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観る山づくり

 人の手が入ることで山は甦る。私が山で作業をする中で感じることです。なので山での仕事を作っておかないと、山に行くことが減って山は荒れていきます。少し山から離れるだけで意外に山は荒れてしまうのです。 

 ところで山づくりをスタートしたころ、指導していただいた方から教えていただいたことがあります。それは「観る山」づくりです。

山には様々な側面がある!
1、生産する山づくり
2、観る山づくり
3、森林の公益的機能

1、生産する山づくり
 
山には様々な資源があります。木材、バイオマス発電の燃料、薪。その他、私たちは林農という言葉を使っていますが、山で畑ワサビ、各種キノコを作っています。これらは、全て山の恵みです。この山の恵みを活用して、生産活動を行う、生産する山づくりを行っています。

 今日は、枝葉をチッパーにかけて堆肥づくりでした。枝葉も砕いて数年間保管すれば立派な堆肥になります。


2、観る山づくり
 例えば、この枝葉をチッパーにかけ細かくして数年かけて堆肥にすることは、生産する山づくりだけではなく、山の枝葉を整頓し、観る山としての山づくりにもつながります。人に山に入ったときに心地よい空間、美しいと心癒される空間を意識する必要があります。

 うちの山で久しぶりに再開した間伐も観る山づくりの一環でもあります。山の指導をしてくれた方は、この観る山づくりの大切さを私たちに繰り返し教えてくれました。それほど美的センスがあるわけではない私ですが、山づくりを通じて、そういったものも磨かれていくような気がします。

 観る山はお金にならないではないではないか?と言う人も言いますが、私たちがつくるキノコも含めた作物の付加価値を徐々に高めてくれます。生産だけに目をとらわれていると、生産するエリア以外はほったらかしになってしまうことも多いので、この観る山づくりというのは山全体を考える上でとても大切な視点です。

 皆様も一度私たちの山に遊びに来てください!


 この動画は私の友人がうちの山に来てくれて撮影してくれたものです。彼も山づくりに協力してくれています。

3、森林の公的的機能
 森林には様々な公益的機能があります。二酸化炭素の吸収、化石燃料代替、水資源貯留、水質浄化、レクリエーションなど私たちに多くの価値を提供してくれています。しかし金額でなかなか表せるものではないので、日常を当たり前に生きていると、この価値のありがたさを忘れがちになったりもします。当たり前のことを当たり前に思うのではなく、ほんの少し立ち止まって考えてみることで、毎日の生活が変わったりもします。もちろん、観る山づくりもすぐお金になるものではありませんが、長い目で見れば、私たちの事業にとって、また社会にとって必要な視点だと考えています。

中長期的な視点を!
 持続可能にしていくためには、山の生産性を高めていく必要があります。しかし、山づくりは、中長期的が基本です。観る山づくりは、山を訪れる人、作業する人にたくさんの気づきを与えてくれます。加えて、山を全体的に考えることにもつながります。また、観る山づくりをしていると短期的には生産性が低いと思うこともあるかもしれませんが、中長期的には山の価値を高めてくれます。


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