【GLOBIS】ジャムの法則とマッチングアプリの功罪

最近、GLOBIS学び放題を視聴し始めました。ただ視聴して要約するだけなのももったいないので、動画視聴して感じたことや学んだことを、自分の身近なことに結びつけて思考力を鍛える機会にしたいと思います。これは、そんなGLOBIS学びシリーズの第一弾です。
第一弾は選択の科学として有名になった、ジャムの法則を取り上げます。

誰に読んで欲しいか

下記のどちらかに該当すると感じる方に、本投稿を読んでほしいと考えています。
・真剣交際をしたいと思っているが、1年以上マッチングアプリを続けている人。
・とにかく選択肢を増やしてから選びたいと考えている人。
一時期、僕はマッチングアプリを利用していました。
次々と表示される恋人候補、会うたびに比較し分からなくなる自分の理想、また相手にとっては自分自身も数ある恋人候補の一人でしかないこと、さまざまな要素からもやもやを感じていました。(※僕自身は異性愛者ですが、ここでは"異性"や"女性"ではなく"恋人"という表現を使っています。)
それらもやもやの原因が、もしかしたらジャムの法則に通じている部分があるかもしれないと思い、上記の方を読んでほしい対象としました。

ジャムの法則

ジャムの法則とは、「選択肢が多いと、選択肢が少ない場合よりも選択に手間暇がかかって意思決定が難しくなるため、購買に至る割合が減る。」というものです。
ジャムを使った購買実験から導き出された法則のため、この名前が付けられました。
6種類のジャムを並べた売り場と、24種類のジャムを揃えた売り場の比較実験をしたところ、購買率がそれぞれ30%と3%と、種類の多い売り場の方が売れ行きが悪かったそうです。
ただし、この法則が当てはまるのは「安価な消費財を選択する場合」という条件がついています。家や車といった高価なものや、選ぶこと自体が楽しいと感じられるものについてはこの法則は当てはまりにくいと言われています。
恋人候補は安価な消費財ではありませんが、なぜマッチングアプリがジャムの法則に該当するのでしょうか。

選ぶ側、選ばれる側の立場で見てみよう

マッチングアプリがジャムの法則で語ることができると考えるのは、誰を選ぶかが目的ではない、つまり選ぶこと自体に楽しさを見出すものではないと考えるからです。
初めてマッチングアプリを使い始めた当初、とてもワクワクしていました。すぐに恋人ができると思い込んでいたからです。しかしながら現実は厳しく、結局は恋人ができないまま撤退しました。
マッチングアプリを使用された経験のある方は、どんなことを感じられたでしょうか。うまくいった人、うまくいかなかった人、どちらもいると思います。
あの時どんな行動をしていればよかったのか、選ぶ側と選ばれる側の立場で見ていきます。

【選ぶ側】
選ぶ側として考えた場合、特に頭を抱えるのは「1つに絞りきれない。」ことではないでしょうか。Aさんの容姿は自分の好みとはずれているけど話がとても合う。Bさんの性格がキツく感じることがあるけど、経済力が高い。Cさんの学歴は普通だけど、容姿が自分の好みど真ん中。
人を魅力は1つの要素だけで決められるものではありません。容姿や性格、経済力、相性、肩書き、学歴、他にもさまざまな要素があります。
コーンフレークの五角形の栄養素のようなもので、各要素の長短が描く形こそがその人の魅力を表しているのだと思います。そして、それが比較を難しくしている要因なのではないでしょうか。
では、どうすれば良いのか。選択に悩んだ時、自分自身に問いかけてほしいことがあります。それは「判断する要素の中で、自分が特に重要視していることは何か」です。1つの判断基準に限定する必要はありません。目の前の相手に振り回されるのではなく、自分の中に判断の軸を意識的に持つことが選ぶ側にとって重要なことではないでしょうか。

【選ばれる側】
相手にとって、自分は所詮大多数の中の一人です。特別な存在ではありません。言うなれば棚に陳列されたイチゴジャム。ジャムの数以上に存在する恋人候補を前に、恋人と何をしたいかの未来に思いを馳せる余裕は選ぶ側にはなく、目の前の候補を比較するだけで疲労困憊してしまいます。
そんな相手に、選ばれる立場の人間は何ができるのか。
それは、相手に自分を選ぶ理由を提示することです。なぜなら、「選択理由を説明しやすいものを選びやすい」という性質が人にはあるからです。
相手が大切にしたいと思っている価値観や考え方、判断基準に合わせて自らの魅力を発信していく、それが選ばれる立場の戦術の1つかもしれません。

最後に

選ぶための判断基準が自分の中にあるか相手の判断基準に沿った提示・提案をできているか、そんな観点でマッチングアプリをやると素敵な相手と巡り会えるかもしれません。

そんな僕は、最近ふられました。

参考記事

『選択の科学』――思い込みをなくし選択肢を創造せよ
https://globis.jp/article/6228


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