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競売入札シミュレーション 神戸地裁尼崎支部編R2.9.17開札②

今回も神戸地裁尼崎支部からピックアップです。

1R物件です。

さて今回はどのような内容か見ていきましょう。

事件番号 令和01年(ケ)第59号
売却基準価額 2,250,000円
買受申出保証額 450,000円
買受可能価額 1,800,000円

種別:土地 持分売り
物件番号:1
所在地:西宮市甲東園一丁目
地目(登記):宅地
土地面積(登記):481.34m2
用途地域:第一種中高層住居専用地域
建ぺい率:60%
容積率:150%
持分:56192分の1524

種別:区分所有建物
物件番号:2
所在地:西宮市甲東園一丁目
種類(登記):居宅
構造(登記):鉄筋コンクリート造1階建
専有面積(登記):3階部分  15.24m2
間取り:ワンルーム 
バルコニー:向き
バルコニー面積:あり
管理費等:8,000円
敷地利用権:所有権
占有者:あり
築年月:昭和60年3月
階:3階
総戸数:37

■ポイント■
★物件明細書より
3.買受人が負担することとなる他人の権利
【物件番号2】
賃借権
範囲:全部
賃借人:【(B)】こと【B】
期限:定め無し
賃料:月額37,600円(共益費6,100円、水道代2,000円含む)
賃料前払い:なし
敷金・保証金:なし
上記賃借権は最先の賃借権である。
4.物件の占有状況等に関する特記事項より
なし
5.その他買受の参考となる事項より
【物件番号1】
なし

★現況調査報告書より
・占有者【B】通称【(B)】
・占有権限:賃借権
・占有開始時期:平成30年2月
・法定更新
・貸主(その他の者)【法人】
・借主:占有者

※関係人の陳述等より
・本件物件の不動産仲介業者会社従業員より
1.目的建物の賃貸借契約に関して、入居の仲介した当店には入居申込書(個人契約)の控えと決済金明細書等の控えがある。
2.決済金明細書の決済金が平成29年12月までに振り込まれているので、目的建物についての賃貸借契約が成立し、その後に入居が開始されている。
3.入居申込書、決済金明細書、鍵受領書等の控えの写しを入居者に渡しておきます。

・【(B)】より
1.現在居住している。
2.不動産仲介業者の店舗に行って契約の手続きをして、契約に必要な費用(決済金)を振り込んだが、その時の書類や領収書を紛失している。
3.外国籍ですが、日本語はわかる。

・【D】(B)の父より
1.(B)の父親である。
2.本人のコメントで間違いない。

・破産者【A】破産管財人弁護士より
1.破産者【A】の破産管財人である。
2.目的建物の家賃について、管理会社から所有者の【A】の口座に振り込みがある。

※関係人の陳述の補足事項として
1.管理会社は元々、サブリース会社として転貸借で【(B)】へ物件を貸していた。
2.所有者【A】が破産手続きに入ったのでサブリース契約が解除された。
3.所有者【A】と連絡が取れないので受け取った賃料は現在、破産管財人の口座へ振込している。

※間取り及び室内写真より
1.1R洋室のお部屋のようです。
2.浴室、トイレ、洗面は一体型のユニットバス。
3.下駄箱があり。
4.ミニキッチンがあり。
5.室内写真からは洗濯機置き場がわかりませんでした。恐らく外置きかと思われます。
6.室内には生活雑貨など生活用品が写っていたので、日常生活をされている様子が窺えます。

★評価書より
1.最寄駅から徒歩4分。約300mと記載があります。
2.総戸数が37戸
3.経済的残存耐用年数は約10年とされています。
4.4階建て建物でエレベーターはなしです。
5.管理人は日勤ではなく巡回となっています。
6.マンション全体の修繕積立金の額は約440万円となっています。
7.基礎となる価格として約322万円が評価額として算出されています。
8.転借人の賃料でみると3.76万円/月。年間で45.12万円となっています。

【では、入札時のシミュレーションを見ていきましょう。】

計算式1【売却基準価額での計算】
45.12万円÷225万×100=20.05%(表面利回り)

計算式2【基礎価額での計算】
45.12万円÷322万×100=14.01%(表面利回り)

計算式3【計算式2より2割減で求める計算】
45.12万円÷257万×100=17.55%(表面利回り)

上記のような数字となりました。

サブリース会社(管理会社)の存在が気になっていましたが、コメントでは、所有者の破産手続きによって、契約が解除され、その後は転借人(占有者)との直接契約との内容でありましたので、引き続き契約が継続されるだろうと考えられます。

競売落札予想額も計算式3の257万円までで落札できれば面白味がありそうですが、表面利回りだけを見ると計算式2の320万円前後での落札となりそうかな?

※筆者の紹介

前職の会社で約2年半で競売物件60件程度の落札、占有者交渉、リフォームプランニング、売却を手掛ける。

勤め先の会社では強制執行をしなくても良いように占有者との交渉で対話を重ねる。結果、自身担当での強制執行は0件。現地調査、裁判所記録閲覧、3点資料の読み込みにより写真から占有者の性格等を読み込み、入札する、しないなどを選別する。反社会的勢力の所有が疑わしい物件を写真から判断。そして現地管理人へのヒアリングで確認すると的中するように至る。

やり方がわかれば簡単です。何か難しそうであったり、落札後のリスクが読めないため入札を躊躇される方も多くいらっしゃると思います。ですが、しっかりと注意点を抑えていけば何も難しくもなく参加できるので、安く買いたいとお考えの方は一度競売を考えてみてはいかがでしょう?

現在下記のホームページでも競売投資のお話も書いています。

併せて読んで頂けたら幸いです。


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