さよなら、今度こそ。 ▷ 屋根裏
三度目の正直で、さよならを告げた、春だった。
君と別れてからの再会、一回目は引っ越した先の改札前で擦れ違う。擦れ違ったことに気付きながらも僕は、視界の端に君を入れたまま、でも真っ直ぐ前を睨んで、通り過ぎた。文字通り、君に合わせる顔がなかったからだ。君は足を止めて驚いていたようだった。
二回目は人身事故で停車中の電車。開いたままの適当なドアから乗ろうとしていた、その視線の先に、君はいた。入口付近でホーム側に向きながら、その指先は止まることなくスマホの画面を叩いていた。声