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紅白とももいろと〜大晦日のテレビ

ホンマにね。
不思議よね。
年末年始のテレビは毎年、曜日関係無く紅白だし、爆笑ヒットパレードだし、駅伝だし。
レギュラーの編成関係無く毎年恒例の特番が放送されるのよねー。多分、スポンサー契約自体、年末年始はレギュラー番組の放送無いのを条件に了承もろてんねんやろね。

それはさておき。
2015年、ももクロプロデューサーkwkmさんの「紅白は卒業します」宣言以降、大晦日は「ゆく桃くる桃」「ももいろ歌合戦」中心にしてまして、ネット生配信をメインに見て、地上波は録画して後からチェックしてます。
今年もこんな感じ↓

iPadでAbemaの「ももいろ歌合戦」。
テレビは二画面にして、紅白と日テレ。
サウンドバーはBluetoothでiPadから飛ばしてました。

▪️日テレの失敗

前までは「笑ってはいけない」シリーズと紅白をW録画して三が日で消化してたんですが、今回は「孤独のグルメSP」を録画して日テレのお笑いはスルーしました。
まぁ画面だけはチェックしてたので、面白そうな場面になったらテレビの音声をONにするつもりでしたが、結局特に無かったですね。

多分日テレは相当、打撃受けたと思いますよ。
「笑ってはいけない」シリーズって、長年続けてきたお陰で「お決まり」パターンが出来上がっていました。水戸黄門の入浴や印籠同様「この時間帯になればアレがある」という、時計を見なくとも流れが分かる安心感ですよね。通勤バス→偉いさんへの挨拶→引き出しネタ→職場見学→場所移動〜追いかけっこ→ショータイム/ゲーム大会→会議室(身内ネタ)→リアクション芸→蝶野ビンタ→肝試し→フィナーレ。マンネリといえばマンネリですが、長く続いたからこその「ある種の伝統」です。分かってるけど笑ってしまう。
それが今回は全くゼロからのスタートでしたし、仕切り人数が多く交代スルーシステムという事で、見ていて散漫な印象を与えてしまったとも思えます。
そもそも日テレという局は、ウルトラクイズしかり、高校生クイズしかり、24時間テレビしかり、仮装大賞しかり、鳥人間しかり(※制作はytv)、長寿特番を続ける癖が有ります。だからこそ、長寿特番を止めた後が大変だと言えます。
もちろん続ける方も大変ですが。昨年、コロナ禍での「笑ってはいけない」は妥協した結果、惨憺たる結果でしたから休止して別企画をという流れは仕方ない部分も有りましたが、潔く過去の笑ってはいけないシリーズの再放送的な物でも数字は充分取れたと思いますよ。まぁそれはダウンタウンの二人が許さなかったんでしょうね。いや、もしかしたら、営業が拒否したかも知れませんね。焼き直しじゃスポンサーが許さないと。
まぁお笑いでゆくなら、生放送に拘らなくても良かったんじゃ無いか?とも思います。生の醍醐味はハプニングですから、以前のフジの27時間のように破天荒な中継物とかを軸に引っ張ると、また違ったかも。
2022大晦日、もしコロナが治まってたら「笑ってはいけない」復活の可能性は高いと思います。

▪️紅白歌合戦

生でちゃんと見てなかったので元日、録画で早送りしながらチェックしました。毎年のパターンです。オンタイムで再生しても良いんですけど、口パクアイドルは見ててしんどいですもん(苦笑)。

大泉さん、達者ですな。ボケもツッコミも出来るわ、ちゃんとMC出来るわ、タイムキープ出来る。ただね、臭いんです。芝居臭さがそこここに出る。ボーっと見る分にはソツなく面白いですが、段取りの所はしっかり段取り仕事とバレる。その分、内村さんは自然でしたよね。。。
川口春奈ちゃんは、普通に上手かった。ココ近年の女優司会者の中ではトップでしょう。YouTubeも自然体でトーク出来てますけど、ああいう司会も経験重ねると相当上手くなる予感がしました。紅白の場合、決まった台詞にガチガチ固められてるので、見ててぎこちない感じに見えましたが、ラフな台本なら、もっと素敵になったと思います。身長あるし、スタイルいいから、3着の衣装の着こなしも良かったですね。華やかさと身近さを兼ね備えてるって大泉さんと良いコンビ。他の番組でも見てみたい二人のMCでした。

さて、今回NHKホールが使えないという事で国際フォーラムAがメイン会場でしたね。引きの画で客席が映ると、幅の広さ、奥行きの深さが有ってゴージャス感が倍増してましたね。外のホワイエ部分もあそこは見映えイイですよね。吹き抜けスペースまで活用してましたが、あそこも見映え良かった。
ただ、やはり普通のホールですから、制作側は扱いにくそうでしたね。舞台転換も手間が掛かると見えて、渋谷のスタジオやら繋ぎVTRやら中継やら、見てて可哀想でした。
やっぱりNHKホールは巨大なスタジオなんですよ。舞台の奥行きも有るし舞台袖も広いから、パッと舞台転換出来る。ステージ前の座席を撤去すれば広々と活用出来るしカメラも設置しやすい。

今回、基本的な舞台セットは3、4パターン位でしたよね。クロス型の階段、横位置イントレ、後はフラワーアレンジ、バックの巨大三面プロジェクター。この組み合わせだけでしたよね。
例年のように1曲ごとに手の込んだセットを組めなかったのは、美術チーム苦肉の策が手に取るように分かりました。

ただ、舞台の間口が広い分、見映えは良かった。
ので、将来AKが新築移転したら、国際フォーラムの経験を踏まえて、多分新NHKホールは相当デザイン変わるでしょうね。

さてと。中身ですよ。問題は。
音響とかは素晴らしかった。映像技術も。さすがNHKでした。特にAKのスタジオパート。東響良かったですね。薬師丸ひろ子さんの所もね。布袋さんもね。トリのMISIAも圧巻でしたね。
何が不満って、そりゃ人選でしょ。
今の時代、万人受けするキャスティングは難しいのは重々承知。でも、はぁ?となるような出演者、なんで?と思う歌唱曲、なんとかならんかなぁ。火曜日のレギュラー歌番組でもそうですけど、なんかNHKって変なカバーさせる病有りますよね。今年で言えば。。。山口百恵と美空ひばりですわな。なんだかねぇ。。。

▪️ももいろ歌合戦

化けましたねぇ。元々は紅白出られないからと、急遽企画された年越しイベントの変化形。3年目=2017年から始まったのが「ももいろ歌合戦」です。その名の通り、ももいろクローバーZがホストとなり、多くの出場者を迎えて開催される年越しイベントです。ももクロさん達は以前からベテラン歌手勢から可愛がられる存在でした。和田アキ子、加山雄三、アルフィー、さだまさし、松崎しげる、泉谷しげる。。。などなど。なんでも、礼儀正しく表裏無く、素直にリスペクトしてくれる。。。とのこと。そんな繋がりがあったからこそ実現したイベントだと思います。

なんやかんやで今回が5回目。50組を超す出場者を迎え、初めて日本武道館での開催となりました。その最大の特徴が「全曲フル尺」
紅白もそうですし、大抵の地上波歌番組は1コーラス半のTVサイズですが、ももいろ歌合戦は、企画コーナー以外、本人の持ち歌はフルコーラスです。だから迎えられた歌手の皆さんは満足でしょう。いや、ファンとしても満足でしょう。WIN-WINって奴ですよ。
必然的に公演時間は長くなります。テレビ局1局仕切りで行うのは無理!そこで、ももクロサイド仕切りで開催し、メディアが「乗っかる」スタイルにしました。軸となるのはネット生配信のAbema 。ももクロのレギュラー番組が有るテレ朝の息が掛かったメディアです。同様に月イチレギュラーが有ったフジテレビNEXT(CS)(※現在は今番組の放送無し)、同様のBS日テレ、地上波も、時々ゲスト出演していたテレ玉(埼玉)をはじめ独立系テレビ局が参加。ラジオはニッポン放送が乗っかりました。
年越しイベントをCS、BS、地上波、ラジオ、ネットと様々なメディアで中継するのは画期的じゃ無かったでしょうか。それも系列バラバラで。
コレが実現したのも、舞台だけで無く映像&音声制作もももクロサイド仕切りで行い、分配する形にしたからです。だから局の編成は飛び乗り、飛び降り自由。今年の場合、全編中継のAbemaは17時〜24時半。BS日テレは19時〜24時半。ニッポン放送は22時〜24時。テレ玉も22時〜24時半。アイデアの勝利ですね。

演出は、ももクロの大規模公演をずっと演出してきた佐々木敦規氏。テレビ番組やプロレスイベントも手掛けてますから、イベントも番組としてもマルチに出来る人です。
紅白のような潤沢さは無くてもアイデアで楽しませる事に長けています。ステージはメインとデベソ2パターンのみ。そこに前日収録を折り込んで構成していました。また、飽きさせないように、各出演者をももクロメンバーとコラボさせたり、企画コーナーを増やしたり。。。

さて、そのソフト面。中身です。
正直、始まった当初は、見劣りするキャスティングでした。しかし、業界内の評判も高まったんでしょう。年々出演者が増え、コメントV出演も豪華になってゆきました。
今年はオープニングから舘ひろしが開会宣言。

トップバッターとして木梨憲武らがももクロとコラボした曲を披露。

氣志團、仲本工事&高木ブー、ゴリエ、ファーストサマーウイカ、西川貴教、華原朋美、加山雄三、MAX、さだまさし(中継)、HYDE、ファンキー加藤、泉谷しげる、NOKKO、松崎しげる、大友康平、吉田栄作などなど。勿論、田中将大は生でトークゲストで出演、VTRでは我らが阪神タイガース佐藤輝明もサプライズ出演しました。
ぶっちゃけ、紅白に登場する程の人は少ないものの「すげ〜」と思えるキャスティングだと思いますし、すげー人たちは数年前から毎年出てる訳ですよ。そして今回はついに!前回まで紅白に毎年出ていた五木ひろしが初出演。大トリで歌いました。

ラストのフィナーレは毎年恒例、チータ=水前寺清子「365歩のマーチ」の大合唱。

こう書いてるとテレ東の「にっぽんの歌」みたいですが、ももクロの後輩たちも参加するアイドルメドレー、アニソンメドレー、今年の顔メドレーなどの企画も有り、アニソンではウマ娘出演が話題でした。

正に老若男女。出る方も見る方もw
なんとなく紅白の存在意義を取って代わるイベントになりつつある気がしてきました。
何より強いのは、ももクロを軸としたご縁で成立してる所。純粋に面白いから出てくれて、楽しいから見に行く、配信や放送を見る。
先述したダウンタウンじゃ無いですが、続ける事で「お決まり」になり「安心感」となると思います。きっと五木さんの繋がりで、次回はもっと凄いレジェンドが出演してくれる予感が今からします。数字につながる大物が出るとなると、もっと多くのメディアが乗っかり、もしかしたら地上波が手を上げるようになるかも?

▪️比較する訳じゃ無いけれど

勿論、本家「紅白」と「ももいろ」を比較するなんで意味無い訳ですが、司会進行面で気になった事が。。。それは、押し巻き時。
大泉さん達、1箇所だけ有りましたね。ラスト近く、MISIAの振りの所でフロアDから伸ばせのサインが出て、川口さんが固まりました。大泉さんが機転を効かせて「今回の紅白は〜」と感想を軽く挟んだ所でキューが来ましたね。そう、NHKは、なかなか自由に出来ないんですね。大泉さんなら、なんだかんだで遊べる技量は有るのにね。

一方「ももいろ」は伸び伸びしてました。押しも巻きも。実は19時以降、BS日テレに合わせてCMチャンスが出てきて、会場では間繋ぎトークをしたり、確定タイム前にトークを引っ張ったり。総合司会・東京03の飯塚さんも自然だし、ももクロの4人も色んな現場を経験してるだけあって慌てない。多分殆どの視聴者は気付かなかったと思います。結構な回数、演出・佐々木氏からのトークバックが耳元に来てたようです。

イヤモニへの急な指示もももクロの4人には日常茶飯事。全く顔に出さず対応してました。多分最後の「365歩のマーチ」、急遽中抜きにしたと思いますよ。

▪️アドリブ力

ももいろ歌合戦の後、4人は、両国国技館に移動して、さださんのNHK生放送に飛び入りしました。土俵部分に作られた円形ステージ上は、普段のトークデスクと絵が描かれたホワイトボードが設置されていました。ももクロが「走れ」を歌うとなり、スタッフ陣がスペース確保のため、デスクセットをステージ下へ移動させようとバタバタし出した途端、4人が「そのままで大丈夫です!慣れてますから!充分広いです」とストップ。
小さいスペースでちゃんとフルコーラス歌いました。驚いたのは、カメラマンとのコミュニケーション。というより誘導。リハ無し、ぶっつけ本番、パート毎に歌うとスイッチングミスが起こりがちです。そこで彼女たち、カメラマンさんをさりげなく目線で誘導してたんですね。隣どうしなら少しパンするだけでアップをフォロー出来るし、目線を向こうに送れば、隣のカメラにスイッチングが移りますから。驚くべき対応力です。
そして1曲終わると、何事も無かったようにステージを下りました。

いきなりですが、「水曜どうでしょう」のロケって、正にぶっつけ本番。何が起こるか?分からない旅の記録でした。大泉さんは、あの番組で相当鍛えられたし、自分の役目も瞬時に理解出来る人です。ぶっちゃけ、台本、構成ガチガチの紅白よりも、ももクロの4人と絡ませた方が、凄いモノが生まれる気がするんですが、どうでしょう。。。ね?

(以下、1月2日更新)

どちらも数字落としてたか。
まぁ多様化の時代ですな。。。
ネット配信とかは、何か数値出ないかな?
取り敢えずTwitterでは #ももいろ歌合戦 がトレンド1位になったらしいけど。

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