見出し画像

日本・ミャンマー合作映画『僕の帰る場所』初のオンライン上映会を開催!

2018年に全国公開され話題を呼んだ映画『僕の帰る場所』。これまでDVD化や配信はされてこなかった本作ですが、藤元監督をはじめとする同じ製作チームの最新作『海辺の彼女たち」全国公開を記念して、2週間限定のオンライン上映会を実施します。
※東京・ポレポレ東中野、大阪・シネヌーヴォ などでの上映も現在調整中です。

上映会ステイトメント

映画『僕の帰る場所』は、私の初のプロデュースの現場で大変に思い入れが強く、企画から配給そして海外に売るまでの一連を経験することを通じて、作品作りだけではない様々なことを学びました。さらには映画作りを続けることとなり、私たちを”未来”に向けて引っ張ってくれた作品でもあります。映画が公開し、私たちの元を離れ、2年以上経った今でも自主上映が続いていることを本当に嬉しく思っています。
一方で「どうやって観れるのか」という個人の方からの問い合わせを頂く度、個人に届ける難しさを感じていました。情勢的にはなかなか大変なタイミングではありますが、ミャンマーのことはもちろん日本のこと家族のこと子ども達のこと、色んなことを感じる機会として、これを機にご覧になっていただけると嬉しいです。
そして、藤元作品に興味を持ってもらえたら、映画『海辺の彼女たち』にも足を運んでいただければ幸いです。
——渡邉一孝[株式会社E.x.N代表・プロデューサー]

初監督を務めた思い出深い作品で、撮影から7年経った今でも皆様のもとへ映画をお届けできる事を嬉しく思います。改めて、関係者の皆様には感謝を申し上げます。
本作は、"母国語を話せない日本育ちのミャンマー人少年が、家庭の都合でミャンマーに帰国して馴染みの無い土地で何を想い、どう生きていくのか?"という知人の息子兄弟の実体験から着想しました。彼らが持つ"故郷"への眼差しが、国籍を越えた普遍的な物語となって皆様のもとに届く事を願います。
また、この上映会を企画している最中、ミャンマーで軍が政権を掌握する大きな事件が起きました。正直、このタイミングで映画を出すのはどうなのかとも感じましたが、その時代によって鑑賞の意味合いが変化するのも映画の宿命なので、ポジティブに、映画を通してミャンマーに興味を持つ方が一人でも増えれば嬉しいです。
短い期間での上映となりますが、どうぞよろしくお願いします。
——藤元明緒[監督・脚本]

開催期間
3月13日(土)9:00〜3月28日(日)23:59の好きなお時間に鑑賞できます。
チケット料金
1500円(税込)
✖︎前売りチケット販売(特典付き)期間→(完売しました)
3月8日(火)21:00〜3月12日(金)23:59
※先着100名限定
通常チケット販売期間
3月13日(土)0:00〜3月28日(日)22:00

(前売りチケット購入特典)
映画の出演者たちによるトークセッションを生配信。
配信日時:2021年3月21日(日)13:00〜13:45
ゲスト予定:ケイン,カウン,テッくん,藤元監督
※配信映像は3月28日※(水)23:59までアーカイブで視聴可
※視聴リンクはチケットをご購入後にメールで配布

鑑賞方法
チケットをご購入後、上記の開催期間内ならお好きな時間にスマホやパソコン、TV*で鑑賞いただけます。TVで鑑賞する場合、ストリーミングデバイスやミラーリング可能な環境が必要となります。
※鑑賞プラットフォームの「teket」の利用は日本国内在住の方に限ります。海外から利用した場合の動作保証はありません。

『僕の帰る場所』*文部科学省選定作品
[2017/日本=ミャンマー/98分/カラー/ステレオ/1:1.85/ドラマ]
公式サイト:https://passage-of-life.com/

◆ある在日ミャンマー人家族に起きた、切なくも心温まる感動の実話
東京の小さなアパートに住む、母のケインと幼い二人の兄弟。入国管理局に捕まった夫アイセに代わり、ケインは一人家庭を支えていた。日本で育ち、母国語を話せない子ども達に、ケインは慣れない日本語で一生懸命愛情を注ぐが、父に会えないストレスで兄弟はいつも喧嘩ばかり。ケインはこれからの生活に不安を抱き、ミャンマーに帰りたい想いを募らせてゆくが——。
世界的な関心事項である”移民“という題材を、ミャンマーでの民主化の流れや在日外国人の家族を取り巻く社会を背景に描く。出演者の多くには演技経験のないミャンマーの人々を多数起用。まるでドキュメンタリーを思わせる映像は、ミャンマー人一家の生活を優しく見守りつつ、彼らが置かれた厳しい環境をありのままに映し出すシビアな眼差しで貫かれている。

◆東京国際映画祭で2冠の快挙!世界の映画祭が注目
東京国際映画祭「アジアの未来」部門では日本人監督初のグランプリと監督賞を、オランダ・シネマジア映画祭では子役のカウン・ミャッ・トゥが最優秀俳優賞を受賞。国内外の数々の映画祭に招待上映され、アジアの話題作の一つとして注目を浴びている。
東京国際映画祭の授賞式では、”ある家族の物語を繊細に語ることで、世界中の様々な家族のメタファーとなっている。フィクションを用い、現実の困難さを素晴らしく芸術的に描き、大変優れた映画的な価値と演技を持つ作品だ”と評された。

◆コメント

在日ミャンマー人(たち)の知らなかった現実を ドキュメントとフィクションの境界を辿りながら生々しく描いた傑作だ。
子どもたちの演技を超えた演技は右に出る映画なし。 映画の中での少年の成長に逞しさを感じる稀有な映画だ。
——行定勲(映画監督『リバーズ・エッジ』)

心を込めて語られた人間味のあるリアルな物語は、役者たちの誠実な表現によって観る者の心を動かす。
——ブリランテ・メンドーサ(映画監督『ローサは密告された』)

人生は一度きりだが、よい映画や小説では別の人生を味わうことができる。
この映画はまさに在日ミャンマー人という人生を味わってしまう凄い映画だ。
——高野秀行(ノンフィクション作家)

移民や外国人の存在に不安を感じる人こそ観てほしい。あなたと同じ「人間」たちが映画の中で息をしている。
——望月優大(ニッポン複雑紀行編集長)

子どもたちはリアリティーではなくリアルを生きています。
現場も、編集も、子ども本来の輝きをとても大切にしていたのが伝わってきます。
だから、映画が終わっても想像してしまうのです。
子どもたちは、今どこで、何を感じているのだろうかと・・・
——岸善幸(映画監督『あゝ、荒野』)

かつて日本映画が世界から尊敬されていた時代があった。庶民の人情、喜怒哀楽を描いて、そのディティールの、繊細さ、温かさ…が傑出していたからだ。それが、途絶えた…かに見えた。が平成も終わろうとしている今、唐突に、日本映画の伝統芸とでもいうべき、庶民の人情、家族の愛情を丁寧に慈愛溢れる筆致で描いた傑作として蘇ったのだ。「僕の帰る場所」だ。しかもこの奇跡ともいうべき作品を生み出したのは、私よりはるかに若い人たちなのだ。私は今、鳥肌立つくらいに感動を覚えている。是非、多くの人がこの奇跡を体感することを願っている。
——原一男(映画監督)

ドキュメンタリー映画に負けない臨場感があり、子供の目を通して日本とミャンマーの現実をあらわにする。
移民問題を「問題」としてではなく、「人生」として描くことによって、より衝撃的な映画になっている。
世界中の観客の心を揺さぶってきた訳がわかる。
——ジャン・ユンカーマン(ドキュメンタリー映画監督)

現実がどれだけ残酷でも、いつだって道を示してくれるのは子ども達だ。『僕の帰る場所』は、厭世的な視点と、遊び心溢れる子供の視点の繊細なバランスを保っている。大人が文化を越境していくことは大変なことであるが、子どもは新しい言語を学ぶコツを生まれつき持っている。心を惹きつけ、動かす『僕の帰る場所』は、見知らぬ人々に友人を見出すことを教えてくれる有難い贈り物である。
——フィリップ・チア(映画批評家)

ドキュメンタリー映画よりもリアル、劇映画よりもエモーショナル、映画の奇跡は「僕の帰る場所」の至る所に隠されている。これを見ずに、映画の可能性は語れまい。
——リムカーワイ(映画監督『どこでもない、ここしかない』)

一体どうやって演出したんだっていうくらい圧倒的に自然な芝居。
この家族が本当の家族じゃないという事実が何度聞いても信じられない。
——宇賀那健一(映画監督『サラバ静寂』)

映画『僕の帰る場所』の魅力は何と云っても主人公である少年(カウンミャットゥ)だ。彼の一挙手一投足に、虚実の皮膜を越えて、観客の心は揺さぶられる。これは、藤元監督の初心と覚悟の賜物と云える。
——伊藤俊也(映画監督『始まりも終わりもない』)

ある家族の物語を繊細に語ることで、 世界中の様々な家族のメタファーとなっている。フィクションを用い、現実の困難さを素晴らしく芸術的に描き、 大変優れた映画的な価値と演技を持つ作品だ。
——東京国際映画祭

絶え間無い恐怖と不安と共に生きることを見事に捉えた映像は圧巻だ。
——米・バラエティ誌

企画から五年の歳月をかけたのは一見すれば誰にもわかるすごい作品だった。しかしこの作品に関して「どう撮ったのか」とか「芝居とは思えぬ演技」だとかそんな事はどうでもいい。ただ、このミャンマーから出国せざるを得なかった一家の動向を追体験するだけで「日本に於ける移民問題」「ミャンマーで何があったのか」「文化、言語の壁」など、こちらから歩み寄って考えたくなる事が沢山溢れ出てくる。そしてもう一つ、この国で生きている我々がとかく大袈裟に捉え気恥ずかしくて語る事のない「祖国」という言葉についても。是非観てほしい。
——川瀬陽太(俳優)

2017年夏、ほとんどの予備審査員が満点を付けた時点で風が吹き始めた。これは賞に絡むぞと確信し、そのとおりになった。ミャンマーと日本をつなぐ家族の小さな物語が多くの人の心にふれて大きなものになりつつある。アジアの未来をめざして。
——石坂健治(東京国際映画祭「アジアの未来」部門プログラミングディレクター、日本映画大学教授)

日本の映画界は、藤元明緒の中に、日本のダルデンヌ兄弟を見い出すことができるかもしれない。
——psycho-cinematography

かわいそうとも、頑張っているとも違う。この映画の主人公たちは自分の人生をただ一生懸命生きている、ぼくらはその姿を垣間みるだけだ。この映画は観客に答えを用意していない。答えを探すのは僕らなのだと教えてくれた。
——工藤将亮(映画監督『アイムクレイジー』)

これが長編初作品となる、1988年生まれの藤元明緒監督。
日本映画、そしてアジア映画の未来を切り拓(ひら)く、途方もない才能が誕生した
——暉峻創三(映画評論家, 大阪アジアン映画祭プログラミングディレクター)

出演者
カウン・ミャッ・トゥ、ケイン・ミャッ・トゥ、アイセ
テッ・ミャッ・ナイン、來河侑希、黒宮ニイナ、津田寛治
監督•脚本•編集:藤元明緒
撮影監督:岸建太朗 / 音響:弥栄裕樹 / 美術:飯森則裕 / ヘアメイク:大江一代 / 制作担当:半田雅也 / 音楽:佐藤和生 / スチール:伊藤華織 / 共同プロデューサー:キタガワユウキ / プロデューサー:渡邉一孝 吉田文人 / コーディネーション(ミャンマー):Aung Ko Latt Motion Pictures
協賛:坂和総合法律事務所 株式会社ビヨンドスタンダード 長崎大学多文化社会学部 Ability South East Asia, Co., Ltd. 株式会社熊谷組 / 協力:在ミャンマー日本大使館附属ヤンゴン日本人学校 ミャンマー映画祭実行委員会 / 特別協力:MYANMAR JAPON CO.,LTD. / 後援:外務省 観光庁 国際機関日本アセアンセンター 一般社団法人日本ミャンマー友好協会
主催:特定非営利活動法人日本・ミャンマーメディア文化協会
企画•製作•配給:株式会社 E.x.N
©️E.x.N K.K.

藤元監督最新作!!
日本×ベトナム合作映画『海辺の彼女たち』

5月1日(土)GWロードショー/ポレポレ東中野ほか全国順次公開
公式サイト:http://umikano.com


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?