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競売入札シミュレーション 神戸地裁本庁編R2.9.15開札③

今回は神戸地裁本庁からピックアップです。

一戸建ての物件です。

さて今回はどのような内容か見ていきましょう。

事件番号 令和02年(ケ)第38号
売却基準価額 1,680,000円
買受申出保証額 340,000円
買受可能価額 1,344,000円

種別:土地
物件番号:1
所在地:神戸市兵庫区夢野町
地目(登記):宅地
土地面積(登記):40.44m2
用途地域:第一種中高層住居専用地域
建ぺい率:60%
容積率:200%

種別:土地
物件番号:2
所在地:神戸市兵庫区夢野町
地目(登記):宅地
地目(現況):公衆用道路
土地面積(登記):12.82m2
用途地域:第一種中高層住居専用地域
建ぺい率:60%
容積率:200%

種別:建物
物件番号:3
所在地:神戸市兵庫区夢野町
種類(登記):居宅
構造(登記):木造瓦葺2階建
床面積(登記):
1階:32.28m2
2階:29.19m2
間取り:
敷地利用権:所有権
占有者:債務者・所有者
築年月:昭和54年5月

土地が二筆、建物が一筆です。
不動産の数え方は筆(ひつ)と呼んでいます。

改めてその理由が知りたくてネットで検索してみました。
昔々、豊臣秀吉の時代までさかのぼるようです。気になる方はネットで検索してみてください!
理由を見ると「へぇ~」と思わずなりました。

と、少し脱線しました。

本題に戻って物件を見ていきましょう。

■ポイント■
★物件明細書より
3.買受人が負担することとなる他人の権利
【物件番号1~3】
なし
4.物件の占有状況等に関する特記事項より
【物件番号3】
本件所有者が占有している。
5.その他買受の参考となる事項より
【物件番号3】
売却対象外の土地(①②③④⑤※地番が記載さていますが、あえて省略しています)を通行のため無償で利用している。

★現況調査報告書より
・建物所有者が本建物を住居として使用している。

※関係人の陳述等より
・債務者兼所有者より
1.目的建物には家族で居住している。第三者が使用する事実はない。室内で犬を一匹飼育している。
2.和室の天井に雨漏り跡がある。水滴が垂れるようなことは無い。
3.周辺土地所有者との間で境界に関するトラブルは無い。物件2の土地の存在については、購入時に聞いたと思うが、位置まではわからない。

※執行官の意見より
1.債務者兼所有者の陳述及び現況調査の結果、記載の通り認めた。

※間取り及び室内写真より
1.建物見取り図より、2LDKの間取りです。
2.写真には物件2の土地の部分も撮影されています。
3.前面道路の途中には道に階段があります。
4.室内には家財道具や生活家電などが写っており、生活感を感じます。

★評価書より
1.最寄駅から徒歩15分。約1200mと記載があります。
2.接面状況:南西側約2m私道(建築基準法第42条2項道路)
上記道路は、花壇、コンクリートブロック擁壁、玄関先アプローチ等があり、一定さを欠いている。
3.経済的残存耐用年数はほぼ満了しているとされています。
4.ライフラインについて
上水道は、前面道路に本管は無く私設管であり、下水道についても私設管と思われる。ガス配管はありとなっています。
5.保守管理の状態は劣る。
6.所有者は前所有者が行った平成14年頃のリフォーム後に入居した。
7.物件1及び3の登記面積を前提にすると法定建蔽率を超過している可能性がある。
8.基礎となる価格として約277万円が評価額として算出されています。
9.評価人の賃料設定がないので近隣の募集事例の賃料でみると5万円/月。年間で60万円となっています。

【では、入札時のシミュレーションを見ていきましょう。】

計算式1【売却基準価額での計算】
60万円÷168万×100=35.7%(表面利回り)

計算式2【基礎価額での計算】
60万円÷277万×100=21.66%(表面利回り)

計算式3【計算式2より2割減で求める計算】
60万円÷221万×100=27.14%(表面利回り)

上記のような数字となりました。

計算式2でも20%を超えているので利回りでみると優良の物件ですね。

と、言うことで、今回は私自身も入札をしてみたいと思います。

果たして開札はどうなるのか?
前回、奈良地裁本庁の入札代行では思いのほか札数が入りました。やはりプロの目線で見ると皆同じ目線になるんやなぁって感じた次第です。

前回の結果を踏まえて入札額とにらめっこしてみます。

※筆者の紹介

前職の会社で約2年半で競売物件60件程度の落札、占有者交渉、リフォームプランニング、売却を手掛ける。

勤め先の会社では強制執行をしなくても良いように占有者との交渉で対話を重ねる。結果、自身担当での強制執行は0件。現地調査、裁判所記録閲覧、3点資料の読み込みにより写真から占有者の性格等を読み込み、入札する、しないなどを選別する。反社会的勢力の所有が疑わしい物件を写真から判断。そして現地管理人へのヒアリングで確認すると的中するように至る。

やり方がわかれば簡単です。何か難しそうであったり、落札後のリスクが読めないため入札を躊躇される方も多くいらっしゃると思います。ですが、しっかりと注意点を抑えていけば何も難しくもなく参加できるので、安く買いたいとお考えの方は一度競売を考えてみてはいかがでしょう?

現在下記のホームページでも競売投資のお話も書いています。

併せて読んで頂けたら幸いです。



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