逃げて生きてきたね〜
仕事を定時に上がったので、喫煙室の隣にある給茶機からコーヒーを抽出して、喫煙所の椅子に座る。
たったの2日日本を空けていただけなのに、あっという間に秋になっている。気温も、この時間の空の色もだ。
タダで飲める割には味のするコーヒーを飲みながら、night train の hymne to freedomを聴く。何となく扁桃腺が腫れてる気がするけれど、気にせず煙草を吸う。
もうすぐ30歳になろうというのにいつまでも自分というものが持てなくて、何かを考えたりしてみてもすぐにそれを人と比較してしまう。自分は人よりものを考えられているか?ということが、どれだけ考えるかの基準になってしまう。自分が納得できているかどうかが大事なのに。
結果として、好むと好まざるとに関わらず、俺は人よりものを考えているんだ、と自分を誰かより上に置いて安心感を得るという行為に及んでしまう。そして自分が嫌になる。今みたいに。
友人が一人、また一人と結婚していく。父になっていく。母になっていく。俺の人生ゲームはいつまで経っても進まない。追加パックの脇道コースをグルグルと回っている。ルールの仕様が分からないから、ここから抜け出すには自分で申請すればいいのか、それとも運がないと抜け出せないのかもわからない。
でも多分、自分で申請する必要があるんだろうなと思う。一定の条件を満たした人は抜け出せるんだろう。でもその一定の条件が分からない。満たしていないことはわかるけど、何を満たしていないのかはわからない。わかるのは、自分で脇道コースに入ったことだけだ。正規コースはつまらないだろうとタカをくくって。抜け出せるだろうと思えば抜け出せると思いこんで。
多分みんな、ちゃんと責任を負ってきてるんだよな。あの頃の俺たちは16歳のクソガキだったけど、もう29歳だもんな。13年も経ってる。俺がぼんやりと好きなことだけしていた時に、あいつらはみんな頑張って、ちゃんと責任を負って、そしてそれを果たしてたんだよな。だから子どもを持つって選択肢を取ることができたんだろう。子どもを持つだけの勇気をどこかで得てきたあいつらと、未だになんだか適当なことを言って臆病な自分を正当化している自分と、一体どこで差が開いちまったんだろうな。
今日もまた仕事終わりに専門学校に行く。資格を取るために。今更資格を取っても遅いのにな。一番大切な、責任を負うってことをしてこなかったんだから。俺が取ろうと思ってる資格を既に持ってるやつは沢山いるわけだ。そいつらと比べて俺は責任を負うってことを全然してこなかったよ。俺と同じように資格を取ろうと思ってるやつも沢山いるわけだ。こいつらと比べても、俺は責任を負うってことをしてこなかったから、今は同じ位置でも、資格を取れた時からのスタート地点はずっと違うものだろう。
そもそも俺は子どもが欲しいんだろうか?多分欲しくはないんだろうな。俺は、俺の中の、子どもを持つだけの資格を持つ大人になりたいんだ。持つことはできるけど、持たないんだって胸張って言えるようにしたいんだ。持てないし欲しくない、は違うんだ。持てるけど欲しくないって言えるようになりたいんだな、多分。
そのために勉強を頑張ってみているけれど、果たしてちゃんと資格を取れた時に、自分に自信が持てるかはわかんなくなってきた。なぜなら俺が勝手に頑張っているだけで、俺が失敗しても誰も困んないからだ。俺の力で誰かを困らせずに済んだって思いたい。でももう遅いかも。俺なんかに賭けてもいいと言ってくれる人はいないだろうな。
つらつら書いてたら予備校に着いちゃった。はぁ、友達の人生イベントを祝ってたら(これは心から祝ってる、本当におめでとう)予習復習のペースが乱れちゃったからまた今日から追い上げないと。俺は何にせよペースが乱れるのが苦手なのに。はぁ。
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