うたかた夢幻のナイトメアの話(感想とか)
◆今日スタマイの話しかなしないよ。12,000文字以上あるけど引用多いよ
◆これ書きかけで置いといた記事で、もうイベントもめっきり終了したので思う存分全面的にネタバレなんですけど、何……○○の本編序章……?みたいな反応が散見されるマップストーリーでしたね……
◆10日で読めなくなるイベントマップストーリーとしては情報の量と質がすごいので、記録のために抜粋・引用して少々の感想とともに書き出しておきます。
うたかた夢幻のナイトメア 開催期間2020年7月20日~7月30日
◆STAGE1
早乙女さんのモノローグと悪夢の内容。推測だけど、いじめを受けている級友をかばったり助言したりした結果がうまくいかなかったような感じか。話が超絶前後してしまうけど、終盤で語られる『今の早乙女さんにとってそれがどういう夢なのか』の説明からして、この夢は『他人の〝弱さ〟に寄り添おうとして拒絶された』ことで本当は早乙女さんが傷ついていた(本人は絶対に認めないだろうけど、私に言わせれば彼は傷ついてた)ということなんじゃないかと思ったりした。
〝弱さ〟に寄り添おうとした理由は、自分が(玲ちゃんに)そうしてもらえたことで救われた経験があるから(メインストで指針にしていたって言ってたし)、でもうまくいかなかったことでやっぱり『あいつは本物、俺とは違う』という思いを強くしてしまうんですよね。本当に拗らせるのがうまいな!
あとお部屋の写真立てのことに気がついた方がいらしたんですけど、つきあっていない玲ちゃんが部屋に入ってくるイベスト「拗らせた思いの処方箋は」で寝室にあった伏せられてた写真立てが、このマップストとか3周年SSRのスタンドスト(つきあってる設定)だと飾られてるんですよね。いずれのストでも何の、とは言及されてないと思われるものだけど、手をつないだ二人の人物の写真。
◆STAGE7・STAGE10
潔くんの実家は飛行機の距離。ということはあの素敵なお部屋に一人暮らしなのか。部屋の感じから勝手に実家だと思ってた。
ご両親のことは、メインストSeason3-54で
と心情を語るシーンがあるので、家族仲が悪いというのとはニュアンスが違うと思う。昔歳編ではもうちょっとつっこんだ内容のお母さんの台詞が出てくるシーンがあったけど、このイベント時にはまだ配信されてなかったことなので割愛します。ただまあやはり親御さんに対して申し訳ないという強い思いを持っているのは間違いないみたいですね。
潔くんお酒はあまり強くない設定。【R】やすいお酒は♡反応なんだけどまあ細かいことはいいよねごめん。
変な夢を見るチーズ(スティルトン)を食べる瀬尾研のみなさん。潔くんとひかるくんはブルーチーズが苦手っぽい。玲ちゃんはブルーチーズを食べられることになってる(けど、私が未読の神楽キズナストでブルーチーズ苦手設定があったらしい)。
◆STAGE15・STAGE17
早乙女さんの悪夢に登場する〝本物〟こと玲ちゃん(子供)。早乙女さんの意識の中には
(1)泉玲は本物(の善人)
(2)自分は本物ではない
(3)泉玲は〝いなくなる〟
ということが強く根付いていて、それが現在もなお言動に影響を与えているっぽい。
いなくなったのは転勤族のおうちの子供だった早乙女さんのほうで、玲ちゃんではないんじゃないのかと思うんだけど、こう、手を差し伸べたけど結局はいなくなるんじゃないか!! って寂しいとか悲しいとか会えなくなるなんて嫌だという気持ちを『怒り』に変換したままいい大人になっているのが早乙女さんなんだなというかね。それを拗らせてるという一言でまとめていいのかどうかはわからんけど、本当は弱音を吐きたい場面で、俺は強い(強くありたい)というフィルター(確固たる意志)を通すと、弱音が怒りまたは少なくとも怒ってるというポーズに変換されてしまう人なんだなっていうふうに思う。なお、意志をもって弱音を吐かないとしたら、それは強いふりではなく本当に強いということだと私は思うし、早乙女さんは強がっているだけじゃなくて、意志の力で本当に強くある人じゃないかと思う。
◆STAGE20
早乙女さんは暑がり。瀬尾さんは『一度布団被ったら、置物みたいに朝まで微動だにせず寝る』くらい寝相がいい。
パジャマコレクション早乙女・瀬尾
◆STAGE22
ひかるくんのモノローグを中心に展開する部分。帰省の件でストレスか不安のサインが増えているらしいことに気づかれる潔くん。家族の話になると
というのはひかるくんのモノローグだけど、心理学を扱う瀬尾研のみんなが、普通の人より聡く気づいて思いやる人たちなのだということが描かれる。
帰ってきたら一緒に玲さんが言ってた雲ケーキを食べに行こうと言う志音くん。少し笑ってうんと答える潔くん、そのやりとりを黙って微笑んで見ている瀬尾さんと早乙女さん。ひかるくんから見て
志音くんの『待ってる』に潔くんがほっとしたような表情を見せ、瀬尾さんと早乙女さんの表情もどこか緩む、というひかるくんの観察。
潔くんが黙って立ち向かおうとしている何かを無事に終えた未来の話を『約束』にすることには、明確な意図はないとしてもきっと意味はあって、潔くんの心は軽くなったんだろうという想像ができる。この場には玲ちゃんはいないけど、STAGE10で玲ちゃんが瀬尾研のみんなのやりとりを見て
っていう感想を持つことに、ここでもまた自然に共感する。
パジャマコレクション日向・可愛・宝生
◆STAGE24
たこ焼きパーティーから一夜明けた月曜日、場面は変わって捜査一課。驚異的な速さで資料を確認し、驚きの寝つきの良さを発揮するだけで、揺るぎない存在感を見せつける服部さん。
◆STAGE26・STAGE28
服部さんの知り合いが趣味でブレンドしている、睡眠の質が上がるというハーブティーの存在から、睡眠に何らかの難があることが示唆される槙くんと羽鳥さん。早乙女さんのほかにこの二人もSSRだからね、悪夢を見る展開が待ってるよね。
睡眠の質が上がると聞いて早乙女さんにあげたいと思う玲ちゃんと、渡すついでに羽鳥さんに口添えするという、気遣いが素晴らしすぎる槙くん。拝む玲ちゃん。
◆STAGE30
Revel。変な夢を見るチーズの試食会(泊まりがけ)が桧山邸で開催される。Revel仲良しだな。
パジャマコレクション桧山・槙・大谷・神楽
今回カードのない神楽さんだけはパジャマじゃないけどまあパジャマにも見えてきた。神楽推しとしてひとこと余計なことを添えるならば、ホーム台詞がプンスコしてて実に良いRカードですね。前夜祭で入手可能になっててよかった。
Revelの仲の良いところが見られ、好奇心が強くて決断が早く実行力がある桧山さんに潤滑油の槙くん、羽鳥さんにいじられる神楽さんという様式美で前半マップ終了するけど、早乙女さんのマジトーンから言っても羽鳥さんと槙くんの二人がただでは済まないだろうという予感がある。
◆STAGE31
BGMは3周年のアンドリーニア、羽鳥さんの夢は『よく聴いてた曲のはずなのに、思い出せない』バイオリンの旋律で始まる。以下、ほぼ丸ごと引用。
おとぎ話に出てくるような『満たされない』人達に気まぐれに星のかけらを撒く羽鳥。
「このご恩は、一生忘れません」という言葉には「……。忘れていいよ」と返す。
誰かの言葉
STAGE31はまるまる羽鳥さんの夢だけど、『満たされない人達』『気まぐれ / 退屈しのぎ』『星のかけら』『一生 / ずっと / 永遠はない』『羽鳥自身にはひとつとして降り注がない星のかけら』『バイオリン≒とうさん』という、まるでキーワードだけで構成されたような濃密な話。
ところで羽鳥さんの家族構成に関しては(私が未読のどこかで既に触れられているかもしれないけど)、このSTAGE31の内容からも推察はできる通り、おそらくご両親は離婚していて、羽鳥さんはお母さん方に引き取られて大谷を名乗っているっぽい。従姉妹の恵流さんの名字が大谷で、お母さんの話をしているときに「そういう血筋なんでしょ。メグ達もそうだし」と神楽さんが言う、つまり父方ではなく母方の従姉妹と羽鳥さんが同じ名字ということがわかるシーンがある(2018年保育園イベント「カレもお子様!?本気のわんぱく合戦」)。名字の件は婿入りという可能性もないわけではないけれど、両親が離婚したからこそのSTAGE31の内容だと思えばやはりしっくりくる。
◆STAGE34・37・40
普通の夢を見て3時に起きてしまった槙くん。寝るのを諦めて明かりをつけたところで庭に出ていた羽鳥さんからLIMEが来て、庭に集合する。夢の話をする気はないという羽鳥さんの牽制と、それを感じ取ったら本当に訊いたりしない槙くん。
STAGE37は羽鳥さんと槙くんの大学時代の話。いろいろ濃い。
この情報の量と質……羽鳥さんが推しの人はある程度覚悟はしてるものなのかもしれないけど、女関係で酷かったよってはっきり描かれるのはやっぱり思うところあるのではないかしらなどと思う。あと寝付きが悪いという設定も知ってるといろいろ捗る系の情報なので重要。
羽鳥のお父さんは飛鳥さんという名前でリサイタルをやるような職業、話を総合するとつまりバイオリニストであり、桧山さんを誘って羽鳥さんはこれまで何度も一緒にリサイタルを観てきた(何らかの理由で、日頃羽鳥さんは一人でリサイタルに行かない)。そして『恐らく、羽鳥が今回あのハーブティーを必要とした原因』。
STAGE40では、槙くんがもう朝まで起きてるつもりであることの理由が、やはり夢だということがわかる。
◆STAGE41・44・47・50
寝付けなかった神楽さんがショートスリーパーの桧山さんにLIMEを送ったことで、結局四人が揃ってハーブティーを飲みながら桧山さんの見た『普段とは違う夢』の話を聞く。
何が何を象徴しているのか(それとも特に象徴的なものではなくて、不思議な印象なのは夢だからか)わからないけど、どこかの洋館で蜘蛛の糸に捕われた桧山さん自身と、同じく捕われた蝶たち、逃がそうとするが閉め切られた部屋では蝶たちは逃げられず、天井からは捕食者の物音がする。ドアの側に橙の尾を引く美しい蝶がいて、捕われないように呼び寄せると指に止まり、安堵する……という内容。
それから槙くんの『夜中に一度起きたら必ず見る夢』の話になる。
槙くんのことを「けいちゃん」と呼ぶ(神楽亜貴っぽい)クマのぬいぐるみと、「マキ」と呼ぶ(大谷羽鳥っぽい)キツネが言い合いになる。仲裁しようとする槙くんに「問題ない。いつものことだろう」と言う(桧山貴臣っぽい)王冠を被ったライオン。槙くんはその子供部屋から出られないままノックの音を聞いて目を覚ます。
最近はあまり見てないという槙に、いい傾向なんじゃないかという桧山くんと同意する二人。
あとは羽鳥さんの寝付きの悪さと眠りの浅さが改善すれば、という話に戻る。〝何だかんだ〟で三者三様に羽鳥さんを気遣い、羽鳥さんはそれに感謝し、「再来週の週末って空いてる? 槙と上海行くんだけど」と桧山さんと神楽さんを誘う。神楽本編BGMが流れて、羽鳥さんと神楽さんのいつものような攻防のあと、「ありがとう」というときの羽鳥さんの笑顔の差分が一段回ほんとうの表情らしくなる。Revel……
◆STAGE51・53
〝鳥籠〟の中にいる服部さんと、捜査一課の三人+玲ちゃん。玲ちゃんがハンマーでぶっ叩いても壊せない鳥籠の中から「もういいって言ってるのに」と制止しようとする服部さんと、何とか逃がそうとする四人。
“ふいに聞こえた、調子外れの鼻歌に鳥肌が立つ。”
さっきより格段に切迫した、冷たいとも取れる態度で退避しろと迫る服部さんと、頑なに諦めない四人のもとに、誰かの声が聞こえる。
という場面で荒木田さんに起こされる服部さん。たぶんだけど、仲間だったりマトリちゃんだったりが自分を〝諦めなかった〟せいで危険に晒されるというのが、服部さんにとってはおそらく自分が死ぬより余程嫌なことで、それが起こりかけてる感じというか。こわいものなどないひとが、心底恐れていること。これはガチの悪夢。
目を醒ました服部さんの首筋に汗があることに気付く荒木田さん。服部さんから仮眠してくるように言われ、交替で起こす菅野くんについて
と念を押され、荒木田さんは仮眠室に向かう。
◆STAGE55・57
呼んだくらいじゃ起きない菅野くんを揺り起こそうと近づいた荒木田さんは
服部さんの言葉を思い出し、「……お前。何かあったか」と菅野くんに声をかける荒木田さん。
瀬尾研もRevelもそうなんだけど、こういう『普通』のやりとりにすら際立ってキレがあるのはさすがに藍田さんだと思う。どのキャラクターもしっかり、この話の外でも生きていた感じがする。語られていない部分の生活、ひいては人生みたいなのが立ちのぼってくる感じがする。いや私が藍田せんせいのこと好きすぎるからっていうだけで全部妄想かもしれないけど。
話は戻って、「どうせコンビニ行くなら抹茶ラテも買ってこい」と言う荒木田さんに
そして喉かわいてる時に抹茶ラテはどうか、とか、耀さんがどんな夢見てるかわからんけど夢見悪そうとかいうやりとりのあと、
ここから流れるSeason4のBGMに菅野夏樹という男は、菅野ってやつは……(何かこみ上げる)。
菅野くんが出ていったあとの荒木田さんはため息をついたあと、
荒木田さんが今、大事なことを考えました! 大事なことなので書いておくし貼っておきます。本当にこんなのたった10日で消費していい内容とは思えないよありがたい話だけどもったいないよ。あと荒木田さんは夢も見ないで寝たよ。
◆STAGE59
早乙女さんのターン。
玲ちゃんが『渡したいものがある』と言って持ってきたのは
その後もよく眠れてないと聞いたからお納めくださいと玲ちゃんに言われて、電源が落ちたみたいにフリーズする早乙女さん。ふっと吹き出す瀬尾さん。
たかだか夢見が悪いとか、それだけのことでお前に心配されるほど落ちぶれてないと言う早乙女さんに、そんなこと言ってないし思ってもいないと返した玲ちゃんは、こう続ける
『平気じゃなくてもいい』は、強がりの権化である早乙女さんに『強がって無理すんなよ』と言うのとはわけが違って、選ぶ単語も違えば、意味するところもちょっと違ってきてしまうというか、いや同じなんだけど、より寄り添っているというかね。平気じゃなくてもいいっていう言葉遣いをする玲ちゃんのこと、すごく好きだなと思う。それと、最終的には夢が良くなればいいというのが望みであって、そもそも強がる必要もなくなるところが玲ちゃんの見ている、あってほしい未来だというのが、希望が持ててすごく良い。
(Season4でも羽鳥さんが記憶を失ってることを知った玲ちゃんに「大丈夫じゃなくてもいい」というシーンがあったけど、あれも好きだったんだよね。大丈夫じゃなくてもいいって、救われる)
聞いていた瀬尾さんは
と玲ちゃんの言ったことを分析する。
◆STAGE60
端折るところがないくらい瀬尾さんが大事なことしか言わないから困りながら大部分引用するんですけど……
瀬尾さんの言葉は、早乙女ビジョンで見たならばおそらく早乙女さんに対する圧倒的な肯定だろうと思う。いいことを言ってやろうという気が一ミリもない、むしろ何もできない俺と謙遜しまくりの瀬尾さんだけれど、早乙女さんをめっちゃ肯定していると思う。私が強がって生きてるマンだったらあまりの報われた感と心強さに絶対ここで泣いちゃう。
早乙女さんときたら、これを聞いて……
早乙女さんは泣いたりしないし、悪態をつける。つよいね。
ここでパズルがはさまって、クリア後に後日談があったのだけど、スペステが出現するとスルーされるのでcolyちゃんはこの仕様だけは何とかしたほうがいいと思うの。
表情差分のクマが消えた早乙女さん。
締めの空ポエムパートの担当は早乙女さん。いやほんと、この後日談部分があるとないとでは大違いなので! 全部書いといた! 読めてない人絶対いるよねこれ……
事件ものとかではないし、物語的にすごく起伏があるわけではないので、パズルしながら途切れ途切れに読むより、動画で続けて読んだほうがよく理解できるし沁みますね。私はたいそう好きでした。引用しすぎて力尽きたのでここで唐突に終わるんだよ……