君はもう乃紫を知っているか

どうも、最新のJ-POPカルチャーに俺たちがハマっていた音楽の文脈を色濃く聴く時の感覚が好きな者です。

あの頃のボーカロイドシーンが今洗練されて世界に受け入れられているという事実は既に周知のものなわけですが、俺たちはあの頃、ボーカロイド以外にもあんな音楽やこんな音楽にハマっていた。

そのひとつがSHISHAMOである。

SHISHAMOっていえばチャットモンチーのあとを埋めるべく生まれてきたガールズスリーピースたちの唯一の生き残りである。
日本においてガールズスリーピースっていうのは常に求められているものであり、SHISHAMOが大人しくしている昨今で彼女らのあとを埋めるレースの先頭を走っているのがChilli beans.だ。
ところが彼女たちはあんまりSHISHAMOっぽくない。曲の感じはだいぶ洋楽っぽくて、J-POPど真ん中って感じじゃないのだ。
じゃあ誰がSHISHAMOの後を産埋めるのか?僕はそれを乃紫がやるんじゃないか、と思っている。

彼女とSHISHAMOはひとつ大きな点がある。それは何か。乃紫はソロで活動しているのだ。じゃあガールズスリーピースの系譜を継げないじゃないかという話だが、聴けばわかるが彼女の曲は完全に、『今SHISHAMOが今にビタビタにチューニングしてきたらこんな曲』というお題に対するアンサーだ。

『全方向美少女』の歌い方とかちょいちょい宮崎朝子〜!ってなるし、『先輩』なんて歌い方に加えて曲の雰囲気と歌詞もこういうのSHISHAMOの初期によくあった!ってなってとても嬉しくなる。『ヘントウタイ』もだいぶSHISHAMO感あるし、『A8番出口』のリフとかSHISHAMOで何度も聴いたこれ!ってなる。

じゃあ彼女がSHISHAMOの二番煎じなのかってなるとそれはちょっと違う。乃紫は乃紫にしかない音楽がちゃんとある。そしてそれがめっちゃいいのだ。
まず歌詞の視点がSHISHAMOより少しだけ上だ。SHISHAMOの代名詞と言えば高校生視点の歌詞だが、(もちろんそれだけじゃない)乃紫の歌詞からは成人済みの空気を感じる。成人してない歌詞の場合、SHISHAMOより素行が悪くて大人びている。宮崎朝子は手を繋ぐのも照れちゃったりするが、乃紫は全然そんなことない。
もちろんまだアルバムも出ていないくらいでサンプルが少ないからなんとも言えないけれど。

あと、曲が非常に今日的だ。SHISHAMOの曲はかなりストレートというか、まだショート動画というものが発明されていなかった時期なので曲の構成はとてもオーソドックスだ。ところが乃紫は今生まれてきたアーティストなので、一瞬で耳に残りつつ、目にも残りやすい動画を作るに適した曲もある。これからリリースされる「初恋キラー」をInstagramで検索してみればわかるだろう。

そんなわけで、NEXTヒットアーティスト予想として乃紫を挙げさせてもらう、という記事でした。

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