高いお給料の人を採用するということ

高いお給料の人の採用をダラダラ考える。ひとまず高い給料っていくらやねんと考えると、世間的に言われるのが1000万円というラインに設定してみようか。世間の平均年収の2倍以上なのだから、運だけでこの給与に達することはなく、何かに対して優秀なのは間違いないだろうし、さすがにそれを期待する。転職市場を前提とすると、この金額にどれだけ若い年齢で達しているか?ということになるだろう。

高い年収を得てきたということ

年収1000万円超えるということは、年収1000万円以上を出せる会社や組織が存在していたという事実を示している。人材確保可能性を考えると、ボロ儲けしている会社だからと言って全員の給料が高いということは考えにくい。

自分でルールを作れる経営者層以外は、基本的にはその国や業界の平均給与にトップラインは依存する。このバランスを著しく崩す経営者は、ビジョナリーか放漫経営かのどちらかだ。

高い給与を支払える会社は、高い売上や成長をキープすることが求められている可能性が高く、その中でも世間一般で言うと上場企業は報酬面でも人材に投資している確率が高い。企業価値を上げるという経営者の責任が市場に公開されているからだ。時に大手企業によるスタートアップの大型買収のニュースが出るが、株価や何かにレバレッジをかけている会社は、成長を金で買うみたいな論理で高い報酬を支払うことを選択することがある。

その組織で高い年収を得るということは、正規分布、偏差値分布でいうと70以上なのだろうか。仮に偏差値70以上は上位2.2%だから、1000人の会社で22人しかいない。100人の組織なら2人ぐらいしかいないようなイメージを持つ。

期待するスキルとしては、なにかの力で経済規模を生み出す力があり、言葉は悪いが人頭税的に人件費配分を集めているか、得意な希少能力がビジネスにフィットしていたか。いずれにせよ、なんらかしらの欠かせない人材として認められる、他の人に回っても良いはずの人件費を、その人が独占的に集めた時に起こり得ると考えられる。

組織を作ったり、組織やプロダクトを伸ばすことに対して直接的な貢献をしてきた人材であることが多いし、それに期待する。そして、それに再現性があるか?が重要である。どんな状況下でも自分の力の発揮を再現できること。

それは我を通す力かもしれないし、周囲を変える力、ものすごい優秀なフォロワーシップで気がついたら周りを幸せにしている?(そんな人、普通はいない)などが考えられる。

環境要因や上司要因で高い評価を得てしまっていると、再現性があるとは限らない。それは採用してはいけない典型パターンなのだろう。

優秀さとは?

問題は、優秀な人の定義である。優秀な人は、性格的にいい人なのか?何に対して優秀なのか?一方で、その裏側にあるやりにくさはないのか?まず、いい人は高い給料を得るだけの活躍はできるのだろうか?

いい人は搾取されやすいと考えると、いい人が卓越して給料が高くなるとは単純には考えにくい。引っ張れる人、リーダーというのはワガママ、傲慢であることとセットだと思うし、決断力があるということは、その判断基準が折り合わない人にとっては癖が強いということでもある。

高い年収の人が、労働者として超いい人であるかというと、逆のケースが多いではないだろうか。というのも、なんらかしらの信念を強く持っていたり、働き方等の時間の使い方がおかしかったり、癖があるからこそ、その組織で特異な才能を発揮することが多いと思うと、採用する側がすべてを望むピースに当てはまるケースは優秀さが高くなればなるほど、難しくなっていくのではないかと考えるのだがどうだろう。

もしくは、バランスの取れた人材もいるのだろう。頭が良くて、物事を考えるバランスが取れているような人材。常に適切な判断をしてきたような人で高学歴で生きてきたような人材がそういうタイプなのかもしれない。戦略的に己の振る舞いを変えることで、最適な評価を得られるようにフィットし続けるような人材。ネットビジネスの世界ではCTO経験者にはそういう人がいるような気がする。常に最適な選択ができる人材だからだ。CTOになれるか否かは運の要素もあるが、それも含めて最適なポジション取りをして可能性を広げられる人材という意味でもある。

ちなみに、高い給料の方がいい人材に決まっているという考え方が可能なのであれば、500万円より1000万円、1000万円より2000万円の方がいいはずだ。卓越したトラックレコードを生み出す能力があるとしたら、ピーターの法則ではないが、もしも理想的な行動をし、己で理想的な結果を出せる人は無限に給料が上がっていくと仮定すると、

・会社が生み出す経済規模を作れる
・人材希少性
・組織を作って引っ張れる
・株価(外部評価による期待のレバレッジ)

などの実現に稀有な貢献をした人がどんどん報酬があがっていくことになるだろう。ただ、その理屈で言うと、なんの摩擦もない理想状態なら、すでに経営者になって株で上がっている人材になっている人も多そうで、100%がそういう人でないからこそ、そもそも採用が可能なのだと考えると、すべてが完璧な人ではないことを前提とすべきなのだろう。

つまり何を妥協して、何を期待するのか?が常に存在し、この期待値が折り合ってないとお互いが辛い思いをする可能性が高い。これは高い給料の人を採用するリスクである。

それ故に完成された人材に期待するよりも、1000万円以下でポテンシャルの高い若手の成長に賭ける選択も十分に取りうる手だと思う。その人が1000万円超えるようになってくれれば、結果そっちの方がよいはずだ。

つまり、高いお給料の人に期待するのは時間を買うことにほかならない。

優秀な人は、その会社に来てくれるのか?

もう一つの問題は給料が高くなればなるほど、それを受容する側の活躍の受け皿が必要になること。

年収帯において、500万円の人のチャレンジ、1000万円の人のチャレンジ、2000万円の人のチャレンジが、採用する側の企業の器に存在しなければ、そもそも人が来てくれない。

高い給料の人も、当然がただの人間である。仕事をする時には頑張る目的が必要で、常に不確実なことへのチャレンジ目標があるからこそ、それだけの人材が活躍することになるだろう。それこそ高いポジションで活躍してきた人であればあるほど「また同じ経験をする」というのは求めないので、同じことをやるなら自分でスタートアップを作るという選択になるだろうし、それはそれで、より高みを望める目標を目指すと言う意味でもある。

人柄のマッチについては、採用する側がカルチャーフィットを求めた瞬間に、採用可能な範囲を狭めているとも言える。当然、他の組織では採用されているわけだから、その会社は何故採用可能だったのか?を考える必要がある。

考えていくべきこと

1.採用したいと思うペルソナを考える

高い給料を得てきた優秀さの源泉はなにか?

・給料の上げ方を知っている。周囲を見渡して評価を得られる行動ができる?
・うまく己の信念を周りに解きほぐし切り開ける?
・こだわりや癖を生かして、卓越したポジションを得られる?
・組織を作れたり引っ張れる?
・目標の設定力、それにフォーカスする力がある?
・圧倒的なプロダクト開発の推進力がある?
・標準偏差的に人が分布していることを理解して動ける。

2.採用する側の器の洗い出し

・優秀な人を採用するに値する課題はあるか?
・それは言葉で明確に伝えられる?
・それをどこまで実現していて、何が足りないか?候補者から評価をされるに値する途中経過は提示可能か?
・癖の強い人材などをどの範囲まで受容できるか?組織の振り幅とマネジメント力はある?
・カルチャー面において、理想的なマッチングに向けて自分たちを変えていける?

人材のブラックホールと言われる会社は、相応に大きなビジョンで、それに共感した人が就職していると考えると考えると、それほどのビジョンが示されなければ、高いお給料の人の次のチャレンジの場所として選んでくれないし、そういうことがお互い期待できる状態でないと採用してはいけない。採用する側も適切な受け皿で有り続けなければ入った後に続かないからだ。


最後に、、、わざわざこんな記事を書くということは、一緒に世界を切り広げられる優秀な人を探しているわけなので、もし興味あったらお話しましょう!簡単に採用できないからこそ、まずは雑談から。





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