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【最新号試し読み】月刊不動産流通 24年5月号

月刊不動産流通2024年5月号が発売となりました。

その中から、
・特集「『賃貸仲介・管理業の未来』Part7 住宅弱者を支える 」
・流通フラッシュ「地域の再生、課題解決。キーワードは『共創』」
の試し読みを掲載します。

試し読み①(一部掲載)
特集「『賃貸仲介・管理業の未来』Part 7 住宅弱者を支える 」

 ユーザーの住まい探しに際しては、それぞれの希望に沿って住宅を紹介するのが不動産事業者の基本的な役割だ。しかし、高齢者や低額所得者、障がい者といった人々の中には、そもそも住宅の確保が難しく、さらに住宅を見つけた後もそこで安定した生活を営むためのサポートが不可欠なケースも少なくない。そこで、このような住宅確保要配慮者(以下、「住宅弱者」)に対し、相談から住まいの確保、入居後の一貫したサポートを提供する不動産事業者が各地で見られるようになってきた。  本特集では、賃貸住宅の提供、+αの生活支援で住宅弱者を支える事業者の取り組みを紹介。そこから住宅弱者への今後の支援のあり方を探ってみたい。

【単身高齢者】
絶対に見捨てない。
必要な世帯に見守り・食料支援も

◆門前払いされる高齢者に
住まいを提供したい!

 神奈川県座間市を中心に賃貸仲介、管理等を手掛ける(株)プライム(神奈川県座間市、代表取締役:石塚 恵氏)は、高齢者を「絶対に見捨てない」をモットーに活動を展開している。石塚氏は2012年に開業する以前、他の不動産会社に勤務しており、部屋探しに訪れる高齢者を「利益にならないしリスクが高い」と門前払いすることに心を痛めていたという。その会社を辞めた後、母親の介護をきっかけに、高齢者や生活困窮者の住まい・生活サポートを行なうNPO法人「ワンエイド」を11年に開設。住宅探しに窮する多くの高齢者に遭遇したことから、「自分で不動産会社を立ち上げ、高齢者に住まいを提供したい」と決意し、独立に至った。
 同社は、ワンエイドとの両輪で高齢者の居住支援を実施。ワンエイドが困窮する高齢者の相談窓口となり、プライムが部屋探しをするというスタイルだ。家賃が払えない場合には生活保護を申請して滞納しないことを条件にオーナーから部屋を提供してもらい、プライムが入居後の見守りも行なう。スタッフ4名が週に1回ほどのペースで入居者を訪問。「困ったことはないか」などと声を掛けコミュニケーションを図るなど、高齢者に孤独感・孤立感が生じないよう配慮している。
 住まいに困っている人は、日々の食事にも事欠いていることが多い。最初は自分が食べる弁当を渡していたという同氏だが、11年からはワンエイドでフードバンクを開始した。地元のスーパーマーケットや食品会社などに足繁く通い、食材等の提供を呼び掛けたところ、徐々に協力してくれる企業が増加。寄付された米やレトルト食品などを高齢者を含む生活困窮者に提供している。
 こうした取り組みを続ける中で、周辺のオーナーから「部屋を提供してもよい」と連絡が入るように。「創業時は6戸からのスタートでしたが、高齢者の入居を拒まない管理物件が現在は250戸を超えています」(同氏)。

◆行政・NPOとの三位一体が 「座間モデル」として定着へ

 改正セーフティネット法が施行されたのを機に、地元・座間市役所が積極的に居住支援に取り組むようになり、ワンエイドは市役所から住まいの相談事業を依頼されるようになった。ワンエイド、行政、プライムのトライアングル支援「座間モデル」が定着しつつあり、これを手本に、近隣の相模原市の不動産事業者数社が協力して居住支援のNPO法人を立ち上げようとする動きもある。「1社単独で居住支援を行なっていくのは難しいと思います。高齢者支援は、オーナーへの説得や見守りといった手間がかかる割に、メリットは仲介手数料をいただけることくらい。何らかのインセンティブがあると、居住支援に取り組む事業者がもっと増えるのでは」(同氏)。  
 今後、同社では訪問介護ステーションと連携して(※)「居住サポート住宅」を運営していきたいと考えている。「ワンエイドは生活の困りごとの相談には応じられますが、いざ高齢入居者の具合が悪くなったときに十分なケアはできません。介護・看護のプロと連携し、高齢者が安心して生活できる環境づくりを行なっていきます」(同氏)。
  (※)居住支援法人等が、要配慮者のニーズに応じて、安否確認、見守り、適切な福祉サービスへのつなぎを行なう住宅

この特集では他にも、【DV被害者】【路上生活者】【障がい者】【ひとり親世帯】をサポートする事業者の取り組みを紹介。改正住宅セーフティネット法など、国による施策についても解説しています。

試し読み②(全文掲載)
流通フラッシュ「地域の再生、課題解決。キーワードは『共創』」

不動産事業者を核に多様な関係者が連携。
地域に新たな活力と価値を生み出す

 全国各地で問題となっている空き家や空き店舗の増加。単に個人資産の未活用の問題にとどまらず、住宅地や商店街の衰退やまちの活力低下にもつながるとして深刻視されている。こうした空き家や空き店舗の多くは、基幹産業の衰退やまちの中心軸の変化といった地域固有の問題が背景にあり、行政や事業者が単体で取り組んでも、思うような解決には結び付かない。

 そうした中、不動産事業者が中心となって、地方公共団体や教育機関、地域住民や異業種と協働で遊休不動産を再生。地域づくりやコミュニティづくりを通じて、新たな地域価値を「共創」する取り組みに注目が集まっている。

 国土交通省も、こうした新たな「共創」の活動に注目し、2022年に「地域価値を共創する不動産業アワード」を創設。毎年優れた取り組みを表彰している。23年9月から行なわれた2回目の募集にも、全国から36件の応募があり、DIY手法で遊休不動産を再生し新たな住民や起業家を呼び込み地域を活性化している取り組みや、不動産事業者と地域とが一体となって「良き商い」を育て空き店舗の活用を進める取り組みなど9件が表彰された。

 いずれにおいても、不動産事業者は単なる「場の提供者」ではない「クリエイター」としての役割を担い、多様な関係者と力を結集し、空き家や空き店舗の利活用だけにとどまらない、地域課題や社会課題の解決に貢献している。

 地方創生が重要テーマとなっている中で、こうした「共創」の取り組みはますます期待が高まっていくだろう。

その他さまざまなコーナーが有ります

月刊不動産流通2024年5月号」には、この他にも不動産実務に関わるさまざまなコーナーを掲載しています。

・宅建業者が知っておくべき『重説』に必要な基礎知識Q&A 〜建築編
「改正建築物省エネ法」

・関連法規Q&A 
「『改正障害者差別解消法』について教えてください。」

・一問一答!建築のキホン
「建築家が設計したような空間を作るにはどうすればよいですか?」

・不動産登記の現場から 
「外国人、海外居住者の登記手続き」

・適正な不動産取引に向けて―事例研究
「司法書士への必要書類の預け入れは履行の着手に
当たらないとして買主の手付解除を認めた事例」
                             
などなど…

不動産会社の取り組みや、不動産業に携わる方々に役立つ情報を多数紹介。業界の把握に役立ちます。

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☎ 03ー3580ー0791

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