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競売入札シミュレーション 神戸地裁本庁編R2.9.15開札①

お盆休みを挟んで競売の開示も続々と始まりました。

少しお休みを頂いておりましたためシミュレーションが遅くなりすみません。

今回から神戸地裁本庁の9月15日開札のシミュレーションです。

神戸地裁本庁入札期間
令和2年9月2日〜令和2年9月9日

入札期間でのお手続きが必要となります。ご注意ください。

さて、今回の物件は、淡路島からスタートです。

事件番号 令和02年(ケ)第10006号
売却基準価額 1,710,000円
買受申出保証額 350,000円
買受可能価額 1,368,000円

種別:区分所有建物
物件番号:1
所在地:淡路市浦字平松
種類(登記):居宅
構造(登記):鉄筋コンクリート造1階建
専有面積(登記):6階部分 44.22m2
間取り:1LDK バルコニー南向き
バルコニー面積:あり
管理費等:15,680円
敷地利用権:所有権
占有者:債務者・所有者
築年月:平成4年3月
階:6階
総戸数:84

■ポイント■
★物件明細書より
・物件の占有状況等に関する特記事項より
【物件番号1】
本件所有者が占有している。
・その他買受の参考となる事項より
【物件番号1】
管理費等の滞納有。
外は特に気にするコメントはありませんでした。

★現況調査報告書より
・建物所有者が住居(空家)として使用している。
・管理費等の滞納有【約5万円令和2年5月調査時点】
・月額1,000円の光熱給水費(水道料)の請求があるようです。
・郵便受け及び本件建物内には、本件債務者兼所有者宛の郵便物等が存在したようです。
・関係人の陳述及び立ち入り調査の結果、本件債務者兼所有者が空家状態で占有していると思われる。ただし、動産類が残置されている。
・目視上、洋室内の床板に破損している箇所が見受けられた外は経年程度の劣化が認められる。
・バルコニーに鳩が住み着いているようで、鳩のフンが多数落ちていた。
・玄関横にあるトランクルームは施錠されており、解錠を試みたが鍵が錆びついており、解錠できず、中の状況を確認することができなかった。
・本件債務者兼所有者に照会書を送付したが、応答がなく、同人から事情を聴くことができなかった。

※関係人の陳述等より
・管理会社担当者より
1.光熱給水費(共用部分)とあるのは、本件建物での水道料のことで、棟マンションの管理規約にはその滞納分を承継人に対して請求できると言う明確な規定がありませんが、競売の買受人に対して請求する考えです。

・マンション管理人より
1.現在誰も住んでいません。

※間取り及び室内写真より
1.南西角の位置にあるようです。
2.浴室、トイレ、洗面はユニットバスタイプのようですが、図面上ではコンパクトなサイズではなくゆったりとしたサイズ感に感じられます。
3.お部屋は4.5畳の和室があります。
4.トランクルームがあります。
5.キッチンはミニキッチンよりサイズは大きいですが、コンロは1口コンロです。
6.生活をされていた家財道具一式がお部屋の中にあるのが見受けられます。
7.テレビがブラウン管テレビを置いているようで、お住まいだった方はご年配の方のようなイメージを持ちました。

★評価書より
1.最寄駅の表記はなくバス停が最寄とされています。最寄のバス停から徒歩1分。約50mと記載があります。
2.総戸数が84戸
3.経済的残存耐用年数は約15年とされています。
4.駐車場はあるようでうすが、受付順となっているようです。
5.建物入り口はオートロックあり。エレベーターあり。
6.マンション全体の修繕積立金の額は約600万円となっています。
7.建築後に都市計画区域となり現行の容積率を超過しているそうです。
8.基礎となる価格として約265万円が評価額として算出されています。
9.算定人の算出している賃料の目安が4.5万円/月。年間で54万円となっています。

【では、入札時のシミュレーションを見ていきましょう。】

計算式1【売却基準価額での計算】
54万円÷171万×100=31.57%(表面利回り)

計算式2【基礎価額での計算】
54万円÷265万×100=20.37%(表面利回り)

計算式3【計算式2より2割減で求める計算】
54万円÷212万×100=25.47%(表面利回り)

上記のような数字となりました。

お部屋の中に残置物があるためそちらの撤去費用と原状回復費を考えると売却基準価額で落札したと仮定しても表面利回り20%切るくらいになりそうです。

場所柄ターゲットをどのように絞り込むのか?
需要と供給のバランスで周りの賃料が下がると同様にならざる負えないケースも考えられるのでその点注意が必要ですね。

その反面、リゾート向けとして上手く活用できる方法があれば、町中にある賃貸物件と違った戦略もできるので面白いかも!

※筆者の紹介

前職の会社で約2年半で競売物件60件程度の落札、占有者交渉、リフォームプランニング、売却を手掛ける。

勤め先の会社では強制執行をしなくても良いように占有者との交渉で対話を重ねる。結果、自身担当での強制執行は0件。現地調査、裁判所記録閲覧、3点資料の読み込みにより写真から占有者の性格等を読み込み、入札する、しないなどを選別する。反社会的勢力の所有が疑わしい物件を写真から判断。そして現地管理人へのヒアリングで確認すると的中するように至る。

やり方がわかれば簡単です。何か難しそうであったり、落札後のリスクが読めないため入札を躊躇される方も多くいらっしゃると思います。ですが、しっかりと注意点を抑えていけば何も難しくもなく参加できるので、安く買いたいとお考えの方は一度競売を考えてみてはいかがでしょう?

現在下記のホームページでも競売投資のお話も書いています。

併せて読んで頂けたら幸いです。


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