クソなぞなぞの美学


クソなぞなぞ


それは、通常のなぞなぞよりも、答えのくだらなさ・安直さに重点をおいたなぞなぞの総称である。その馬鹿馬鹿しさに対して、我々は皮肉と敬意を込めて、「クソ」なぞなぞと呼んでいる。

私はこのnoteを通じて、皆様にクソなぞなぞの魅力をお伝えしたい。

今回は、その中でも「言葉をもじるタイプ」のクソなぞなぞを取り上げる。


まずは、私がクソなぞなぞの存在を知るきっかけとなった動画をご覧いただこう。

動画内で出されたなぞなぞは、クソなぞなぞのお手本といって差し支えないだろう。
問題に対して答えがとてもくだらない。しかし、何故か妙な納得感がある。これこそが、クソなぞなぞの魅力である。

ここでいう、「言葉をもじるタイプ」のクソなぞなぞとは、

Q.ゴリラみたいなラッパって、な〜んだ?
A.ゴリラッパ

Q.ブタみたいなプーさんって、な〜んだ?
A.ブーさん

Q.たけし君の消しゴムって、な〜んだ?
A.たけしゴム

のように、
「AみたいなBって、な〜んだ?→答え:C」
を基本構造に、AとBの語感から連想される言葉Cを答える、というものである。

一見くだらないダジャレに思えるが、ただ韻を踏んだり言葉を繋ぎ合わせたりするだけでは問題が成立しない。答えに対する納得感があることによって、初めてクソなぞなぞとして成立する。


では、納得感のあるクソなぞなぞとは何か、私が実際に作問する過程を通して説明する。

私がクソなぞなぞを作る時は、「AみたいなBって、な〜んだ?→答え:C」のうち、BやCから先に埋めていくことが多い。それに、作問しようと思ってあれこれ考えるよりも、たまたま目に入った言葉から直感で思いつくことがほとんどだ。

例えば、テレビにプルコギが映っていたので、「プルコギ」から考えていく。


1:「プルコギ」をBに入れる
「Aみたいなプルコギって、な〜んだ?→答え:C」

2:「プルコギ」と語感が似ている言葉を探す
→「コギ」が「コーギー」に似ている

3:「プルコギ」と「コーギー」を組み合わせた言葉「プルコーギー」をCに入れる
「Aみたいなプルコギって、な〜んだ?→答え:プルコーギー」

4:「プルコーギー」のうち、「コーギー」の要素を連想できる言葉をAに入れる
→「犬」をAに入れる

完成した問題
Q:犬みたいなプルコギって、な〜んだ?
A:プルコーギー


このように、答えが存在しない言葉であっても、「犬」という要素と「プルコギ」という言葉から「プルコーギー」という答えを導くことができる。ここに、納得感があるのではないかと考える。

語感が似ていれば何でもいい、という訳ではない。試しに、先程の問題の「コーギー」の部分を「ノコギリ」に変えて作ってみる。

Q:工具みたいなプルコギって、な〜んだ?
A:プルノコギリ

これだと、構造的には成立しているが、「工具」からノコギリを連想しにくかったり、言葉の組み合わせ方が強引だったりと、すんなりと納得できない箇所が生まれてしまう。
作問は大雑把なようで、実は繊細なのだ。

基本構造を応用すれば、様々な問題が作れる。


Q.海の怪物みたいな高倉健って、な〜んだ?
A.高クラーケン

Q.野球よりもボクシングが好きな佐々木朗希って、な〜んだ?
A.佐々木ロッキー

Q.がっかりしている楽天カードマンってな〜んだ?
A.落胆カードマン

Q.オペをしている呪術廻戦って、な〜んだ?
A.手術廻戦

Q.電気自動車みたいなポケモンって、な〜んだ?
A.イーブイ(EV)

Q.髪の毛を脱色した漫画って、な〜んだ?A.BLEACH(ブリーチ)


ここに挙げたのはあくまで一例だが、簡単な構文さえ抑えていれば、後はひらめき一つで誰でも良問を生み出すことができる。クソなぞなぞの可能性は、留まるところを知らないのだ。


クソなぞなぞは、名前に「クソ」とついてはいるが、立派な問題ジャンルの一つだと、私は考える。
皆様も是非、クソなぞなぞに触れて、その奥深さを味わってみてはいかがだろうか。

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