判断がつかないままに

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次は名古屋、名古屋です。
京都から帰る新幹線で気づいた。あ、コインロッカーに荷物入れっぱなしやん。

こういうことをよくやるので不思議と焦りはない。冷静に手に持つの中に何が入っているか、手荷物の中に貴重品が全てあるかを確認する。

財布、ある。鍵、ある。ロッカーの中身は……寝巻きの着替えくらいか。

次、戻って間に合うのか。名古屋から京都に戻ると、京都着が21:32分。終電が、38分。間隔は6分しかない。走ってコインロッカー前の改札口まで行き、駅員に事情を説明し一瞬出て、荷物を回収しまた新幹線に駆け込めるのか。

判断がつかないままに名古屋についてしまった。いちど降りて、京都に向かう。

ロッカーの管理会社（レシート持っててよかった）に電話で確認するが、配送はやっていないとのこと。ガッデム！

京都の駅構内図を確認する。かなり遠い。これは間に合わなそうだ。ギリギリ間に合わなそうな気がする。しかし全力で走れば間に合わないことも無い気がする。

乗れなかった時のことを考える。夜行バスで帰ることになるだろう。チケットを調べる。2000円程度で買えるのか。高くはない。中に入っている下着とかを買い戻すお金と変わらない。

ううむ。悩ましい。とりあえず、降りてすぐかけ出せるように階段に1番近い出口に立つ。

決めた。1分で改札口までにつかなかったら戻ろう。新幹線のホームは3階だが、ロッカーは地下2階。どれだけ階段を早く駆け下りたとしても無理だろうが、とりあえずもう京都に向かってしまっているのでやるだけやってみよう。

21:33分、改札着。34分、荷物回収。35分、再入場。いけるか。いけなさそうだ。しかしやってみる価値はある。無理なら途中で諦めればいい。とりあえず最所の階段を降りきった時点で時計を見る。

いや……無理だ。諦めよう。もういいや。諦めよう。幸いにも入ってる服はほとんどがユニクロだ。高校時代から部活で履いてたジャージとかあるけど、これは揃いじゃないし。ちょっといいフリースとか入ってるけど。使い始めてみたらかなり使い勝手がよくて重宝してるスヌーピーのカバンとかあるけど。こんなものを取りに戻るのもアホらしい。無理して走って、間に合わなくて新幹線のチケット無駄にする方がよっぽどもったいない。

そんなわけで東京行きの最終の新幹線に乗っている。ああ、終電なので座れない……人が密集していて暑い。そして立って乗っている新幹線は結構揺れる。思えば京都のバスもびっくりするくらい揺れていた。

名古屋で座れた。だいぶ酔っていたので良かった。新幹線を降りたら牛丼でも食べよう。

今回の旅では英気を養った。明日からも頑張ろう。いくつかの服を失ったけど。