父と私と魔法のコトバ
父は、どこに出しても恥ずかしくないようなクズだった。
朝から酒を飲み、ギャンブル漬け、気に入らないことがあれば母に手を上げる典型的なクズである。
しかし、幼い私は父が大好きだった。
洗面器が割れるまで殴り、熱い味噌汁を投げつけて母を病院送りにすることもあったが、酒が抜けると人が変わったように優しくなったので、「お父さんには悪魔が取り憑いていて悪さをしているだけ」と思っていた。
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