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姿勢制御と歩行(論文紹介)

【概要】

twitter (@yoshiki_fujita) を通じて、姿勢制御や歩行についての論文をご紹介してきました。
歩行シリーズのインプレッション(Tweetを見た回数)が、2週間で64000回以上となり、非常に興味を持って頂けたことに感謝しています。
そこで、過去のツイートをまとめて見やすくしましたので、是非日々の臨床に悩んだ際などにご活用下さい♪
Tweetでは限られた文字数なので、伝えきれなかった思いについてもご紹介しています。

① 姿勢制御とは?

姿勢制御については、安定性と定位の概念で考えることで理解を助けてくれます。

過去に多かった質問、ベスト3です
 1. バランスとの言葉の違いは?
 2. 安定性と予測的姿勢制御や姿勢反応との違いは?
 3. 定位がよくわからない

是非、以下の論文から見識を広げる機会にして頂ければ幸いです。
原著論文に触れることは、講師からのバイアスを外せて、自身で理解を深める機会となります。英語でハードルが高いですが、、、
特に、入門編の論文は読みやすいため、初めての挑戦としてアブストラクト(要約)を読み始めることからでも良いので、スタートを切って欲しいと思います。

② 歩行開始のメカニズム

臨床で悩むことの多いテーマだと思います。
特に、トレッドミル歩行や長下肢装具での介入時には、あまり気にならず、装具を外して歩行を確認しようとした際の開始時に、難しさを感じることは多くないでしょうか?

特に起こりうる事象としては、以下があり転倒のリスクが高くなることを経験します
 1. 体幹の側屈が強くなる
 2. 麻痺側足部が引っかかる

これらに対する直接的な回答にはなり得ませんが、是非以下の論文から見識を広げ、臨床推論の選択肢を増やす機会にして頂ければ幸いです。

③ 歩行と体幹の関係性

歩行における「体幹」はパッセンジャー(乗客)に含まれているため、運ばれる存在というニュアンスが残り、どのように歩行へ関わっているのか?と疑問が自分自身に残っていました。

臨床では体幹が重要と言われているけど、、
ハンドリングでも体幹から誘導することが多いけど、、

体幹の具体的に何を保障しているの?抗重力伸展活動っていう言葉で片付けられると、それってマジックワード(魔法の言葉)やから、使わないで−!!と思っていました。

この疑問に対し、少しの解説を導いてくれる論文となります
 1. 体幹筋は歩行周期にどのように関わっている?
 2. 歩行時の体幹の特徴は?

また2016年アジア理学療法学会(クアラルンループ)のPostコース(学会後の講習会)で、ホッジス氏の体幹機能の講習会を2日間受講してきました。
その際に、
「体幹の非対称やアライメントの変化は代償か?内的要因か?臨床推論が大切」
という言葉を聞き、とても心を打たれたことを覚えています。


更に、2018年スイス(バーゼル)で1週間の姿勢制御と歩行の講習会を受講した際に、
「何故、傾いているのか?左右差があるのか? 療法士はmain problem(主要問題点)を探す旅に出て、臨床推論を深める必要がある」

という言葉があり、表現は異なりますが、同じく心に響き、

これらの解決をするためには、歩行時の体幹の特徴を知る必要があると思い、まとめました。
非常に多くの方からも歩行と体幹の関係性について質問を頂く機会が増えた為、是非ご活用下さい

④ 歩行と下肢との関係性

歩行と下肢の関係性については、多くの方がイメージすることが出来ると思いますが、今回ご紹介した論文は皆様の知見を広げる機会になると思い載せています。

 1. 腓腹筋とヒラメ筋の違い
体幹前傾する=体幹の問題と考えられることもあるかと思いますが、場合によっては下腿三頭筋の評価も大切となってきます(特にヒラメ筋は体幹前傾に対する制御も行っている)。

 2. TLA(Trailing limb angle)
立脚後期の重要性は昔から言われていました。
個人的に好きな言葉は、ボバースが残した下記の言葉です。
「歩行とは、足を後方へ残すことである」

少し話がそれてしましたが、今まで立脚後期のどこを見るの?と思っていた人も多かったと思いますが、是非この視点をもつことで、評価の視点を広げる機会にして欲しいと思います。


 3. 脳卒中後の歩行や筋活動パターン
対象者の歩行分析は個別性があり悩むことが多いと思います。
今後、時代の変化に伴いAIによる歩行分析分野も発展してくると思いますが、私自身は療法士として歩行分析能力を高めておくことが大切と考えています。
個別性を評価するために、その前提条件として、脳卒中後に起こりうる共通しやすい事象を理解しておくことが望ましいと考えているため、ご活用下さい。 

【最後に】

私自身の考え方も一部入ってしまいましたが、是非論文を手にとり、読む機会にして頂ければと思います。
私は、今まで2015年世界理学療法学会(シンガポール)、2016年アジア理学療法学会(マレーシア)、2018年世界理学療法学会(スイス)に学会発表とPrePost講習会に参加してきましたが、情報量の多さ(英語の量)にいつも心を砕かれそうになります。そのため、まずは過去に読んで理解が深まった論文をご紹介させて頂きました。
もちろん、日本語論文も読みますし、とても勉強になるので、言語に関わらず論文に触れていきましょう(私自身も自戒を込めて)。

最後に、2023年は世界理学療法学会 in 日本!!!

となっています。みんなで盛り上げて、参加や発表、運営など各自が関わって、国際化を身近に経験できる機会にしていきましょう! 

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