事業譲渡における調剤薬局の価値とは

こんにちは。
遠山薬局の遠山です。

私は現在薬局を5店舗経営しておりますが、開業の方法として
・事業譲渡による取得→2店舗
・新規開業→3店舗
となります。

MAと新規のメリットデメリットはまた別の機会に、ということで!
今回は事業譲渡における調剤薬局の価格について考えてみようと思います。

薬局経営を少しでも考えたことのある方なら、MA仲介業者からのチラシやホームページは一度は目にしたことがあるかと思います。

例えば
都内23区、内科、Dr.40歳、技術料150万円

これくらいの薬局を独立1店舗目として買収するのが規模感的に理想かと思います。

さて、こちらの薬局、総額いくらの値がつくでしょう。

まずはこの薬局の収支をザックリ予想します。

収入
技術料150万円
薬価差益10万円
計160万円

支出
家賃20万円
管理薬剤師55万円(福利費込)
事務員25万円(福利費込) 
その他20万円
計120万円
 
ザックリですが、こちらの薬局を運営すると月40万円+となります。

では本題の薬局の価格ですが!

営業権1500万円
紹介料800万円
薬品在庫、物件取得費その他800万円
計3100万円

とすると

投資回収まで約6年を要します。

ご自身が管理薬剤師として入って、処方箋を増やし加算を取っても4〜5年くらいでしょうか。

ちょっとこれだと投資回収まで時間がかかってしまいますよね。

まず営業権ですが、今回の場合
内科、Dr.がお若い、都内
という価格が上がってしまう要件が揃ってしまっており、1500万円提示されても仕方ないかと思います。 
1000万円なら安いかな、それ以下ならラッキー、といった具合です。

逆に営業権が安くなる要件は
・眼科など単価安い診療科目
・地方
・ドクター高齢
・急ぎ案件(今月には契約して!等)
・年々売上が下がっている

などです。

次にMA仲介業者に支払う仲介手数料です。

「紹介しただけで800万円!?ボッタクリ!」

と思われるかもしれませんが、大手なら相場です。

1000万円や1200万円を提示してくる業者もいます。

400〜500万円なら良心的な部類です。

MA仲介手数料を値切るのは至難の技です。

独立志望の薬剤師なんて沢山いますので、

手数料に不満なら他の人に売るから!

くらいのスタンスでいます。

不人気案件なら交渉の余地はあります。


在庫金額や内装備品についてですが、こちらは返品等で縮小可能です。

不動産の保証金も交渉可能ですが、あまりやりすぎると契約に影響しますのでほどほどに。

ちなみに、
都内、技術料250万円、内科系
といった条件ですと総額4000〜5000万円くらいかかってしまいますので、独立案件にはちょっと規模が大きくなります。

技術料250万円以上ほしければ、技術料150万円の店舗を買収して、ご自身で伸ばされた方がいいです。

探せばこれより安くいい条件の譲渡案件は沢山ありますが、MA仲介業者さんとお付き合いしていく中での私の相場感です。

いかがでしょうか。

ちょうどいい条件の薬局って、価格はちょうどよくないですよね。笑

理想は仲の良いドクターと一緒に会期したり、MA仲介業者を通さずにMAすることとは思います。

しかし、人脈がなかったり、開業までの時短を図りたいのであれば潔くMA仲介業者を利用するのも方法の一つかと思います。

人脈がほしい、ボッタクられたくない、という方はまずはみなさんが理想とする薬局経営者の方のところに行ったり、独立塾やセミナーで勉強されるといいでしょう。


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