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400G-SR4.2と400G-SR8:400G標準規格の違い

 クラウド・コンピューティングや人工知能の利活用が活発になるにつれて、100Gイーサネットから超高速・低消費電力を備えた400Gネットワークへの移行は途切れなく突き進んでいる。IEEE P802.3cmは「400GBASE-SR8」「400GBASE-SR4.2」、WDMによる送受信の多重などに頼らない通信技術という2規格を進めようとしている。

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「400GBASE-SR4.2」とは

 400GBASE-SR4.2は、実質上400G BiDi MSA策定の「400G-BD4.2」と同じく、4ペア8本の光ファイバーを利用して850nmと910nmの2波長で伝送する。最大通信距離は70m(OM3)、100m(OM4)、150m(OM5)までである。
 100GBASE-SR4 BiDiと同様に1芯で50Gbpsの双方向通信(BiDi方式)を行い、これを8心使って400G伝送を実現した400GBASE-SR4.2は、IEEE 802.3標準規格の中で最初に複数本の光ファイバー・波長を採用したと見られる。
 400GBASE-SR4.2は40GBASE-SR4、100GBASE-SR4、200GBASE-SR4との上位互換性を持ち、8本の光ファイバーは全てTR(送信-受信)/RT(受信-送信)という双方向通信機能を備え持っている。つまり、双方向通信の400GBASE-SR4.2は同時に8つの受信機(Rx)と8つの発信機(Tx)を持つということである。
 下記の図に示すとおり、左側はTR(送信-受信)で表記され、850nm波長での送信(Tx)と910nmでの受信(Rx)をサポートする。その反対側はRT(受信-送信)で表記され、850nm波長での受信(Rx)と910nmでの送信(Tx)をサポートする。

「400GBASE-SR4.2」の仕組み
「400GBASE-SR4.2」の仕組み

「400GBASE-SR8」とは

 400GBASE-SR8は8ペア16本の光ファイバーを利用して840~860nm波長で伝送する。到達距離はOM3で70m、OM4/5で100mである。ただ、400GBASE-SR4.2とは違い、400GBASE-SR8は1ペア2本の光ファイバーが送信と受信を行い、850nm波長で50Gbpsを通すという通信規格である。さらに、8対16本の400GBASE-SR8の場合は12ピンのMPOではカバーできないため、下記の図に示すような1レーンで16ピンと2レーンで24ピンのMPOコネクタを使うことになっている。

400GBASE-SR8:16ピンと24ピン
400GBASE-SR8:16ピンと24ピン

 優れた上位互換性を持つ400GBASE-SR8は、50GBASE-SR、100GBASE-SR2、200GBASE-SR4と共通する点がたくさん存在し、個々のレーンについては特性や対応規格の変更がないため、8本の50GBASE-SRから、4本の100GBASE-SR2、2本の200GBASE-SR4までカバーできる。


400GBASE-SR4.2 と 400GBASE-SR8、その違いとは

400GBASE-SR4.2 と 400GBASE-SR8の違い
400GBASE-SR4.2 vs 400GBASE-SR8

 16本の光ファイバーを使用した400GBASE-SR8に比べると、400GBASE-SR4.2のほうが遠くまで届けられる。新技術を組み込まれると同時に、それなりに400GBASE-SR4.2の導入に時間・コストがかかると考えられる。
 日々急増しているにニーズに応じて、ネットワークインフラの技術と拡張が求められている。IoT、5G、メタバースなどといったアプリケーションの実用に向けた超高速・低遅延・広帯域幅を兼ね備える400Gないしは800Gネットワークへの移行・新導入は今後のトレンドとなるだろう。


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