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定期更新ゲームは、蜘蛛の糸であり呪いかもしれない

この記事は定期ゲ・Advent Calendar 2021 丙の12/2分に寄稿した記事である。まともなA面はこちら↓

軽く自己紹介をすると、定期更新ゲームをかれこれ14年ほどやっている老人会に両足突っ込んだ人間であり、Twitterに掃いて捨てるほどいる承認欲求拗らせモンスターでもある。絵のような物は一応描けはするが、絵描きと名乗るのは周囲に神絵師が多すぎて恐ろしくて出来ない。

SNS時代の創作者はかくも生きづらい。性格にもよるのだろうけど、自分の場合は自己肯定感が無の上に承認欲求を拗らせているのでめちゃくちゃに辛い。自分の作った物を見て貰いたい、評価されたい。しかし現実はいいねもRTも伸びず、マシュマロも来ない。いつまでも空のマシュマロをチェックするのも辛いので閉鎖した。なにが優しい世界だ。

素人のオリジナルの一次創作なんて、マジでよっぽどのことが無いと見て貰えないというのは創作をやっている方ならご存じの事だろう。人気ジャンルの二次創作絵でも全然伸びなかったクソザコ創作者ならなおの事だ。そりゃそうだ、上に神絵師がごまんといるわけで自分の絵が目に留まることなんてまず無いのだ。

それでも今自分は絵を描いている。定期更新ゲームに参加し、交流するための道具として必要だから。ただSNSに絵をぽんと上げるよりは、人の目に留まる確率が上がるから。そして、定期更新ゲームという土俵は絵だけで勝負しなくていいから。ロールプレイで他者と関わるのもそうだし、データの構築やゲーム部分の最前線に立つことで、キャラの存在としての強さを補強できるのだ。

誰も思いつかなかったコンボを実践投入し結果を残せば。最前線を開拓すれば。強敵のボスを初突破すれば。総与ダメージランカー常連になれば。こいつを連れ出しておけば間違いがないくらいの強いデータを構築できれば。闘技大会で好成績を残せば。下手だろうと自分の絵を、キャラを見て貰えるチャンスが増えるのだ。

絵を自分で描けるアドも多少ある。プロフ絵を神絵師に依頼するならキャラデザ代が浮くし、齟齬も発生しづらい。鑑賞するものを自分で描くのは諦め、自分のキャラクターの見た目の情報を伝える道具として割り切ればそこそこ使えた。カットイン、アイコンに関しては一枚絵とは違う見せる技術がある。ぶっちゃけて言えば誤魔化しが効きやすい。また、リアルタイム交流の場合、下手だろうがその場の状況に応じたアイコンをリアルタイムで錬成できる。即応性だけは神絵師に依頼することでは得られない。

中には絵も文字もデータ構築も全部できるスーパーハイスペック人間も居ることは居るが、全部できる人間の数はそう多くない。

多分、定期更新ゲームというジャンルが無ければ今頃自分は消費するだけのオタクになっていただろう。そっちのほうが苦しむことはなかったし、よっぽど幸せだったかもしれない。だが、面白そうな定期更新ゲームがリリースされ続ける限り、上手い人間との実力の差に絶望し、血反吐を吐きながら創作を続けるだろう。自分を創作に繋ぎ止める蜘蛛の糸なのか、縛り付ける呪いなのかは分からない。

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