詐欺とバイアス

人は誰しも「この日は気をつけて過ごさないと…」という忌み日を持っているもの。

私の場合、その忌み日にあたるのが8月15日です。

この日に何があったかというと、遊びに行った出先で詐欺師に絡まれてお金を騙し取られました。

あまりに突然の出来事で、当時は深く傷つき、しばらく立ち直れませんでした。

あれから1年経って、未だに傷ついているかというと、実はそうでもないです。
時間とともに心も回復していき、トラウマのように悩まされることは無くなりました。
今となっては、いい教訓です。


本題に入りましょう。
毎日のように「詐欺には気をつけましょう」と注意喚起されているにもかかわらず、引っかかる人が後を絶えません。

その理由の一つとして挙げられるのが、正常性バイアスです。

正常性バイアス(せいじょうせいバイアス、英: Normalcy bias)とは、認知バイアスの一種。社会心理学、災害心理学などで使用されている心理学用語で、自分にとって都合の悪い情報を無視したり過小評価したりするという認知の特性のこと。

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E6%AD%A3%E5%B8%B8%E6%80%A7%E3%83%90%E3%82%A4%E3%82%A2%E3%82%B9

主に災害などに関連して使われる用語ですが、詐欺被害にも同じことが言えます。
「自分は引っかからない」と思っていると、明らかにおかしい違和感すらも、正常の範囲内だと考えてしまいます。


もう一つ、詐欺被害者の心理として言えるのが、確証バイアスです。

確証バイアス(かくしょうバイアス、英: confirmation bias)とは、認知心理学や社会心理学における用語で、仮説や信念を検証する際にそれを支持する情報ばかりを集め、反証する情報を無視または集めようとしない傾向のこと。認知バイアスの一種。

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E7%A2%BA%E8%A8%BC%E3%83%90%E3%82%A4%E3%82%A2%E3%82%B9

たとえ相手が詐欺師でも、一度信用してしまうと、その人のいい所だけが目に入り、違和感から目を背けてしまいます。


私が寸借詐欺に引っかかった理由は、
・初対面の人に急に話しかけられたのに、警戒をしなかったから
・相手から共通の話題を持ち出された時点で、「この人は大丈夫そう」と思いこんでしまったから
・相手に明らかにおかしな言動があったにもかかわらず、違和感から目を背けていたからと、様々挙げられます。

一度相手を信じてしまうと、違和感があっても、「この人は大丈夫」「何もおかしくない」と思い込んでしまうのです。

そして、これは私だけに限らず、誰にでも起こりうる事です。この記事を読んでいるあなたも、詐欺師の標的になり、心理的なバイアスに陥る可能性があります。
我々にできるのは、詐欺を他人事だと軽視せず、詐欺師の手口や詐欺被害者の心理を理解し、知識を蓄えておくことです。それが、もしもの時の自衛に繋がります。

皆様も、詐欺とバイアスの関連性について知ることで、被害を未然に防ぎましょう。

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