正義のヒーローなんていない

 正義を貫こうとしてるひとをみると、苦労してるなと思う。それと同時に夢見がちだな、と。正しいことがいいわけではない。民意ではない、ましてや信じてはいけない。そのことを子供の頃にもっとしっかり親が教えなければいけないのだ。世の中は不条理だよ、と。その方が生き残れる。

 一時期、問題になった本当は恐ろしいグリム童話こそ、子供の寝しなに親が読んであげるべき本だ。わたしも幼い頃は兄と共に母に読んでもらった。人間の本質を突いている本だと思う。だからこそ長く受け継がれるのだろう。
 残酷さをしれば正義など潰える。正義感溢れる人ですね、とわたしが言うときは、まさかその年まで正義感ぶってご苦労なことですね、という意味などと誰も思うまい。皮肉ってるつもりなのだが大抵の人は気づかない。

 正統性の不鮮明さに皆、見て見ぬふりをしている。みんながみんな平等な社会なんてあり得ないのだ。そのうえで自分の理想をいかに実現させるか、四苦八苦してる。

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