WFH、リモートワークを改めて考える

リモートワーク、快適ですね。何よりzoomなどのビデオ会議が安価にできるというイノベーションを最大限活躍していると思います。これがなかったら、コロナ禍の仕事環境は地獄だったと言えるでしょう。

ソフトウエア開発の現場においては、

・移動がないので会議の時間を最大限使える。
・会議室の部屋の数でコミュニケーション数がサチらないので、プロジェクトを最適に進められる
・そもそもSlack , githubなどオンラインで仕事をする環境は整っていたよ。

生活においても
・子供や介護が必要な家族などの家庭では、明らかに家族全体のQoLが上がっているだろう。
・人と会う頻度が減ったので、風邪を引かなくなった。新型コロナよりも圧倒的に風邪のほうがウイルス感染しますからね。

などのメリットは大きいです。

一方で、経営陣ともなると言語化できない不安に苛まれています。

・経営者やマネージャとの信頼貯金を使っているだけなのではないか?
・見えない何かの損失が日々、積み上がっていて、表面化したときには遅いのではないか?
・本来、対面でなら得られていたものが得られていないのではないか?

ソフトウエア開発者的に言うと、リモートでのメリットが機能要件として言語化しやすいのに対して、デメリットは非機能要件ばりに言語化しずらく、ここにはもっと言語化したビジョンが必要です。

SQLインジェクションなど手法として言語化される前の2000年頃にセキュリティ問題を漠然と考えているようなものです。そこを考えていきたいなと。

そもそもリモートワークで起きていること、リアルのメリット

「働く」という行為を仕事をこなすという解釈ではなく、人間の成長に必要なトレーニングだと仮定してみると、会社に出勤するということは、みんなでグラウンドでサッカーをやっていたら、自然と筋肉がついた!よかったねー、という状態だと言えます。

一方で、リモートワークの場合は、ビデオ会議、テキストチャット、ソースコード管理などと特定の問題にフォーカスしてクラウドのツールを使って解決するアプローチと考えられます。

これは、トレーニングジムのマシンに乗って必要な筋肉を鍛えていることに似ていると考えることが可能だと考えました。

リモートワークでタスクをこなす、朝会をする、slackで日報を出す。zoomでプロジェクトの打ち合わせをする、という個々のタスクは、ランニングマシンで有酸素運動をする、なにやらの機械で肩の筋肉を鍛える、なにやらの機械で腹筋を鍛えるのと同じようなもの。

そうして考えると、必要な筋肉を効率的に鍛えられるという意味で、トレーニングジムは有用、、、すなわち、リモートワークは便利で有用だということになります。

これが非常事態宣言下において効果を発揮した。トレーニングの素人でも、それっぽく機械を使うことで、それなりの効果を発揮していたと考えるほうがよいかもしれません。でも、きっと、チームワークだったり、信頼感だったり、そこには落としてしまっている鍛えるべき筋肉があるだろうと考えるわけです。

しかしながら、だからといって、とりあえずグランドに集まってサッカーの試合をやろうよ!と言いたくても、半年前のような全員が集まる密な集まりはできないわけですから、元の状態は作れない前提において、人が集まることで得られるべき筋肉はなんなのか?がわからないと適切な対策も取れない。

考えようによっては、それまでが会社に出勤するという壮大な無駄を積み上げて、その中から微量の栄養分を吸い上げて、よくわからない筋肉を鍛えていたのかもしれないです。しかし、それだったとしても「とりあえず進めていくしかない」ということには反対はしないものの、リモートの環境がそれなりに成立しているが故に、その差分にしっくり行かないのも事実。

個人的な理想は、元々の生活において、人が集まることでどういう筋肉がつけられていたのか?を明らかにして、トレーニングジムにおいても、そこの部分の筋肉をつけられないか?を考えることがベストだし、考えた結果、それでは無理だと言う納得の行く結論を出して、その上で別の選択をすることが重要だと思っています。

なんも考えないで、トレーニングジムで運動して、なんとなく汗かいてて気持ちいいよん!快適だから、このまま続けたいよね!ってのは避けておきたいです。

ご飯を食べずにビタミン剤だけを飲んだダイエットはどこかで破綻するってのと同じにならないように。

いつまでもこのままなんだろうか?

リモートで明らかにデメリットだとわかっていることは、

・新人さんのオンボーディングをちゃんとして、チームメンバーとの信頼関係を作っていくこと
・限られた役割、限られた人としか話さず、1日仕事をすることへの孤独感
・オンラインコミュニケーションが下手だと損をするというリテラシー問題

多くの会社員をやってきた人は、フリーランスや自分でスモールビジネスを起業する人よりも孤独の環境は苦手なハズです。少なくとも会社員を続けられているという時点で、人と集まることが苦手ではない上に、周りに依存することに慣れているはずです。

また、限られた役割として働く耐性を持っていないことが想定されます。管理職やリードクラスになると、そもそも全体を見渡す力を持っているので、それがない人の気持ちがわかりません。

こんなことを書いている人は、孤独な環境でタスクだけをこなし、会社に対する信頼が作れないままな人の気持ちはわかりようがないのです。

そもそも、いきなりプロのフリーランスを同じような行動をしたってうまくいくはずがありません。否、そもそもフリーランスの人たちだって、打ち合わせや、同業で集まる飲みなどのリアルなコミュニケーションを重視して仕事の輪を広げていたハズです。ここにあるメリットの言語化は必要でしょう。

改めて、トレーニングの比喩に戻りますが、リモートワークのどんな素人でも簡単にできることがあります。それは以下の2つです。

・目の前のタスクやプロジェクトをこなす
・目の前のチームと仕事のやりとりをする

「目の前」として認識できるものは簡単だと思いますが、それ以外の「目の前にないもの」はすべて損失している可能性が高いと考えるべきでしょう。

・自分以外の人が何をやっているか、何に悩んでいるのか?を把握していますか?
・隣のチームが何をやっているか知っていますか?
・役割をこなしていれば、お給料がもらえるからと言って、それを知らなくてもいいと思いますか?

さらに、「視野が狭いままでいること」は、その人の考え方の幅を狭めてしまうので、会社員として活躍していくためは中長期的にデメリットしかありません。会社員は有期雇用ではないので、幅広くいろんな人とつながっていき関係性を積み上げていくことで、効率的な業務運営をしたり、それを引っ張っていく立場になることを全員に期待されている存在なのです。

そもそも人間は、「オレは聞いてない」が苦手なのです。これを意識することで疎外感を生み、心が腐っていきます。それがSlackというフローのツールに文字として書いてあったとしても、聞いてない以上は聞いてないとして扱うべきで、個人の責任だけにしても、それはマネジメントとは呼べません。

一方で、じゃあbeforeコロナの時に、リアルで顔を合わせる職場で、このようなことを、どこまで意識してちゃんとチーム運営をやれていたか?というと、そんなに自信がない自分がいます。会社全体としてはこのことについてひたすら考えていろいろやっていたけど、どれが何の筋肉に作用していたのか?まで意識していたかというと、個人的にはあまり自信がありません。

もしかしたら機会損失を生みながらも人が集まることに慢心していたのではないか?コロナ禍の今となってはそう考えるところもあるわけです。

一旦、今の結論

なので、今の所の結論は、

・全員の視野を広げるにはどうしたらいいか?

 視野とは、チーム全体、ビジネス全体、サービス全体、システム全体への視野
 今、何が起きているか適切に見えていますか?

などを考えて、組織運営に対する処方箋を作っていくしかないのかなと。

これについては、いろんな人と話をしてみたいなぁ。






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