味でしたが、とても居心地の良い喫茶店でした。

普段スカイプでコミュニケーションを取っている職場の関西支店の方と、挨拶という名目のお菓子交換会を済ませ(メルティーキッスをいただいた)、再び京都駅から名古屋駅まで向かいます。

今度の3冊目に選択したのは朝井リョウの『世にも奇妙な君物語』。朝井作品はどこまでもじめじめとした気持ちにさせて来やがります。綺麗事だけでまとめられた文章なんて大嫌いだと豪語する私が、ここまで厳しい現実を押し付けて来なくても…と怖気ついてしまうような作品です。

この日は名駅から桜通線で3駅のところにある久屋大通駅にホテルを取りました。
台湾ラーメンを例の如く全国旅行支援のクーポンで無料で食べた後、友人とはここで解散。

ホテルの大浴場に併設されていたサウナでちゃっかり整ったあと、M-1のアナザーストーリーを見ながらラーメン屋でテイクアウトしておいた餃子を食べ、1日を終えました。


4日目 名古屋→帰宅

アラームをかけ忘れ、チェックアウトギリギリの時間に起床。

クーポンがまだ余っていたので、エスカ地下街の喫茶リッチへモーニングを頼みに行きました。喫茶リッチには、特に意識しているわけではないけれど、名駅に来る度になんとなく寄っているような気がします。
300キロ離れたまちに馴染みの店があることは、ちょっとした自慢です。
モーニングだけだと足りなかったので、エビフライカレーも食べました。

帰りの電車はほとんど寝ていただけなので記憶がありません。
途中で漠然と帰りたくなくなり、静岡駅のドトールだかタリーズだかで駄々をこねました。

熱海を過ぎたあたりからは音楽を聴きながらうとうとして、気がついた頃にはもう川崎に到着。
帰りは呆気なかったですが、ずっと寝ていたおかげで莫大な疲労感が溜まることはなく、翌日は普段通りの疲労感のまま、新宿まで出勤しました。


今回は珍しく乗車時間よりも滞在時間の方が長く、なかなかちゃんとした旅行になっていたように思います。
次の春休みにはどこに行こうかなあ。

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