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不動産競売 入札編|入札する金額を決める。

さて、前回までは裁判所、現地調査と物件の調査について書いてきました。

すべての調査を終えて後は入札する金額を決めるのみです。

これまたはらはらドキドキ。

見えない他社と見えない競争をします。

入札する金額を決める材料は何を基に決めたらいいのか?

一般の方でできる調べ方は?

1.「BIT」の過去の成約事例から調べる
●戸建ての場合は、近隣で似たような事例があったかどうか?
●マンションの場合であれば、同じマンションで過去に競売になっている物件があるかどうか?なければ近い条件のマンションと比較をする。

2.ポータルサイトを見て、今販売されている近い物件がないかどうか?
調べ方は上記と同じです。
また、販売している物件が
①リフォーム済みなのか?
②住んでいる状態のまま販売しているのか?
③空家でリフォーム無しで販売しているのか?
④売主は不動産会社かどうか?

最低限この辺はチェックして販売価格を見ていきます。

3.知り合いの不動産会社に相談する。
何と言っても不動産のプロなのでお知り合いでいらっしゃるなら心強いです。

個人的にはどれか一つを選んで決めるのではなく、すべて複合的に取り入れて金額を算出するのが良いです。

理由は?

それぞれ見るポイントが違うからです。
1.では過去の事例から入札する金額ズバリを考えます。
2.現実に販売されている物件なので、自身が購入する時の目安金額としてみます。
例えば、2500万円で販売されているとします。それがリフォーム済みだとしたら競売で購入する場合、リフォーム費用も考えないといけないので、2500万円よりもさらに安い価格で購入しないと釣り合わなくなります。
3.客観的な数字と手堅い数字を教えてくれる。
不動産会社はプロなので手堅い数字を教えてくれます。それは今の市場で売れる金額についてです。

この3点をそれぞれの切り口で見ていくため、どれか一つを採用して金額を決めるのは望ましくありません。

個人的に一番重視していたのは、

1.の過去の事例です。

入札をしている不動産会社さんは大抵確認して参考に利用されていると思います。
しかしそこに出てくる落札事例をすべて鵜呑みにすることはしないでください。

例えば、マンションを入札するとして、過去の事例で3件落札事例があったとします。

その3件が同じような価格帯であれば問題はなさそうですが、物件によっては、金額にかなりのバラツキがある場合があります。

バラつく理由は、マンション独自の管理費、修繕積立金等の滞納金があるからです。滞納が多ければ多いほど入札者は少なくなりますので、さらに、室内の状態がわるければこれも同じく落札価格は安い傾向になります。

逆に高くなる場合は、滞納が少ない、角住戸、高層階など特徴がある場合などが考えられます。

私の場合は、平成22年から28年。その間は空きますが、今年に入ってからデータの蓄積をしていますので、各物件の3点を振り返ってみることができます。

私が考えるのは、競売とは過去の事例の特色とその時代で入札をしている他社の入札金額。これをすり合わせることで手堅い入札金額を算出できるようになってきました。

そして、ご自身の入札額が決まったら、裁判所から頂いてきた入札書に金額を書き込んでいきます。
くれぐれも書き間違いがないように細心の注意を払って入札をしてみてください。

次回は入札&開札についてお話をしていきます。

Youtube動画もよろしければご覧ください(*^-^*)

※筆者の紹介

前職の会社で約2年半で競売物件60件程度の落札、占有者交渉、リフォームプランニング、売却を手掛ける。

勤め先の会社では強制執行をしなくても良いように占有者との交渉で対話を重ねる。結果、自身担当での強制執行は0件。現地調査、裁判所記録閲覧、3点資料の読み込みにより写真から占有者の性格等を読み込み、入札する、しないなどを選別する。反社会的勢力の所有が疑わしい物件を写真から判断。そして現地管理人へのヒアリングで確認すると的中するように至る。

やり方がわかれば簡単です。何か難しそうであったり、落札後のリスクが読めないため入札を躊躇される方も多くいらっしゃると思います。ですが、しっかりと注意点を抑えていけば何も難しくもなく参加できるので、安く買いたいとお考えの方は一度競売を考えてみてはいかがでしょう?


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