ジャズ・バー

まどろみが世界をおおう

生と死のはざまのなかで

即興詩が狂おしいほど踊り狂うなかで

夜のジャズ・バーが今日もひらかれる

貴方は川を爪先立ちで眺めていた

ぼくはとなりでそこはかとなく眺めていた

ジャズ・バーからテナーサックスの音色が響く

哀しげに 哀しげに

貴方は言う「随分とセンチメンタリストなのね」

ぼくは「何か御託でもあるの?」とせまる

ピアノのソロがはじまるとうっとりこっくりしてきた

今日も深い深い夜になりそうだ

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