競売入札予測5


今回取り上げる物件は

令和2年3月25日閲覧開始 開札日:同年4月20日

事件番号令和1年(ケ)第620/904号 併合 売却基準価額9,230,000円

大阪市平野区瓜破東二丁目685番地1のマンション 

面積61.55㎡ 3LDKのマンションです。

■平成7年3月築 ■2階部分 ■管理費等30,363円 ■総戸数42戸

では、裁判所の資料である3点セットをみていきます。

■滞納金令和2年1月 調査現在 滞納無し

■株式会社中川工務店

■表札の表示あり

■占有状況

建物所有者(破産管財人)が家族で居住中
破産管財人が管財業務の一環として破産者を住まわせている状態です。
破産管財人が介在する場合はこのパターンが多いです。

■所有者(破産者)との面談 あり

■執行官の調査履歴 令和1年11月18日~2年1月8日

■立ち入り調査当日、所有者(破産者)立会。

■分譲の車庫があり、車庫も登記されていて所有されている。
車庫の管理費、修繕積立金は6,500円/月 
こちらも上記調査日時点では滞納無し。

※車庫のみの転売はNG。但し、同マンションの別の所有者に対しては車庫部分の譲渡、売却可能。

■室内写真のチェック

・ご家族で住んで切る様子が伺える。
・室内の管理状況は経年劣化による損傷が一部見受けられる。
・退去に向けて準備されている様子が伺える。 


上記よりリフォーム費用を考える。
浴室は美装工事で綺麗になって使えそうな印象です。ただ買取再販事業では交換されるレベルです。
一般の方であれば改装費150万円。買取再販事業であれば最低350万円程度と予測。

■修繕積立金:約5.3百万円 

■大規模修繕予定あり。

■東南角住戸 

■駐車場専有部所有。

評価人の算定基準価額1194万円

今日時点でレインズでは販売物件はありませんでした。過去の取引事例を見ると令和2年3月中旬に同じ間取りの上階層が売却がありました。成約価格1500万円です。リフォーム内容は不明ですが、販売価格が課税物件でしたので多少はリフォームされていると考えてよいでしょう。

直近で成約事例が出るとその成約額に寄せた販売価格の計画を立てるので入札の見当がつけやすいです。

まず、再販会社が落札する場合の金額を考えてみます。

再販設定価格1580万円(売出価格) 

全面フル改装と落札時の経費+自社利益の総額が

約500万円とみました。

1580万円-500万円=1080万円が入札価格です。

今回の落札予想価格は1080万円!

この結果がわかるのは4月20日です。BITで公開されるのは翌日以降になるので、落札結果を見たらご報告します。


同額で個人で落札できた場合、不動産会社を通しての購入ではないので、仲介手数料はかかりません。改装費は350万円で予測を建てました。

再販設定価格1580万円からリフォーム費用350万引くと1230万円が物件価格となります。

この場合の仲介手数料は約47万円。

それも物件価格から引くと1183万円。

市場で購入するには1580万円+諸経費です。

簡易計算で1割が必要と考えると1730万弱が必要です。

それから見ると1730万円-1183万円=547万円安く購入できることになります。

1183万で入札すると落札予測が1080万円なので、このままだとかなり差を開いて落札してしまいます。

本気で落札するんだ!って思われるなら1150万円あたりが入札価格かと考えます。


今回のポイント

初めてみる方からすると何を書いているのか?落札した後はどうなるのか?
破産管財人?事件番号の併合?

これも3点セットを呼んで頂ければ特に問題がないということがわかると思います。
破産管財人がついているのは、所有者が破産手続き中であるということです。

なので、落札した後も破産管財人が継続されていればそちらを窓口として連絡を取ればよいだけなので、所有者個人へアクションを起こさないで済むので気が楽なのと、破産管財人は業務の一環で進めてくれるので話が早く、とても楽です。

後は、直近の成約事例を考えて他者の入札額を予測すれば良いだけです。

入札に際しては環境等はご自身で良くお調べしてから入札してくださいね。

ここ最近取り上げている区分マンションは角部屋が多いですね。市場に出てくれば反響がとれる物件です。
特徴ある物件が出るのもこの競売ならではかもしれません。


※筆者の紹介

前職の会社で約2年半で競売物件60件程度の落札、占有者交渉、リフォームプランニング、売却を手掛ける。

勤め先の会社では強制執行をしなくても良いように占有者との交渉で対話を重ねる。結果、自身担当での強制執行は0件。現地調査、裁判所記録閲覧、3点資料の読み込みにより写真から占有者の性格等を読み込み、入札する、しないなどを選別する。反社会的勢力の所有が疑わしい物件を写真から判断。そして現地管理人へのヒアリングで確認すると的中するように至る。

やり方がわかれば簡単です。何か難しそうであったり、落札後のリスクが読めないため入札を躊躇される方も多くいらっしゃると思います。ですが、しっかりと注意点を抑えていけば何も難しくもなく参加できるので、安く買いたいとお考えの方は一度競売を考えてみてはいかがでしょう?

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