「嫉妬」という名の悪魔から解放されるために
思えば、嫉妬ばかりの人生だった。
母は、「駄菓子はクスリの塊」「コーラを飲むと骨が溶ける」と真顔で言ってのけるような人間であり、おやつはいつも麦茶と干し芋、スルメや味噌田楽といったおじいちゃん色の濃いものばかりだったので、同級生がマクドナルドでお誕生日会をすると聞けば、ショーウィンドウの中のトランペットを凝視する黒人少年のような顔になったし、何故、私はこんな家に生まれたんだと嘆いたものである。
思春期になると、あんな南こうせつみたいな顔の女にも彼氏がいるのに、何故、私にはコクってくる男がいないのか、お前らの目は節穴かと呪詛の言葉を吐き、キャビンアテンダントとして採用された同期生には、空を飛んでるだけでやってることはファミレスの店員と同じじゃねえかと一蹴していた。
このように、長年妬み嫉みと共に生きてきた私だったが、ある時、「嫉妬は苦しみしかもたらさない」ということに気が付いた。30年近く生きてきて何を今更な発見だったが、このままではいけないと「嫉妬」を分析し解消しようと思い立ったのである。
そもそも、何故、嫉妬心は生まれるのだろうか。
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