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【正社員をクビに】仕事、人間関係が辛かった零細企業編(1)【ノンフィクションドキュメンタリー】

○前書き
起業を機にいままでの自分の人生を振り返ってみようと思って、経験してきた伝記的なものを作ろうと思いました。起業に至るまでの五年間奮闘した完全な自己満足のノンフィクションドキュメンタリーです。無職からの這い上がりの過程を誰かの希望になれば。

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◇登場人物
派遣社員Aさん:僕よりも二回りぐらい年上。新入社員の僕と同時期に入ってきた。10年ほどのブランクがあるが、大手企業に勤めていたらしく、業界にいた頃の華々しい話をよくしてきた。三ヶ月ほどで期間が終了。

バイトAさん:同じ専門学校出身で僕より数ヶ月後に入ってきた。会社では唯一対等に話せていたため、バイトAさんのおかげでメンタルが保てていた。しかし半年で会社を離れ、僕より遥か高みへのステップアップを果たす。

上司Aさん:最初の上司、上司の期間は入社一年目の期間(その後見放される)会社立ち上げ時の唯一の会社の技術者だった。
あまり話す人ではなく、多忙でもあり積極的な教育はしてもらえなかった。
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前回の記事の番外編で零細企業に入る経緯を書いたので、入るまでの経緯を知りたい方はそちらの記事を見てからご覧ください。

零細企業編は発達障害(アスペルガー症候群)についても語るので、
傾向がある人は参考になるかもしれません。結論から話すと、僕に仕事を任せられない、信用ができないという会社からの判断の後、自主退職を迫られます。(実質クビだと思っています)

しかし、会社は最後まで僕に対して任せられる仕事を探す努力をしてくれました。なので僕は被害者という意識はあまりなく、別に会社を恨んでいるということはないです。

どうしてクビに至ったのか。その経緯を僕が実際に体験した経験談を踏まえて考察していけたらと思います。細かく描写するので長くなります。

入社時の面接は驚くほど簡単なものでした。
僕は自己PRや志望動機など、書面では提出をしていましたが、面接対策はそれほど行っていませんでした(就活から早く逃げたかったので)

そんな僕ですが、面接はテンプレートな質問はほとんどなく、後に上司になる上司Aさんと軽い雑談だけしてあっけなく終わったので、ほっと胸を撫で下ろします。思えば、まだ信用がないスタートアップの企業側は、人材が喉から手が出るほど欲しかったと思うので、面接は形式だけだったのかもしれません。

ですが、この時点で不可解な点が二つありました。
それは、*会社の住所が既存の別会社と同じだったこと(同じ部屋)
*会社の扉を開けてくれた会社の人は、疲弊した様子だったこと

*会社の住所が既存の別会社と同じだったこと。については後々取引会社の部屋を間借りさせてもらっていたという事はわかったのですが、自分たちの事務所から作る本当のスタートアップだったいう事。スタートアップは根気がいる事はまだ知りませんでした。

*会社の扉を開けてくれた会社の人は、疲弊した様子だったこと
僕とそんなに変わらないような年齢人でしたが、顔がやつれて生気がないような気がしました。おそらく仕事が過酷だったんだと思います。

その人とはそこで会ったきりで、零細企業に勤めていたみたいですが、僕が入社する前にバックれていたみたいです。

この時、ほんの少しですが会社の内面事情に触れたのにもかかわらず、僕は楽に入社ができそうといった世間知らずだったので、そのまま入社。ある程度勘の良い人だったら事前に回避していたと思います。

そして入社日を迎え、そのまま研修もなく、入社一ヶ月も経たないかぐらいでいきなり実戦に放り込まれます。(同時期の新入社員は僕一人でした)

同じ時期に入った派遣のAさん「めちゃくちゃきついですね...。」
僕「そうですね...」
派遣Aさん「すごく複雑でぐちゃぐちゃだし、前任者は逃げたんじゃないですね」

派遣Aさんの予測は当たっていて、派遣Aさんが来たのも前任者の社員がバックれたのが理由だと思います。

そうして、いきなり入社早々過酷な残業続きにより、親に心配されるもなんとか大変なプロジェクトを一ヶ月ほどかけて終わらせられました。

その後少し余裕ができて、会社の研修がない事などを含めて、自分が勤めていた大企業の情報を元に派遣Aさんが僕に忠告をするようになりました。

派遣Aさん「僕が10年前に大手企業にいたときはもっと新入社員研修とかありましたよ、教育してくれないこの会社はやばいですよ。」
僕「そうなんですね...やばいのかなこの会社...」

同時期に入ってきた派遣社員のAさんはもと業界の大手企業に勤めていたらしく、大手企業と比較してやたらと不安をあおってきてました。たしかに、プロジェクトが終わると途端に放置される事も度々あり、僕自身も不安になってきていました。

単なる年齢差によるマウントに近いアドバイスなのか、本当に心配してくれているのか、社会人になったばかりの僕には真偽がわかりませんでした。

僕「でもせっかく入ったばかりの会社なので、三年は最低でもいたほうがいいじゃないですかね」
派遣Aさん「いやいや、こんな会社ありえないから早くやめた方がいいよ。」にやにや

派遣できていたAさんはすぐに会社を離れる身なので、結構言いたい放題いっていました。若かった僕も会社員経験がなかったので、結局僕は派遣Aさんの言葉をそのまま信じ、やめる決断をしました。

一回目の退職宣言です。やめるに至った経緯は不安な体勢な会社でもあるのですが、実家通いだったので、入って間もないのにいきなり深夜まで残業をさせる会社に、親が心配をしてきたというのもあります。入社二ヶ月目ぐらいの事です。

派遣Aさん「やめる!?本当ですか!決断したのは偉いと思います!」

今思うと、派遣Aさんは僕に不安を煽って、会社を辞めさせることをエンタメにしていて楽しんでいた節があったと思います。
やめると発言したとき、表情にも娯楽を楽しむようないやらしい笑みが見えていたので。(一緒に派遣になりましょう的な事も言っていた)

僕は夜遅く、上司Aさんと僕が一人の二人だけ会社に残った頃合いを見て、退職宣言をしました。

その時上司Aさんは受け止めてくれましたが、結局後日説得されて会社に残ることに。(この頃に去っていれば会社も僕も悩まず関係を切れた)

この経緯を話すと、派遣Aさんはもう僕に対して会社をやめたほうがいいと言わなくなりました。

距離が近かったのは派遣Aさんだけだったので、会話は多くなりました。
新入社員はその年に僕のみだったので、年が離れていても距離が近かった派遣Aさんと仲良くなっていきました。

本来なら会社に属している上司達とコミュニケーションを築かなければいけません。なのに僕は上司との対人関係に逃げ、そんな引っ込み思案で上司と仲良くなれない僕に対して派遣Aさんは心配をしてくれたりもしてくれました。

派遣A「僕はすぐに会社からいなくなる派遣ですよ。僕とばかりご飯を食べずに上司と一緒に行った方がいいですよ」
僕「わかっています...」

言葉でわかっていてもなかなか実行に移すことができず。
助言に従い、ここで上司たちとの距離感を縮めれば、今後起こるギスギスした空気がいくらか緩和されていたのかもしれません。しかしもう過去の話ですが。

この時の会社の上司たちはなんとか僕と仲良くしたいとった気持ちが出ていました。そのこともあり、申し訳ない気持ちで派遣Aさんと一緒に食事を続けていました。

そんな人間関係のわだかまりを抱えながら、派遣Aさんとは派遣Aさんが去る直前まで大変な時間を過ごしてきました。

僕「いきなり戦力に数えられてる...喜び!」
派遣Aさん「この年になって徹夜させられるなんて...」

業界に入る前、この業界は長時間労働が当たり前、むしろそこで生き残ってこそ実力がつく。といった感じの事をちょいちょい聞いていたので、異常な環境でもこれは試練だと言わんばかりの謎の美徳に近い意気込みを抱いていました。一種の洗脳だったかもしれません。

そうしてなんやかんや、派遣Aさんとは三か月ほどの付き合いに。
(逃げた元社員の埋め合わせのため、徹夜もちょいちょいありました。)

派遣Aさん「本当に大変でした。これからも頑張ってくださいね」
僕「派遣Aさんお疲れさまでした。寂しくなりますが、お互い頑張っていきましょう」
派遣Aさん「そうだ、折角だしline交換しましょうよ。」

lineにて
派遣Aさん「ふかひれさんってDTですよね?」
僕「....はい」
派遣Aさん「やっぱり!wまあなんとかなりますよw」

派遣Aさんは最後には初期の感じが戻り、ラインではおちょくられましたが、その後はちょくちょく近況報告をしてくれていたりしました。

そして、派遣Aさんが去って数ヶ月後、同期卒業で同じ学校出身であり僕よりすこし年上のバイトAさんがバイトで採用されることになりました。

バイトAさんはちょっとおとぼけな感じの人で、その独特な雰囲気で会社ではちょっとした空気を明るくするポジションになります。

次は会社一年目後半の時期について書いていきます。



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