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やっつ(八塚裕太郎)|FLY_021

会社員 兼 パパ 兼 地球防衛軍!自由に働くって、こういうこと。

やっつ(八塚裕太郎|地球防衛軍)自由大学では「社内起業学」「アメーバワークスタイル」「キュレーション学(初級)」「コミュニティ・リレーション学」を受講。肩書きは「地球防衛軍」に「球作り職人」というやっつさん。一体、どんなお仕事をしているの? 詳しく伺いました!

Q.どんなお仕事をしていますか?

オフィス家具メーカーでもあるコクヨで、これからの働く環境はどうなっていくのか、オフィスがどんな形になっていくのかを先読みするために、働き方の研究をしています。

Q.自由大学を受講したのはどうして?

これまでコクヨで商品開発やカタログ制作、提案研修などいろいろな仕事に関わってきました。でも社内では設計や営業などひとつの道を極める人が多いのに対して、僕は社内で異動が多く転々としていて、わかりやすく説明できるような仕事ではありませんでした。でも、例えば「社会起業家です!」とか、「ベンチャー企業の社長です!」とか、そういう風に言えるのってかっこいいじゃん(笑)。どんな仕事をしているか言いきれない自分に対して、自信を持てませんでした。そんな時、自由大学に「社内起業学」という授業があることを知り、「働き方の研究をするうえで役に立ちそうだな」という気持ちで受講しました。

Q.「社内起業学」のあとは、「アメーバワークスタイル」も受講したんですよね。どんな変化がありましたか?

僕は社内の部署を転々としてきた分、ほかの部署の人に呼ばれてちょっと助けに行く、ということがよくあったんですね。それをアメーバワークスタイルのゲストととして来ていた跡部徹さんに話したら「地球防衛軍みたいですね」って言われて。「呼ばれたときに助けに行って、ありがとうって言われて去って行く」みたいな(笑)。そう言ってもらえた時に自分の仕事の価値を見い出すことができて、「かっこいい名前の付いた仕事じゃなくてもいっか」と割り切れるようになれました。

それよりも、今の自分にできる範囲で、できることに挑戦しようと思うようになりました。それまでは来た球(仕事)をひたすら打つ(こなす)という日々だったのですが、受講したあとは来た球を打つだけでなく、自分のできる範囲で新しい球(仕事)を作っていくようになりました。

Q.仕事の受け手であり、作り手にもなったんですね! どんな仕事をつくりましたか?

例えば「凸凹ミックス会議」という研究プロジェクトを立ち上げて、「今、ダイバーシティの何が問題なのか?」といったテーマでワークショップを開催しました。

自分自身、昨年は働き方の研究テーマを「ダイバーシティ(多様性)」にしていたんですね。女性を積極的に雇用したり、障がいを持つ方を雇用したほうが社会にとっていいのは間違いない。でも、会社の利益を圧迫するほど雇用したら意味がなくなってしまう。そのバランスが難しくて、二の足を踏んでしまう会社が多い。だから、雇用の分野で一歩進んでいる企業と、ダイバーシティを取り入れたい企業に参加してもらって、うまく取り入れている企業のどこがよくて、自分の会社にどんな風に取り入れられるかを考えてもらいました。ディスカッションをしたあと、ダイバーシティを取り入れるコツを参加企業がプレゼンする、というワークショップを行ったんです。

また、昨年子どもが産まれたので育児の勉強をしていたところ、「イクボス(男性の従業員や部下の育児参加に理解のある経営者や上司を指す)」という言葉を知りました。そこで社内で「働くママプロジェクト(wormo)」を担当しているメンバーにイクボスの話をしてみたところ、会話するうちに企画が生まれて、CSRなどいろんな部署の人と協力しながら「子育て世代を活かすチーム戦略セミナー 」を開催することができました。

ほかにも、社内の定年が近いおじさんとふたりで「月極カイゼンマン 」というユニットを組んでオフィスの環境改善をしています。みんなから「これは改善した方がいい気がするけど、誰に頼んだらいいかわからない」ということをどんどん聞いて、改善していく。「トイレの鍵が閉まりにくいです」って聞いたらビルの管理会社に修理を頼んだり、「ホワイトボードのマーカーが薄くなってる」というのを見つけたらマーカーを新しいものに変える。とても些細なことなんですけどね。

そうやって、同じ問題意識を持つ人たちと、部署や会社の枠を超えて一緒にプロジェクトを仕掛けていけるようになりました。

Q.社外の人を巻き込むハードルは何かと高そうですが、どんな風に会社に提案しましたか?

最初はおっかなびっくりでしたが、提案していることは会社にとっていいことなので「何かに繋げたい」というスタンスで提案すると、意外に通りました。

たとえば1億円かかる事業プランではなく、「100万円で試してみたい」という提案をしてみる。すべてOKを取ろうとするのではなく、一部分でもOKをもらうようにしたり、会社がOKを出しやすい言い回しにしてみたりするような工夫をしています。

それは、社内起業学で学んだ認められやすい提案をするスキルと、アメーバワークスタイルで学んだ、やりたいことなら「できる!」って言ってどんどんやっちゃうという考え方が合わさって、うまく作用しています。

そうやって、「自分のできる範囲でできること」をどんどん試していったら、悩みよりも「やってみたい!」という関心が強くなったので、自分で企画することに力を注ぐようになりました。

Q.ところで、やっつさんはプライベートでもいろいろと活動されているようですね。

プライベートでは、「働き方の未来をつくる7日間」をテーマに、あたらしい働き方に関するイベントを7日間に渡って行う「TOKYO WORK DESIGN WEEK(TWDW)」の運営に参加しました。ほかにも、妻が「My Desk and Team」という、新しい働き方を実践している方にインタビューするWEBマガジンを運営しているので、そのインタビューに同行しています。家族旅行のついでにインタビュー先に寄ったり、子守り兼任で同行したりして、楽しみながら活動しています。

仕事以外の活動に関わっているのは、新しい働き方に関する活動が盛り上がっていってほしいという思いが根底にあるからだと思います。自分たちの手でこういった活動を盛り上げていくことがとてもおもしろいですね。

Q.仕事、プライベートに関わらず、「いいな」と思ったことにチャレンジしているんですね!

そうですね。自分が興味を持ったことにどんどん参加していったら、結果的にワークショップやセミナーを仕事で開催することができました。「TWDW」や「My Desk and Team」などの活動も仕事につながっています。

今までは所属している組織とプロジェクトってイコールなのが当たり前だと思っていたし、「仕事ができる人」というのはピッカピカのすごい球をひとつ持っている人だと思っていました。でも、そうじゃなくてもいいんだ、ということは自由大学で学んだこと。自分の持つ球はひとつじゃなくていいし、必ずしも組織とイコールじゃなくてもいい。やり方次第で、会社を飛び出して活動することもできる。自分が「いいな」と思った数だけ球を作って、作ってからその球の置き場所を考えればいい。社内の組織なのか、別の組織なのか、社外やプライベートに置き場所を作ってみたり。

これからも、そんな風にいい球をいくつもつくり出す「球作り職人」でいたいですね(笑)。そして、作った球を活かして柔軟にいろんな人と関わりながら、おもしろい仕事をしていきたいです。

【取材後記】変幻自在にカタチを変えながら、柔軟に仕事を楽しんでいる様子が印象的だったやっつさん。でもそうなれたきっかけは、「ひとつの仕事を極めないといけない」という思い込みをはずせたことだった。誰の心の中にもある「~しないといけない」って思ってることって、実は常識にとらわれているだけなのかも。そんな思い込みのハードルを越えた時、新しい可能性が無限に広がっているんだということを、やっつさんから教えてもらいました!

(インタビューをした卒業生: #増田早希子  )

FLY(フライ)は、自由大学の卒業生が登場するインタビューコーナー。自由大学に通い、新しく見つけた自分の姿。卒業して、踏み出した一歩は小さくても確かな手応えをもって、新しい日常の扉を押し広げます。卒業生が体験した、自分らしい転換期の話をお届けします。

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