日記20191008

「お先に失礼します。また明日。」

仕事用のリュックを担ぎ、足早に会社を出る。時刻は午後9時30分。終バスの時間は9時34分。僕は急いでバス停に向かう。

歩いて、5.6分。走って3分ぐらいだから逃すことはない。「いつもこの時間だなぁ」と思っていても仕事内容は減らないので致し方がない。

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今、無事バスに乗ってこの文章を描いている。

このバスに一人で(この一人で、というのが重要)乗っている時間が一番ホッとする。

仕事のことを完全に忘れたり、その日に何かやらかせば思い返してうわーってなるのもこのタイミングだし、明日の仕事のことを思ってうわーっってなるのもこのタイミング。

これがもし営業所の誰かと一緒に帰るとなるとオン状態が抜けれなくて、どことなくソワソワしながら帰ることになる。

幸い今日は一人なので、ホッとしながら前から二列目の一人席に座っている。

バスの乗車時間は約20分。どこまで文章が描けるか試している。

日記にせよなんにせよ、文章は気取らずにその時感じたことや出来事をなるべく自分のフィルターを通して書くのが一番面白いと思っている。

ただありのままに書くのであれば事実の羅列だし、装飾を身に纏えば全ては輝いてみえて、ファンタジーと化す。

バランスを考えながらおそらく答えは自分の中にあるのだと思い込み自分の頭から文章をつらつらと抜き出す。
もしかしたらこの考えこそが装飾なのではないかな、とかもしくは気取りの最上級なのではないかな、という考えを払拭できずにいるが、それでも最後には「いいや、えーい」と投稿するのである。あ、今駅に着いた。

推敲する文章に比べて日記は本来自由で。毎日書きたいぐらいなのだが、それでも代わり映えしない毎日(特に仕事をしている平日など)は書く内容などなく、おそらく捻り出すことになると思うと文字は続かない。
こう、突発的に書いてみたほうが頭の中と文字が直結して、フリックが進む(今は無論スマホから文章を描いている)。

最近めっきり涼しくなった。今年の夏はそれでも去年より落ち着いていたかな、と思うけれども、それでもやっぱり暑かった。涼しくなって暑かったなと思い返す。
この辺の気候は山の近くもありとても変動的で、ヤフー天気がいつも当てにならない。「天気予報なんて当てになんねぇよ」と上司も言うし、雨雲レーダーに乗っていなくても油断すると雨が降る。
むしろ雨がここでできてるんじゃないかと話をしながら、それは冗談ではなく本当なんじゃないかと思いながらそれでも縋るように雨雲レーダーを見つめる。最近では嫌に涼しい風が吹くと「嫌な風が吹いてきたから雨が降ってくるね」なんてことも言えるようになってきた。

かと思うと雨だって言われてるのにここらへんは薄曇りで、グズるのかなと思ってたらなんと晴れ間が!なんて言うのもザラで、これだけの天気に振り回されたら多少わがままな女の子でもうーん許しちゃう!と多少の自信を持って対応できるのかもしれない。

なんだかんだここまで打ったら最寄りの駅まで着いてしまった。秋なんだなと思う。

悲しさの中から文章を拾うのも、何気ないながらに文章を作るのも、すべては今の自分の気分次第で、いざできて読み返してみると珍妙な雰囲気を感じることもあって。形のない雲みたいなようで、面白みを感じている。

20191008

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