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競売入札シミュレーション 大阪地裁本庁編R2.10.2開札⑤

今回も大阪地裁本庁からです。

ピックアップする物件は【1Kタイプ】です。

入札期間は9月18日~9月28日です。
開札期日は10月2日となっています。

事件番号 令和02年(ケ)第6号
売却基準価額 3,220,000円
買受申出保証額 650,000円
買受可能価額 2,576,000円

種別:区分所有建物
物件番号:1
所在地:大阪市生野区新今里三丁目
種類(登記):居宅
構造(登記):鉄筋コンクリート造1階建
専有面積(登記):5階部分 24.36m2
間取り:1K
バルコニー面積:不明
管理費等:10,830円
敷地利用権:所有権
占有者:あり
築年月:平成1年1月
階:5階
総戸数:83

■ポイント■
★物件明細書より
3.買受人が負担することとなる他人の権利
【物件番号1】
原賃借権
範囲:全部
賃借人:【法人A】
※よく見かけるサブリース会社です。
期限:定め無し
賃料:月額42,100円
賃料前払い:なし
敷金:なし
特約:転貸可
上記賃借権は最先の賃借権である。転借人【A】が占有している。
4.物件の占有状況等に関する特記事項より
なし
5.その他買受の参考となる事項より
【物件番号1】
管理費等の滞納あり

★現況調査報告書より
・その他の者が本建物を居宅として使用している。
・管理費等の滞納あり約5万弱【令和2年3月調査時点】
・所有者と賃借人(サブリース会社)との契約内容
①占有開始時期:平成28年2月より
②更新の種別:合意更新
③賃料:42,100円
④敷金・保証金:なし
⑤特約:転貸可
⑥その他:振込事務手数料は所有者負担。
・サブリース会社と転借人との契約内容
①占有開始時期:平成28年2月より
②更新の種別:法定更新
③賃料:37,000円
④敷金:なし
⑤特約:譲渡・転貸不可
⑥その他:共益費8,000円。引き落とし手数料220円
・目的建物には経年による損傷、汚損等がある。
・室内に多くの動産がある。

※関係人の陳述等より
・占有者より
①私が現在、住居として転借しています。
②令和元年6月に目的建物のすぐ下にあるお部屋で火災が生じました。その後、火元側から目的建物の点検等があり、ベランダ補修すると言ったことを聞きましたが、未だに連絡はない。日常生活上で支障は無さそう。
③換気扇が故障している。
④裁判所へ提出した回答書における使用開始日について記載の誤りがあったようです。

・管理会社管理人
①令和元年中に、目的建物が所在するマンションで火災が生じたらしいですが詳細は知りません。

・サブリース会社担当者より
①住居としてサブリースしています。
②所有者とのいわゆるサブリース契約については、平成28年2月に締結したが、賃料の振込口座先の変更に伴い、現契約に改めた。したがって、契約は継続しているものと当社考えている。

※執行官の意見より
コメントはございませんでした。

※間取り及び室内写真より
1.間取りは1Kです。
2.洗面、トイレ、浴室一体型のユニットバスのようです。
3.洗濯機置き場は室内にあるようです。
4.ミニキッチンはIHコンロのようです。
5.室内写真には生活雑貨などが置かれていて生活が感じらます。エアコンが設置されています。
6.楽器のキーボードらしきものが写っています。

★評価書より
1.最寄駅から徒歩10分。約800mと記載があります。
2.総戸数83戸
3.経済的残存耐用年数は約19年とされています。
4.エレベーターあり、駐輪場、ゴミ置き場あり
5.マンション全体の積立金は約5000万円となっています。
6.検査済み証あり。
7.保守管理の状態:やや劣る
8.基礎となる価格として約478万円が評価額として算出されています。
9.賃料設定の賃料でみると4.21万円/月。年間で50.52万円となっています。

【では、入札時のシミュレーションを見ていきましょう。】

計算式1【売却基準価額での計算】
50.52万円÷322万×100=15.68%(表面利回り)

計算式2【基礎価額での計算】
50.52万円÷478×100=10.56%(表面利回り)

計算式3【計算式2より2割減で求める計算】
50.52万円÷382万×100=13.22%(表面利回り)

上記のような数字となりました。

現在の大阪地裁の表面利回り目安の12%で計算しますと

50.52万÷12%=421万円です。

このあたりで落札されるか!

3点セットのサブリース会社のコメントを見ると、何か引っかかる感じがしますよね。

ただ、更新は合意更新となっているので、更新拒絶は可能なのか?
その点が気になります。

当初は良くても先々で何かしら問題が出る恐れを秘めているように感じてなりません。

火災による影響もなさそうなのでそれは良いのですが、失火原因はきになります。管理人が知らないとの回答なので詳細はわからないのか?

とはいえ、そんなに大きな問題もなさそうなのでビギナー向けでの物件に感じました。

※筆者の紹介

前職の会社で約2年半で競売物件60件程度の落札、占有者交渉、リフォームプランニング、売却を手掛ける。

勤め先の会社では強制執行をしなくても良いように占有者との交渉で対話を重ねる。結果、自身担当での強制執行は0件。現地調査、裁判所記録閲覧、3点資料の読み込みにより写真から占有者の性格等を読み込み、入札する、しないなどを選別する。反社会的勢力の所有が疑わしい物件を写真から判断。そして現地管理人へのヒアリングで確認すると的中するように至る。

やり方がわかれば簡単です。何か難しそうであったり、落札後のリスクが読めないため入札を躊躇される方も多くいらっしゃると思います。ですが、しっかりと注意点を抑えていけば何も難しくもなく参加できるので、安く買いたいとお考えの方は一度競売を考えてみてはいかがでしょう?

現在下記のホームページでも競売投資のお話も書いています。

併せて読んで頂けたら幸いです。


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