姿勢制御_3/6(BESTestと予測的姿勢制御)_7227文字

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はじめに

進化過程から垂直性、発達過程から姿勢反応(Compensentory Ppstural Adjustment)について御紹介してきました。
垂直性の項目を評価する際、獲得した背景を知ることは、視点を広げるきっかけになると考えています。(例えば…腰椎前彎は?骨盤の前後傾は?足関節との連結は?肩甲骨のアライメントは?詳しくは垂直性のnoteをご確認下さい)
また姿勢反応では、股関節戦略と足関節戦略の特性を知ることで課題難易度について知ることが出来ます。新規課題に対して股関節戦略から足関節戦略への移行を考慮し、加えて支持面の広さも重要になるため足部の評価も必要となります。
そして垂直性や姿勢反応を背景に予測的姿勢制御(Anticipatory postural adjustments : APA)が発達し、動作をするよりも前もって姿勢制御を行うことで効率的な動作が可能となります。

乳幼児の発達では、生後3ヶ月程度からAPAが出現します(下図:Reddy et al. 2013)。
意味合いとしては背臥位で自分が(抱っこで)起こされる過程において、四肢を近位部に集めて起こされる準備を行います≒抱っこされることを予測している。
また6ヶ月頃になると、自分自身に対する姿勢保持(座位)のためにAPAが出現し(Saavedra et al. 2012)、9ヶ月頃になると座位でリーチングなど外部環境に対するAPAが出現します(Vander et al. 1999)。

APAの出現概要(発達の観点)※時期は目安
 3ヶ月:自分が動かされることに対して出現
 6ヶ月:自分自身に対する姿勢保持のために出現
 9ヶ月:外部環境に働きかけるために出現

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