『五品』で味わう中国茶
中国茶にはたくさんの種類の茶器が存在します。
ただお茶を飲むだけなら急須と湯呑があれば十分だと思いますが、
中国茶の世界には、お茶は体の五つの部分を使って味わうものという考え方があり、
茶器の種類が多いのもこの影響が大いにあるものと思われます。
体の五つの部分とは、
まず一つ目は、耳で味わうこと―“耳品”
これは、お茶でもてなす側の人(主人)の話、説明などをよく聞くということです。
二つ目は、目で味わうこと―“目品”
これは、茶葉の色や形状、茶水の色などをよく観察するということです。
三つめは、鼻で味わうこと―“鼻品”
これは、お茶の香りを愉しむということです。
四つめは、口で味わうこと―“口品”
これは、お茶を飲んで賞味するということです。
五つ目は、心で味わうこと―“心品”
これは、お茶を飲むという行為を、物質的な視点から文化的な視点へと昇華させ味わうということです。
これら五つを合わせて“五品”といいます。
ただ舌で味わうだけでなく、自分の全てでお茶に向き合いながら味わう。
こういったところからも中国茶文化の奥深さが感じられます。
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