家を追い出される・・・9

無難にこの交渉を終わらせたい……と思うAさん。

値上げには応じるものの、金額について相談したい旨をしたためてメールした。

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かくかくしかじか‥‥‥　　オーナー様にも宜しくお伝えくださいませ。
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在宅ワークなのか会社勤務なのかは分からないが、比較的早く返信が来たようで「オーナーさんに連絡して、またご連絡します」と、サラリとしたお返事。

まあ、担当者とはいえ、いわゆるメッセンジャー役なので、それ以上もそれ以下もなく、そのようなものでしょう……。あとはお返事を待つだけ。。。

どんなお返事が届くのか……。
交渉した金額でOKなのか、もう少しアップして欲しいという交渉があるのか、はたまた交渉決裂となって当初の要求通りの金額を希望する……という返答があるのか、検診で引っかかって、再検査を待つようなような時間だ‥‥‥。

そんなことを思いながら、Aさんが「コロナ禍だからテイクアウトで……」と遠慮がちにお知り合いのお店が始めたという和牛ステーキ御膳を出してくれた。

「この容器だけでも200円くらいするのではないか？？！」という、きわめて庶民的な感想を胸に秘めて、美味しくいただきつつ、仕事のことやコロナ後のことについて話しをした。

それではまた‥‥‥と、Aさんのところを後にして家電量販店でZOOM会議用のヘッドセットを新調しようと、お正月のような道路をのびのびと自転車で駆け抜ける私であった。

Aさんから連絡があったのは、それから１週間後だった……。