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リアルとバーチャルについて考える

こんにちは。Fujitoです。
ついにnoteを始めました。

この記事では2020年に感じたリアルとバーチャルについて書いていこうと思います。


◇簡単な自己紹介

私は建築の意匠設計を主な仕事としています。

6年程、某組織設計事務所で、
BIM(Building Information Modeling)に特化したチームに所属し、BIMを用いた設計や、ビジュアライズに関わりながら、図書館や学校といった主に公共施設の設計に携わってきました。

その後、空間デザイン領域の拡張や周辺分野をミックスさせることを考え、2019年に退職。

今は、空間をトータルに扱うことを意識しながら活動をしています。


◇バーチャルという周辺領域の可能性

BIMを扱うことから近しい領域ではあったのですが、空間としてバーチャルの可能性を肌で感じたのでは、実はかなり最近で2020年の4月頃のVket4でした。

オープンだけど、マニアックだったり個人の好きが反映されていたりする場が存在していて、そういう空間を、人々が放浪している様子が、面白く、

フォートナイトのようなある種コミュニケーション空間として機能しているものにも触れる機会があり、

一方通行なバーチャルではなく、双方向的な部分にも可能性を感じました。

また、同じ頃に、バーチャルとは違うのですが、
リアルでカフェをデザインする機会がありました。

ざっくりいうと、1つの世界観の中で、空間を作り込まずに余白を残しておき、そこにユーザーが使い込めるような手がかりやキッカケを用意するというデザインをしています。

そういった性質の空間に個人の好きが集まり漂うことを考えていて、その時考えていた空間への可能性が、バーチャルの良さに少しだけ似ている所があるなーとも感じます。
(※別の記事で詳細を書こうと思います)

◇バーチャルやデジタルの組込事例

8月頃に見学させていただいたのが、RaaSモデルを提唱しているb8taです。
(b8taの詳細は下記の記事がわかりやすいです)


オンラインとオフライン環境が一体として考えられた空間で、中国発のマーケティングの概念でOMOという考え方がベースになっています。

Online Merges with Offline
オンラインとオフラインの融合

という意味です。

OMOは、ビジネスシーンでは、すでに目新しい概念ではないのですが、オンラインはオフラインのサブ的な要因という考え方ではなく、オンラインを起点としてオンラインとオフラインを融合させるという視点が重要になってきます。


マルイの店舗戦略としてのデジタル・ネイティブ・ストアも同様の思想です。


オフライン環境である「場」が、常にオンライン環境と繋がっている前提である空間であり、その背景があることで

リアルなお店≠購買の空間、
→ リアルなお店=経験の空間


といった、空間の質の変化が見られます。


デジタルベースの新しい質の空間や、社会の空間的な需要を感じ、アプローチすべき領域があるのではないかと考えるようになりました。

10月頃になると、社会全体でコロナの影響からか、様々な企業の方から、リアルなオフィスが要らないとか、人数規模の考え方が縮小されるような与件の変化を目の当たりにしました。

同時に、

バーチャル渋谷

XRシティSHINJUKU

といったバーチャルな取り組みが目立つようになってきて、確実にデジタルやバーチャルが社会に組み込まれているのを感じたのを覚えています。


◇バーチャル空間始めました。

バーチャルとリアルは、切り離して考えるのではなく、ひとつながりなものとして捉えていきたいと考えるようになり、


空間デザイン領域としてバーチャル空間をデザインすることに取組み始めています。

年末には某商業施設を人々の記憶に残すことを目指したバーチャル空間の提案をしたり、クリエイターの方たちとチームを組んで、ClusterGAMEJAMへの参加したりしました。


疾走感やストーリーなど、リアルでの建築を構成する要素以外に取り扱うべき要素が多くあることや、リアル空間にはある種の重さがあって、バーチャル空間では、それらをどう扱うかということが今後の課題になってくると考えています。

◇バーチャルリアリティ=仮想空間??

「バーチャルだと規制がないから自由な発想でいろいろ形が作れそうでいいね」ということを言われたことがあります。


たしかにそれも面白さだと思いますが、リアルとバーチャルを相互的に取り組んでいる私にとっては、別の魅力です。


リアルには

・手軽さだけじゃない良さ
・場所性
・身体性

などの多くの魅力があります。バーチャルを取り扱うことでそんなリアルの価値をこれからも引き出したいと考えています。

同時にバーチャルで過ごすことがリアルでの関係性に変化を起こすような、緩やかにつながっている状態も模索していければと思います。


ところで


バーチャルリアリティ=仮想空間


と訳されることがありますが、ほぼ現実とか一種の現実性と捉えるがしっくりくるという議論があり、


人が知覚できる領域であり、ライフスタイルの一部になりうる可能性を持っているので、私もそっちの方が確かに感覚的には近いと思います。


バーチャルありきが当たり前になる中で、バーチャルをリアルな日常に根ざしたものとして


空間デザインの1つの連続帯として捉えて、リアルとデジタルの両方が同時にアップデートがされるべきなのではないか。


そんなことを2021年は考えていきたいと思います。

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