ゲームに参加していただきます。
「細野さんには、ゲームに参加していただきます。」
突然告げられたゲームへの参加。僕は急すぎて何が何だかさっぱりわかりませんでした。
「拒否することはできません。もしゲームに負けてしまった場合、罰が待っています。」
さも狂ったゲームの主催者かのようなテンションで話を続けるのは
僕の後輩で人力舎の2年目、トゥルットゥーというコンビの大岩です。
彼は続けます。
「もちろん勝てばその分報酬があります。負けて罰を受けるのが嫌なら勝ってください。勝てるなら…ですけどね。」
ゲーム主催者のスタンスを崩さず喋ってくるのが妙にカンに障ります。狂ったゲームの主催者と坊主頭の若造はミスマッチ過ぎます。こういうのは不気味なマスクをつけて暗い照明で、別室からモニター越しに言ってくるものです。ライアーゲームとかのゲーム主催者のイメージだと
もっとこんな感じの↓
いやビジュアルは思ったより近いんかい。
とは思いましたが、それはさておき。
低い声で「その感じやめて」と言って大岩の主催者モードを解き、どういうことか説明をしてもらいました。すると
「僕とさきぽんさん※1 が今同じバイトしてるんですよ。」
※1 さきぽん。人力舎の僕の同期。ロモペというトリオで活動している。
「バイト中に話してて決まったんですけど、僕とさきぽんさんと細野さんで、今年のキングオブコントで1番いいところまで進んだ人に他2人が焼肉奢るっていうゲームをすることになりました!!」
なりました!!じゃないのよ。
「僕とさきぽんさんと細野さんで」ってなんだ?突然細野が出てきた理由を説明してくれ。しかも、ご飯奢る、みたいなざっくりしたやつじゃなくて、焼肉?食い物指定ありかい。ダメだよ、お金絡みを当人抜きで決定しちゃ。
僕はその思いの丈を大岩に伝えます。すると
「まあ、まあ。」
なだめてきました。
はい?え、なんでこっちが大人げなく取り乱してるみたいになってんの?待てって。おかしいのそっちだぞ。
「落ち着いてください。決定したことですので。」
俺のことをクレーマーみたいに扱ってきやがる。温度のない事務的な対応。こいつ、マニュアルに沿って動いてるのか?
その後も僕はゲームの参加の取りやめを申し立てますが、それもむなしく。半ば強制的にゲームに参加させられてしまうのです。
そしてキングオブコントの時期がやってきました。まだ大会期間中ですが、現段階での途中結果は
トゥルットゥー(大岩) 1回戦 敗退
ロモペ(さきぽん) 1回戦 敗退
ネギゴリラ(細野) 2回戦 進出
あれ?
あれ?
知らぬ間にゲームに参加させられたと思ったら、焼肉を奢ってもらえました。何が何だかは未だにわかってないけれど、とにかく焼肉を奢ってもらえました。
嬉しいは嬉しいのですが
焼肉食う時の顔じゃない。
さきぽん「落ちちゃったなあ…。」
大岩「来年頑張るしかないですね…。」
いやこいつら焼肉奢らなきゃいけない憂鬱さよりも、そもそもキングオブコントの結果に落ち込んでる。
ゲーム企てたり、落ち込んだり、焼肉奢ったり。とにかく忙しいやつらだ。
それでも
さきぽん「ネギゴリラは頑張ってね。ネギゴリラなら大丈夫。応援してる。」
大岩「頑張ってください。いけるとこまでいっちゃってください。」
悪い奴らではなさそう。
とうとう明日はキングオブコントの2回戦。
いけるとこまでいっちゃいます。
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