邪魔系の引き出しについて

おはようございます。堀です。

昨日は白鳥が發王戦を優勝してましたね。あまり言いたくはないですが、いい麻雀打ってたし、勝つべくして勝ったと言えると思います。強かった。

まあこの話はあまり長くしたくないので、これくらいにしておきましょう。

それよりも、そのあとMリーグを見ていてふと思ったんです。

まあこれは昨日のMリーグに限らず、いつも思っている事ですが、

今日のテーマは、これです。

「邪魔系の引き出し、開けどころ間違えてる人多すぎ問題」です。

まずはじめに、邪魔系の引き出しとは?というところから説明します。

僕がここで言ってる「邪魔」というのは、自分がアガる、またはまっすぐアガリに向かう、以外の方法で特定の誰か、もしくは複数を邪魔する行為です。

いくつか例をあげると、絞り、ブラフ、一発消し、邪魔ポン、ハイテイずらし、ハイテイ送り、ツモ消し、アシスト…

まあ他にもまだまだあると思いますが、簡単に思いつくところで言ったらこんなもんでしょう。

このようにたくさんあるわけですが、とりあえず全てに共通して言える事は、自分が得になると思ったときにこれらの事をするべき。

という事です。よくこれらの行為を機械的にやってしまうような人を見かけます。特に多いのが絞りと一発消しです。

主張はわかるんです。自分はたいした手をもらっていないし、どうせほぼアガれない。だったらせめて他家にあがらせないように…とか、一発だけでも消しておくのがサボらない麻雀じゃないか?という考えですね。

いや、いいんですよ。それで本当に自分が得するのであれば。ただ、これらの邪魔系の行為を人よりかなり多くするタイプの人の麻雀を見て1番思うのが、その自分がした邪魔行為の効果を正確に理解できていないな。という点です。

例えば一発消し、これは僕がわざわざ説明しなくても誰かがすでに本で書いてたり、色んな情報が出回ってると思うのですが、

基本的に一発消しというのは、リーチした人の邪魔をするかわりに、自分も多少の損を受け入れて、他の2人を得させる行為です。

当然ですよね?自分は手牌を短くして一発を消すために副露を入れてるのにたいして、他の2人はノーリスクで一発放銃のリスクを回避できるうえに、副露面子が晒される事で、本来与えられないはずの情報をもらっているのです。どう考えても自分以上に他の2人が得してます。

ただリーチした人が1人損をするだけと思っている方は、一発消しの背景にあるものが何もわかってない事になります。

なので、「一発消し!するしない?」時の考え方は、リーチ者の一発を消して副露を入れる事で、リーチ者を損させる事や、自分が副露面子を晒して他の2人に情報を与えてあげる事での4人の損得関係が、消したときの方が自分にとって都合がいい状態である場合は一発を消すべき。

逆にそうでない場合。例えば、あがられたくない相手はそこじゃない。とか、自分が仕掛ける事でリーチ者のツモ番が増える可能性が十分にある場合なんかは、「一発消しをするべきじゃない」となります。

つまり、この4人の損得関係や状況を正確に把握できていなければ、そもそもリスクやリターンを把握できていない事になり、正しい判断ができるはずがないんですね。

例えば、東1局で北家だとします。4巡目に西家からリーチをうけました。

ここで、「自分の手は悪いし、どうせベタオリだし一発だけでも消しとこう…チー」

こんな一発消しは愚の骨頂もいいとこです。

なぜならこのときの思考は、「自分があがれないのであれば、高い手をあがられたくないから」という理由でわずかな確率でしかおこらない一発を消しているのですが、

その一発消しにより、子供よりも打点の高い親が押し返しやすくなるかもしれない事に加えて、1ハン高くなってツモられる事よりも圧倒的に嫌な、「自分の放銃」となってしまう確率をあげているからです。なんなら現状リーチ者のツモ番も増やしてハイテイ手番すら回しています。

このように邪魔行為に関しては、やりたい事はわかるけど、使いどころが全く的を得ていないという事を解説なんかしていてもすごくよく見かけます。

ハッキリ言ってすごく解説泣かせです。基本的に解説者というのは打ち手を立てるような解説をしなきゃいけないような暗黙のルールがあるのですが、こんなどうしようもない選択をフォローする事により、自分までこの選択をアリだと思ってると視聴者に思われたらたまらないからです。

ちなみに僕はある一定のラインを超えると、次から次へとでまかせばかりを言える渋川のような解説は無理で、「え?何これ一発消し!?」とか言っちゃうタイプです。だから僕はアンチが増えるんです。

ではなぜ邪魔系の引き出しは多くの人が開けどころを間違うのでしょうか?

これはあくまでも僕の想像ですが、理由は2つあります。1つは実戦中に効果を感じにくい事です。以前僕は記事で、麻雀で強くなるために必要なのは、座学と実戦だと書いた事があります。

このような邪魔系の引き出しは実戦で使っても明確に効果を感じれる局面が少ないため、実戦を通じての修正に向いていないのです。

もう1つは、そもそもこのような邪魔系の引き出しを開けるチャンスじたいが実戦中にそう何度もこないからです。

絞りとか一発消しやアシストなんかはともかく、ツモ消しやハイテイ送りなんかは実戦でそれをやるべきか迷うような局面すらほとんどくる事がないので、「多くの実戦中での経験から学ぶ」という事がなかなかできないんですね。

僕は自著にも書いてるように常々これを言っていますが、引き出しを増やす事と強くなる事はイコールで繋がらないんです。

知識を得ても、その知識を正しく麻雀に取り入れられなければ逆に弱くなってしまうんです。

このように実戦でなかなか経験できない事を実戦中に有効に取り入れるためにはどうすればいいか?

勘のいい方ならもうお気づきでしょう。

そう。実戦で経験できないなら座学で補うしかないんです。つまり、邪魔系の引き出しの開けどころを間違える人の原因の多くは座学不足です。

たしかに引き出しを増やす事は大事です。しかし、それを有効に使う事ができないのであれば、そんな知識はなかった方が良かったという事になってしまうんです。そして、そうならないためにどんな局面で使うのが有効か?この局面で使うと、誰が得して誰が損しているか?などをたくさん考えて実戦に有効に取り入れましょう。

という話でした。ではまた







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