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殴り書き、覚え書き②

稽古期間中、本番前に一番気にしていたのは
やはりムスコヌス(息子)のことだ。
元々彼は私が舞台に立つことに
あまり賛成はしていなかったから。

きちんとごはんを食べさせたい。
できるだけ不安な時間を過ごさせたくない。
彼の成長もあって、ギリギリなんとかなったのかな…
どうかな…こればっかりは
私が評価して良いことではない。

本番直前は毎晩22時を回って帰宅していたので
なんとか息子の日常を崩さぬようにと思っていたが
結局彼はひどい寝不足だった。ごめん。

観劇に来てくれた後の反応は悪くなかった。
だーだ(夫)に抱くほどの
誇らしさはないだろうけど
「あのシーンは何やったん?」
「あれはどうなっとるん?」
と質問が絶えなかった。

こっそり舞台裏ツアーもさせた。
今回の舞台に関わるみなさま、
私が案内しているとは言え
勝手にウロチョロしてすみませんでした。
ほんとはよくない気がする。

楽屋にて「ちゃーちゃん(私)顔しわしわ」
と言われる。
メイクの崩れである。仕方なし…。


役者をやってる私は
稽古中や日常の会話であっても
私であって私でなかったような、
まるで別の人格のような感覚だった。

普段の自分がしないような言動の度に
横でいつもの私が「えー…?」と言っていた。
私はどちらかと言うと、
その「横にいる私」であり、
「役者の私」は私とはちょっと違った気がする。

自由に振舞えば振舞うほど
やはり小学生時代を思い出した。
自由に振舞った結果やんわりとハブられたあの頃w
「自由に振舞う」のやり方が
当時の私は良くなかったんだろう
とは思うけれど、オトナになってみれば
間違ってなかったと思うし
そんな私を受け入れて
面白がってくれる人たちがいることに
本当に感謝しかない。

楽しかった。
哀しいこともあったけど
それを越える楽しさだった。
芝居も家事もやりたいからやってんだって
確認できた。
最後のギリギリまで
何も諦めずにやり切れたと思う。
何とかなるとかない、何とかしてやったぞ。
偉い、自分。

色んな事があって、誰一人欠けることなく
決められた「この一日」に集合するって
毎日の中に溢れていて当たり前のことなんだけど
当たり前じゃないよなって改めて感じた。

最初から最後まで楽しかった。
終わってしんみりする事もなく
次は一体いつになることやらって悲観する事もなく
自然とこれまでの生活に戻り
むしろフットワークが
若干軽くなっているような気がする。

経験値積みました。
レベルアップできました。
隣の自分に「えー…?」って言ったり
キャパオーバーでイライラしたりしながら
またいつか、舞台に立てますように。


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